多摩境天然温泉 森乃彩
温浴施設 - 東京都 町田市
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第28節
「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗き込んでいる」
爆風装置の漆黒の二つ穴をじっと眺めると、この暗闇の奥に得体の知れない何かが潜んでいるように感じる。
それは微動だにせず、じっと息を潜めサ室内の我々の一挙手一投足を観察し、一見おとなしくも見えるが、その暗闇がどこまで広がっているのか誰にも覗き込むことはできない。いや、できるはずがないのだ。
その暗闇の先を仮に懐中電灯で照らし覗き込んだとしても、数分先に訪れる未来を変更する力は我々にはないのだから。
1771年アークライトが水力紡績機を発明し産業革命の狼煙が上がると、人類の生活水準は格段に向上へと向かっていった。しかし一方で次第に機械化は労働力を奪う悪魔として恐れられ、ラッダイト運動が起こる。労働者は蜂起を起こし、憎き悪魔を打ち砕くべく怒りのハンマーを振り下ろし続けた。
彼らもまた疲れ知らずの感情のない無機質なそれに深淵を見たのだろうか。
しかしやがて彼らは機械化の波に静かに深く飲み込まれていった。抗うことのできない大きな蜿の中へ、それが支配か共存なのかわからぬまま、機械が当たり前になった。
2021年に完成した人類の大発明とも言える爆風装置と我々はどう向き合うのか。
我々を焼き払うことを虎視眈々と狙っている怪物はすぐそこで、その咆哮を上げる瞬間を今か今かと待ち望んでいる。
サウナストーンに延々と降り注ぐオートロウリュの奏でる旋律は、これから始まる阿鼻叫喚への序曲として我々の鼓膜を刺激する。
赤いランプが灯れば、2秒後に爆風装置は狂喜乱舞の唸りを上げ、我々の皮膚を縦横無尽に焼き尽くしていく。
抗うことのできない熱風の嵐が終わり、やがて訪れる静寂の世界に残されるものは何もない。虚空、ただそれだけが残る。
あとは快楽に身を委ね水風呂に浸かり、胎動する自然の中で悠久の時を過ごしてきた木々に囲まれ静かに身体を休めるだけ。
深淵の底では見つけられなか色とりどりの木々の輝きとここでは出会うことができる。
我々は爆風装置の虜になり、ここを何度も訪れるだろう。
サ活記録
ドライサウナ3セット うち爆風2発
スチームサウナ 1セット
男
自分でもわからないっす!笑 まとめると爆風装置は神✨でも森は最高ということです😊
おぉwそれなら解ります😂
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