ノーベル
カプセルホテル - 東京都 中野区
カプセルホテル - 東京都 中野区
中野にノーベルというサウナがある。一階はパチンコ屋、二階は喫茶店とサウナ、そして三階からはカプセルホテルといった建付けだ。
私はかつて十年弱、中野に住んでいたが当時サウナに興味がなく、ついぞ入らなかった。
だが今になってノーベルが気になってきた。サ活を読んだところ、古びていたり水風呂が温かったり評判は良いとは言えない。
行っても後悔するかもしれない。でも行かずに後悔するのは嫌だった。長く住んでいた街のサウナを知らないことが気持ち悪くすら思えた。
そんな訳で中野へ足を伸ばした。毎日通った道だけに迷うことなく着く。入れ替わりが激しいこの商店街に変わらず構える建物。夕方には台風が来る日曜日の朝、一階のパチンコ屋には開店前の列が出来ていた。それを横目に二階へ。壊れたオルガンが放置されたロビー、目の前にはサウナノーベル。
中は誰もいない。番台も無人。ロッカーに靴を入れる、後ろを振り向く、番台に店員と思われる初老の男性がいつの間にか現れていた。「いらっしゃいませ」の言葉も笑顔一つもない。
靴箱の鍵を差し出す、無言でロッカーの鍵と交換される。番台にはロッカー番号や入館時刻を記載するボードがある。指示されることもなく、私も無言で記入する。入館手続きで結局言葉を交わすことはなかった。
決して明るいとは言えない店内、休憩スペースはやや散らかっている。一糸まとわぬ姿になり、浴室内に踏み込んだ。酸っぱい臭いがする。サ活に書いてた感想と嗅覚がシンクロした。お世辞にもきれいとは言えない。
体を洗いサウナ室内へ。浴場にも人はいなかったが、サウナも貸し切りだ。テレビがついていた。ついているにはついているが、その画面は空虚に黒い画面を映すだけで壊れていた。
マットは綺麗だし、ドライ寄りながら湿度も適度にあり気持ちいい。汗をかくまで時間がかかる個人的には好きなタイプだ。じっくり時間をかけ水風呂へ。
温度計は23度なのに体感は19度くらい。
年季こそあるが悪くない。サウナ室の使い込まれた木の感じも、新しいサウナには手が届かないこのサウナの勲章だ。
結局なんだかんだで2セット堪能し、普通にととのった。でも立ちブースのシャワーは臭かった。びっくりした。
年季の入りすぎたポットに入った薄い麦茶をかきこみ退館。
帰り、無言でロッカーキーと靴のキーを交換する。なんとなく「サウナ気持ちよかったです。ありがとうございます。」と初老の店員さんに伝えた。すると無言で笑ってくれた。
またノーベルに来たい。その時は変わらず無言で迎えてくれるのだろうか。
ノーベルがんばってほしいです。
コメントすることができます
すでに会員の方はこちら