カプセルイン大塚
カプセルホテル - 東京都 豊島区
カプセルホテル - 東京都 豊島区
時が止まった古い隠れ家やアジトのような、DQやFFとかのRPGに出てくる洞窟の奥に現れる敵の出ない泉のある部屋のような。電車に乗っててもまだ世界が静か。
御多分に漏れずTwitterでの中の人の面白い書き込みと盛り上がりをきっかけに行ったので、しかも大塚だし、もっとごちゃついた明るくカオスかと思ってた。ロゴのテイストは北欧のようだし。いずれにしても、違った。
EVを上がると昭和カプセルど真ん中な受付で親しみあるおじちゃん。初めて?と聞いてくれて、奥のロッカールームでガウンに着替えて左側のEVで8階だよと教えてくれた。ロッカールームは、犬を飼ってる家でするような匂い。渋い。
浴場は誰もいない。静か。8階なのに地下のよう。御影石らしい黒寄りの浴場には締まりの悪いシャワーから落ちる水滴の刻むリズムと、ラジオのように聞こえる流れる水の音。お風呂は42度。シンプルにしみる。途中からおじいちゃんが入ってきたけど、湯船の中で微動だにしない。より静かに感じる。
#サウナ
静かだ。この静けさは身に覚えがある。ハッとした。我がホーム庭の湯の浴室内サウナだ。もちろん風貌も明るさも全然違う。こちらは焦げ古した壁に天井、ヒノキもかなりの灼け具合。そこらに妙法湯やクアパレス藤のサ室の石鹸的ないい香りのもととなってる丸い錠剤があるも打ち消せない渋く芳ばしい香り。ザ昭和カプセルサウナ。でもこの静けさは庭の湯のそれなんだ。温度も90度でじっくりいられる。TVもBGMもない。ストーブのチリチリチトンという音だけ。ほぼ貸切。先ほどのおじいちゃんが入ってきたけど、ひたすら黙々と眉毛を撫でてるだけ。より静かに感じる。
#水風呂
静かだ。落ち着ききってる。19度。サ室が熱すぎないのでちょうどいい。ほぼ人もいないのでじっくり。たまに減った水の分オートで流れ入る。さっきのおじいちゃんが汗流さずにきた。けど足だけ入って10秒くらい止まって去られた。より静かに感じる。
#休憩スペース
サ室の前に緑のととのい椅子二つ。サウナ水風呂に静寂が加わって恐ろしく心が静かになった。左を見るとさっきのおじいちゃんがよれよれなのに腕の曲がらない腕立てを始めた。静けさを超えて、時が止まった。
3セット後に湯船に浸かってるときにハッと気がついた。そう、この浴場には時計がないのだ。時が止まるも何も、時がないのだ。案外時計のない浴場ってない。何にも急かされず過ごす貴重な経験。
せっかくだしと覗いてみた休憩室には誰もいない。TVからNHK。窓に面したカウンターの椅子に座ると見える大塚駅。ずっと見ていたい。サ飯はホープ軒本舗。ぴったりだ。
男
もう、あの異空間をここまで完璧に表現されるとは…。渡辺篤史の建もの探訪より詩的。おじいさんのせいでより静かに感じたあたりは、国語の問題にしたいし甥っ子に解かせたい!より庭の湯に行きたくなりました(笑)
行ったことないのに五感で感じました…
メチャクチャ、文章素敵です、
コメントすることができます
すでに会員の方はこちら