2019.08.05 登録
[ 岩手県 ]
小屋の扉を開けた途端まずは極太の梁と柱に驚愕し、半ばととのう。80年以上前のものでその古民家を丸ごとリノベーションしたとのこと。室内浴用のインフィニティチェアがこれでもかと並び、壁には竹でできたかんじきが置いてある。(まさか未だに使ってないよな…展示物だよな…)
おしゃな施設でも見たことのないアマゾンの検索でも発見できないような木製サウナマットや木製うちわなどが壁にかけられている。木製サウナマットは初体験である。(なぜか80年前ぐらいの木製クワもある…展示物だよな…)
薪を両手に抱えていざサウナへ!そう、薪ストーブなのである。テントではなく、小屋で薪ストーブである。そう、本気のサウナだ。まじで。
釜石が誇る石村工業さんのドデカいクラフトマン薪ストーブ。サウナストーンが床まではみ出ている。更にお相撲さんが飲むようなでかい盃のようなものがサウナストーンの上に鎮座している。奥州市オイゲンさんの南部鉄器鍋とのこと。器には水を張り鉄分が溶け出した蒸気が常に湧き上がる仕組みだ。鉄分蒸気を身体に弾けさせるのはおそらく初であろう。図体のでかいストーブには何杯ロウリュしてもまったくサウナストーンが冷えない…。貸切りだったのでジュ〜が聴こえなくなる8杯ほどロウリュしてみた。勿論熱い。熱いが湿度が上がるだけで温度は高温にならないため、まったく苦しさがない。(因みに最上段の床の間のような場所はほぼ仏になれる。日々の業を振り返るにはうってつけである)
水風呂は、地元八幡平市の200年続く老舗酒蔵わしの尾さんの酒樽を使用とのこと。シャワーで汗を流しいざ樽の中へ。かる○るで鍛えた円柱水風呂の収まり上手がここで発揮される。慣れたもんである。透けないだけでここまで落ち着くとは…。
そしていざ外気浴へ。
東京ドーム以上の広さの芝生(実際にはあまりに広すぎてどのぐらい広いか、何に例えられるかまったく検討もつかない)に身体を完全に預けてみる。横にも上にも視界を遮るものがない。あるのは空。聴こえるのは鳥の声。香るのはツツジ。感じるのはそよ風である。(たまに虫が脚にとまるが今は俺が大地である)
静寂に空腹の音が響く。
最高のサウナだ…。
全て岩手産にこだわり数々のサウナ施設で経験を積んだであろう、地元岩手とサウナが好きすぎる狂気の主人にドン引きつつ、盛岡駅で買ったウニ丼弁当を食べる。
箸が短すぎる気がするが、のどかな岩手でゆっくり食べるにはちょうど良い長さではある気もする。
[ 岩手県 ]
サウナの新しい可能性を発見してしまった…。
まずは、サウナ。
サウナ室は広く三段。ロウリュ直後から30分間は湿度が非常に高く保たれ、温度88度でも一瞬で汗が滝になる。奥行きもありあぐらもしやすい。上段の背もたれ板には触れた時の熱さを軽減させるためかコルク素材?をボサボサに加工されたような仕様となっており、凹凸が気持ちがよく背中にあたる。
その次に、水風呂。
温度計は無いが恐らく19〜20度だろう。地下水掛け流しの水風呂は底は浅いがかなり広々としており、簡単には水温が下がらない。前方に見える壁が全面モザイクのガラス張りとなっており、日中の日差しが神々しく光り輝き揺れ動く。まずはこれでほぼととのう。
そして、外気浴。
露天風呂兼外気浴スペースは、FPR製?の椅子が2脚あり、オットマンが石で出来ている。この石は地元の産の黒姫神石なのだろうか。椅子が半端な角度のリクライニングで凹凸が無く非常滑るため、オットマンに足を置きずらいのでシンプルな白いスタッキングチェアに変えるべき。床の石畳みそのまま寝転ぶことにした。実はこれがまた最高で適度な石の貼り合わせが背中にあたり気持ちが良い。そして目の前はしっかり手入れされた広い日本庭園。(なぜこの写真を公式に載せないのか… 勿体ない…)
これで1セット。
ま〜普通の流れといえば普通。
実はここからがサウナの新しい可能性である“ぬるま湯”のお話。
大浴場の手前に大人一人が入れる程度の狭い「青森ヒバの湯」が2つある。地下から汲み上げてそのままかけ流してるので温度は季節によってまちまちらしいが、ほぼぬるま湯温度とのこと。実は外気浴の時にアブ(刺されると痛いし痒い)が飛んでおり、そのことで気が散ったせいかちゃんとととのうことができなかった。故になんとなく見た目に新鮮なこの青森ヒバの湯に浸かってみたら、なんと気持ちが良いことか… ぬるま湯というのは非常にまろやかで皮膚とお湯が完全に同化するのである。今までにない高揚感と多幸感におそわれ、まさかのととのい…
ほう…
外気浴の代わりにぬるま湯でもととのったのだ。
サウナ → 水風呂 → ぬるま湯 → ととのう
新しい発見で(有識者は既に知っているかもしれないが)喜んでも見たが、そーいえば都内にぬるま湯がある銭湯や温泉やスパはどれだけあるのだろうか…
これから戻って粛々と都内を回遊せねば。