【閉店】馬橋湯 馬橋バスセンター
銭湯 - 千葉県 松戸市
銭湯 - 千葉県 松戸市
あの水風呂から見上げるガタガタの窓の向こう。台風の後、青空と勢いよく流れる雲、割り込む電線。もし私が死を想い、何か景色を心に描くのなら、この景色かもしれない。頭ではわかっていても、どうしてもどこかでバスの車庫併設の銭湯だと信じて疑わない心があった。今日、頭と心がちゃんと一致した。やっとこの日が。馬橋湯。馬橋バスセンター。
なぜこんなにも惹かれつづけてたのか。それは明白にとある方のこちらへの愛からだった。馬橋とは無縁の人生。恐縮ながら駅名も知らなかった。でもその愛に触れて、気づけば路線図で馬橋を見つけるだけでときめくように。常磐線各停。初めての馬橋。東口を出たらもう見える煙突。町に溶け込む素朴な正面入口。17時。靴箱空いてる。しっぽり昭和で洋間のフロントでご主人にサウナバンドをもらい脱衣所へ。あ、もう好き。古いコンクリな作り。でちょっと縁側的なのも。開放的。
さっきの空いてた靴箱はなんだったのかと思うほど賑わう浴場。常連さん同士のべたべたしてない挨拶が小気味良い。カランのお湯はくぁーっ!と声が漏れるいい熱さ。このかけ湯がしたくて銭湯に来てるんじゃないかと毎回初めてのように思う。ほんっとに気持ちいい。
お風呂はシンプルで、バイブラや水流のあるちょっと広めや白湯と、ざぶろとあるボディマッサージ的ジェットの二つ。42度くらいか。良質な地下水を薪で沸かしているとのこと、頷けるお湯のほろほろなまろやかさ。肌あたりやさしい。ありがたやぁぁ。
#サウナ
扉を開けると裸の板の座面でぎゅっと二段×三人程度のコンパクトなサウナ。端に洗濯されたサウナマットが畳んで積まれていて、そこから一枚取って敷くっぽい。120度表示。多分そこまで高くはないと思うけど、がっつりたんまり熱くなれて汗すごい。ガス遠赤外線。ひりひりする熱さではなくふっくらしっかり。普通の時計が床に置いてある。使い終わったマットをどうしたらよいのかわからず、誰かが床の隅っこにくしゃっと置いてたの真似した。違ったらごめんなさい。
#水風呂
地下水のやわらかさと自然なやさしさに包まれる安らぐ水風呂。21度。すぐできる羽衣を静かに纏い続け、頭の中が無になっていくのをただただ感じて、窓の向こうの空に心預けて過ごす。
#休憩スペース
人の少ないところで洗面椅子で。脱衣所の縁側は個人的にはイメージは持てなかった。私は洗面椅子で休むのがとても好き。壁のいい意味で普通なカモメのタイル。年季の入った床。気持ちよさそうな湯船のおじいちゃん。どんな立派な景色の外気浴より、この時間と空間がいいときがある。
風呂上がり、幻想的な夕暮れに吹く台風の風。目を閉じる。メメントモリ。
男
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