たんたん温泉・福寿の湯
銭湯 - 兵庫県 豊岡市
銭湯 - 兵庫県 豊岡市
庭造りは第4コーナーを曲がった。明日が日程の半分が雨であり、セメン(セメント、コンクリートを使う作業のこと)をするには最悪の日々の〆切だ。明日もなんと昼から雨。
丹後半島の桜花は自然と私との熾烈なデッドヒートの中に、消える!!
それならばと車を走らせる先はもちろんたんたん温泉福寿の湯。行く途中も雨が降り頻り、なんと霧まで出るという状況だ。なるほど勝負はもう始まっているのだ。今日の男湯は高龍の湯。向かって右側である。身体を清めていると常連のお二方が声を掛けてくれる。雨だからなのかいつもより退散が早い。サ室も人は疎らで、独りになることしばしばである。
外気浴をしているときも霧雨が辺り一面を覆い、まるでたんたん温泉を隠しているようだ。
20時を回ると人気はさらに少なくなる、というか私しか居なくなった。サ室で唯一人、明日の作業について考えていた。テレビは誰かの何かのドキュメンタリーのようなものを映していた気がするが、私の耳にまともな音として聴こえるのはサウナストーブの弾ける音だけだった。
月すら隠れて20時半。丸太のベンチに腰掛けて身体の状態を確かめる。11日間の工程を為し得るのもここたんたん温泉があってこそだ。明日の作業がつつがなく終わるように自身の手入れをする。
サウナ、水風呂、外気浴スペース、露天風呂、そして内湯とお一人様一周旅行を終えた頃にはそろそろ閉店のお時間だ。さんざ悩まされてきた雨であったが、こんな僥倖があるなら、そんなに悪いものではないのかもしれない。
それともこれは、嵐の前の静けさなのだろうか。
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