サウナでととのった後にたべるサ飯って、どうしてこんなに美味しいんだろう。しかも、この美味しさだけでこんなにも幸せな気持ちになるもんだから、昼も夜も朝だって、あらゆる食事の直前に、できれば一発サウナをかましたいとすら思ってしまう欲張りです。
ととのうことで鋭く繊細になったスーパー味覚で、"味覚ゴールデンチャンス"という無敵状態に突入したわたしは、すべての旨みを逃すことなくキャッチ。おいしいサ飯を食べて、おいしさによる幸福をめいっぱい味わって、わたしは毎日、しあわせがオーバーフローしています。
せっかくなら、この”味覚ゴールデンチャンス"を存分に楽しもうと、大阪にある大好きなサウナ施設「なにわ健康ランド 湯～トピア」通称「なにけん」までやってきました。サ飯のためなら、わたし、どこまでも行きます。
最近、施設ごとにさまざまなサ飯が展開され、名物料理や、レストラン顔負けの絶品料理が平気な顔でずらりと並びます。これが本当に、すごい。
サ飯を目指してサウナを選ぶことも増えた近年、サウナはサウナだけにとどまらず、サ飯までがサウナなんだと、認識を改めました。
なにけんにもとびきりのメニューが盛りだくさん。サウナに入る前からお腹が空いてきたけれど、サ飯の喜びを脳内再生しながら、いざサウナへ。
高めの温度、強めの湿度、暗めの照明と、全部が好みのなにけんのサウナは、ハイスピードでととのいへとわたしを導き、ものの数分でまんまる玉汗が全身にお目見え。あっという間に水風呂を欲する体が出来上がりました。
以前、なにけんで旦那さんたちとラグビーワールドカップを観戦したとき、15分間のハーフタイムというサウナチャンスを見つけて、１セット決めたことがあります。決まったんです、15分で。（着替え、洗体込み）
サウナ→水風呂→休憩たったの15分しかなかったのに、わたしはあっという間に宇宙の果てへと飛んでいきました。そりゃやみつきになっちゃいますとも。
そんなストロングなサウナでサ飯にむけた体づくりを、今日は真剣に取り組みたいと思います。
サウナ中、「本日の味覚ゴールデンチャンスにふさわしいサ飯はなにか？」という永遠の議題がぐるぐるめぐって、ときどき熱さでなんだかわけがわからなくなりながら、わたしの脳内はサ飯でいっぱい。サウナで無になるというけれど、わたしはこれまで一度も無になったことがありません。熱さに負けない限り、食べもののことばかり考えています。
思えばサ飯という言葉がなかった頃から、サウナの近くに気になるご飯やさんがあるか調べたり、なくてもコンビニで春巻きを片手に帰ったりしていました。サウナに行ったらサ飯を食べて帰るのが当たり前で、サ飯という言葉が出来て救われたうちのひとりです。なんだ、みんな、サウナ後にごはんを食べること、楽しみにしてるんじゃんって。
さて、本日のサ飯の舞台は、日々新しいメニューが開発されているレストラン「なごみ亭」のお座敷。
注文を待っている間に、まずはのんある酒場レモンサワーで一杯。
お酒があまり飲めないわたしにとって、サウナ後の飲み物といえば炭酸水が定番だったけれど、ふわふわにととのった体に、ほどよく酸味があって甘くなく、きりっとした旨みが抜群ののんある酒場レモンサワーがたまらない。
ビールを飲む人顔負けのわたしの「プハーーー」を失礼します。
まずは大好きな「鶏の唐揚げ〈柚子こしょうマヨソース〉」。サ飯に揚げ物は欠かせません。罪悪感も味付けです。
外はカリカリ、中はジューシー、おまけに冷めても美味しい唐揚げなんて無敵です。上にかかっている柚子こしょうマヨソースがこれまたやみつきの美味しさで、ぴりりとすばらしいマリアージュがあとから追いかけてきます。
「手作りだしまき」はとろとろのふわっふわ。
ほおばるとともにじゅわっと染み出すやさしい出汁が、ととのった体に相応しく、体中に染み渡ります。
添えられている紅しょうがが、ふわふわの卵をきゅっとしめてくれる味変付き。隅々に施された、プラスアルファの力。あっぱれのひとこと。
そしてなにけん名物の「セルフ たこ焼き」は、鉄板に生地を流し込むところから、完全に自力で作るスタイルです。美味しいに楽しいが加わって、しあわせも絶頂。
わたしは、カリカリ、トロトロが好みなので、そうなるよう一生懸命育てあげ、見事望んだたこ焼きの完成。
ぁあ、おいしい。あぁ、しあわせ。
思わず叫んでしまいそうなほど喜びで満ちたわたしは、味覚ゴールデンチャンスのたまものだと、本日も確信。ありがとう、味覚ゴールデンチャンス。
一般的なチャンスは、あるかないかわからない、不確かなものだけど、味覚ゴールデンチャンスは、サウナでととのったあとなら必ずやってくる、自分で作れるチャンスです。世界で一番簡単なチャンス。
しあわせって実はすごく簡単で軽やかなものだと教えてくれたサ飯。美味しいなんて、ほんの些細なことかもしれないけど、わたしはおいしさによる幸福を積み重ねていきたい。すぐそばにある「気持ちいい」「美味しい」「しあわせ」を集めていくと、人生がもっともっと楽しくなっていくと思うから。
さて、次の味覚ゴールデンチャンスは、どこにしよう。
