地図からサウナが探せる！

鶴の湯

銭湯 - 東京都北区

つむぐ

2023.08.17

1回目の訪問

外観の昔ながらな古く渋い、失礼ながらもしかしたら鄙びた銭湯かなという印象が、中に入るとじわりじわりと変わってゆく。派手な何かがあるわけではない。でもどんな銭湯であろうとされてきたのか、一貫して大切にされてきた思いが伝わるような、きっと来た人がみんな来てよかったと微笑みと共に出ていく、そんな銭湯だと思った。若い人やサウナ好きな人にも喜んでもらえるように、所々そんな気配りもされているのが伝わり、ただ古きを守るだけではない姿勢も素敵だ。

なかなかこれなかったチンチン電車都電荒川線エリアの銭湯。東池袋で乗り換えればこんなにすぐ乗れるのかと感動。狭く息苦しい東京も、旅する気持ちで見れば広がりが感じられて楽しい。終点まで乗ってみたい気持ちを抑えつつ降りた滝野川一丁目。すごく静か。少しわかりづらい路地を入ると現れる味わいしかないつるの湯看板。ラジューム浴泉の文字がかわいい。サウナは100円で、敷く用のバスタオルとフェイスタオル。静かだけど、お客さんはいる。

浴場は綺麗で、地道に重ねてこられたであろう内普請もあってぴかぴかに清潔感がある。壁絵はないけど、デザインも古きを主としながらも、洋館のような上品な、それでいて幾何学模様の使われたセンスの感じられるもの。屋根の模様どうやって書いたんだろ。そして植栽の緑もいい感じ。初めは洒落た音楽でもかけたら似合いそうと思ったけど、出るときにはこの静寂が魅力なのかなと思うように。お湯もラジューム鉱石を通してるからかはわからないけど、とてもやさしい。ツヤがあるし、印象としては少し化粧水のようないいヒタヒタ感がある。熱すぎず入りやすい、ゆーったりできる湯船。でもジェット類はなかなかのパワー。この日の薬湯はユーグレナの。

#サウナ
マットは敷かれておらず座面の板は剥き出し。敷くバスタオル必須。なかなかに年季の入った渋い香りがする、まさに銭湯サウナな空気感。香太くんをかけてあっても消せないくらい。二段×三人のシンプルな造りだけど、下段が広くてあぐらかいてのびーっと入れる。暗めで無音。90度表示。出たとこにタオル掛け。

#水風呂
カランのとこに水が飛ばないように、壁に囲われた水風呂。二人ゆったり入れるサイズ。20度。静かな水風呂だけど、澄んでてやさしい安らぐ水風呂。

#休憩スペース
脱衣所を経由したガラス戸の奥に外気浴スペースがあり、椅子三つ。しかもいい低さ角度のあれ。空も見えて静かで時間が止まったみたいな外気浴ができる。

帰りは若旦那さんが優しく声をかけてくださり、試供品の飲み物をいただく。銭湯が好きでよかった。ここをホームにして暮らせたら、人生一歩深く豊かになる。そんな気がした。