週末の風受け師｜サシツダイバー

昨夜の残像が残る。時が止まったように蒸気の中を舞ったタオル。熱気球のよう。シアターの広さを感じさせない、本格派堂々の陸さんプレミアムアウフ。中盤にしてHRは軽く140を超える。シアターの完成形はライブのような一体感なのだろう。オートのブロワと組み合わさるととんでもないことになる、そう予感させるショーだった。いやそうなると水着で水風呂欲しくなる、いや冷凍庫か。あぁなんて私は欲深いのだ。

オート侮るなかれ。凄い、いや面白い！！暗がりで際立つロッキーから立ち上る圧倒的な蒸気の柱は、ジェットコースターの頂上でカタカタカタ…と音が鳴り止んだ時のように次に訪れる期待と恐怖を想起させる。12個のオートブロワは加減知らず。熱響の間はミュージック鳴り止むまで約4分あの広さをものともせず足の先まであちちのちに蒸される。クールルームも良いがなんと水風呂が恋しいことか。サシツのオートブロワも時間長くこちらは12度と格段冷えた水風呂で全身に濃くあまみが走った。プチ遠征で初訪問だがとても印象に残った。近場の日常通いが羨ましい。

22年開始はゆいるで笹森さんの風から。表現が難しいがサウナーのツボを見事に押さえたエンタメでこれでもかと楽しませる、漂う雰囲気が好き。熟練の受け師だから成せる技に思えてならない。入室前にちらりとブロワが見えて今日あるのかとつい苦笑い。案の定メインは生焼け厳禁で笑、ブロワ3回も今日はなぜだか気持ちいい。琥珀もぐりでMAD MAXならぬ氷水のプレゼントを頭から浴び昇天し、上半身はかつてないほどあまみが走って年始からととのった。それにしても、、、今日のオートあちちのちで、上段は皆さん全滅でした笑

どこを見ても「全てが行き届いている」そのために旅行する価値がある素晴らしいサウナ施設。21年最後の21時のロウリュは爽やかな香りの後にウッディな香りがワンテンポ遅れて追いかけてくる、複層的なオリジナルアロマ。セット毎のアロマ替えに趣向を凝らすアウフギーサーが現れている中、こんなことが可能なのか。サシツをカーテンで暗室に変え、暗闇でロウリュの音と香りだけにサウナーがダイブできる配慮と併せ、その事実にただただ感動する。サウナを愛でたいチルアウトを片手に座り込んだ私は、なんだこれ？と強烈に感じる、これまでと全く違うととのいを体験した。22年もまた訪れたい。

背徳感の重ね掛けがととのいを加速させる。朝からザブンと神戸ウォーター掛け流しのあの水風呂に浸かり、蛇口から神戸ウォーターで朝イチの喉を潤す。新神戸と三宮の中間地点、ともに徒歩圏内で遠征サウナーなら宿として立地最高。グリル一平、欧風料理もんなど洋食好きならサ飯も満たされること間違いなし。朝から整えていざ向かわん、21年〆は長崎サウナサン！

久々にあまみがハネた、熱さと冷たさが他と一線を画し「沁みる」サウナ。サウナストーンのボリューム感からかサシツ熱さは草加を想起させ、シングル表記でもより水温低さを感じさせる水風呂。かるまるのサントルから出るのと同じ感覚に至る。タイミング合わずアウフ受けられなかったが、果たしてこのサシツで関西No.1熱波師と対峙し受け師は生き延びられるのだろうか。想像しながらととのうのであった。

ひとこと、エモ気持ちいい。銭湯系の特権とも言えるケロリン桶を開店時は山崩しで持ってくところから既にエモい。蛇口はニューレトロそのもの。最近のニューウェーブとは一線を画し、上段下段の概念なく遠近で暖かさをコントロールする術が求められる、肩寄せ合い譲り合い型のドライサウナ。なにより驚きの水風呂がさいこー！とても気持ちがいい。サウナも水風呂もずっと居れる。けど一時間は守る。そう何より譲り合い型。全体とてもコンパクトながら、お財布にも優しく、近所にほしぃ…

あの他にない圧倒的岩サウナとそれを使いこなすプロの技を見た。セット内の緩急つけたアロマ水の投入は、届く数秒差の蒸気、タイミングの段階的コントロール、その心地良さを想像できていてこそなせる、オートでは出来ない技。それもあのサウナだから出来て、それを分かっていて出来ること。流石に並びすぎ笑、15時18時、2回とも抽選外し、それでもあの小窓だけは占有して指を咥え眺めながら、そんなことに見入り、熱子ファンになった。

ゆいるのサシツは甘い香りとの相性が良い印象。アウフグースは日増しに次元が高くなり、個人の色が出ていて楽しみが増していく。だからか、最近は琥珀もぐりに長居しがちになりつつあるのが受け師の贅沢な悩み。元気ない今日も、ついつい足が伸びてしまった。そして炭酸泉でととのったー