恵びす温泉
銭湯 - 神奈川県 横浜市
銭湯 - 神奈川県 横浜市
潔癖な白に辟易な日々に、表層部分だけ綺麗であとは澱んだ沼みたいなこの横浜って街は悪くはない。これは完全な褒め言葉だ。だからこそこの銭湯が存在するんだから。元町と中華街というまったく異なる街を点でつないで終点の駅名になんてしてしまった罪深さ、その罪深き点の位置にあるのが恵びす温泉。遊園地で聞く刑務所の話。イルミネーションばりに鮮やかな刺青。特にここは本職って感じの人が多い。明るくて充実した楽しいお風呂、三種類のサウナ、プールみたいな水風呂、混沌を受け止め清めつづけてきた凄みと懐の大きさ。貫禄。すごい銭湯なんだ。
崩れかけてた心を立て直したい、その目的で必死で銭湯やサウナに行く日々を過ごしてきたけど、持ち堪えられなかった。壊れてしまった。日中海を眺めて、偶然電車から降りたくなって降りたのが石川町で、とぼとぼ歩いてたら意表をついて目の前に現れた恵びす温泉。入らなきゃって。今回は腰が曲がって大変そうなご主人(?)。タオル二種とサウナエリアの鍵とロッカーキー。ロッカーに間違えてサウナエリアキー使いがち。
手前がお風呂エリア。ジャグジー、ミクロバイブラ、バドガシュタイン、ジェット、高い湯船から低いところに流れる造りで湯船がつながってて楽しい。足ツボ刺激のある歩行浴とそこのお湯が落ちてくる電気風呂。温度も入りやすく、お湯質もやさしく、これだけ元気に動きのあるお風呂、明るい浴場、嬉しくなる。そしてそこから鍵で扉を開けて入るサウナエリア。
#サウナ
サウナエリアにも洗い場がある。あぐらかけるでっないサイズのサウナマットを手に、まずはその階のサウナに。剥き出しの板は座ると崩れそうなきしみ方。渋く香ばしい。タオル絞りまくりの刺青爺に刺青巨漢、読書の細い眼鏡にいちゃん。いいんだよ。人間そんな綺麗なもんじゃない。ボナサウナ。86度表示。しっかり汗かける。階段の上の階には二つのサウナ。68度表示のボナサウナ、下のよりコンパクト。座面の下のボロボロなコンクリも味わい。もう一つはラドンミストサウナらしいがミストは感じない。38度表示。もはや休憩室。
#水風呂
これが最高にいい。下の階、奥に長いミニプールのような水風呂、思い切り全身をどばーっと水に委ねる。たぶん自然温度で肌ざわりもやさしくいい冷たさ。奥の滝で頭冷やすとまたたまらない。体感18度。
#休憩スペース
上の階に椅子があるけどだいたい埋まってて、自分は下の階の洗い場の洗面椅子で。窓が少し開いてるといい風が入ってくる。この風に横浜を感じてむしろいい。
ここと同じような銭湯は少なからず東京にない。きっと運営は大変だろうけど、どうか長く続きますように。帰りはこないだ出会った美味しくやさしい台湾料理店に。
男
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