サウナしきじ
温浴施設 - 静岡県 静岡市
温浴施設 - 静岡県 静岡市
急に思い立っただけなのだ。
静岡に転勤になった、バイト時代の後輩に会いに静岡に弾丸で遊びにきた。
夜が明けるまで家で酒を飲み、朝方仕事に向かう後輩を尻目に
「そういえば、”しきじ”も静岡県にあったなぁ」と考えながら送っていると、
自然に僕をタクシーは誘って行った。
まさに、棚ぼた的展開、いや、劇的な衝撃的邂逅だった。
タクシーの運ちゃんと世間話をしながら、土砂降りの中“しきじ”に向かう。
「ここは、開発されてできた土地だから、碁盤の目のように整理されてるんだよ」
そんな計画的な街のつくりと、この無鉄砲な弾丸旅行で来た僕は似つかわしくないのかな、と思った。
ようやく到着し、靴箱に靴と折り畳み傘を入れて、入浴券を買い、着替える。
あの聖地に足を踏み入れていると思うと、興奮が抑えきれない。気のせいか、マイケルジャクソンの”Smooth Criminal”みたいに前のめりに歩いてしまう。
そこで目にしたのは、逸脱した、徹底的な”禅”の空間だった。
フロアに入ると、まず目を疑った。”整いチェア”が6脚と、しきじの看板を彷彿とさせる黄色いシンプルなベンチが2脚鎮座していた。
完全に、理性と本能の向こう側にトリップしている男性が数人いる。もはや垂涎の思いである。
そしてふと、左に目をやると、”フィンランド式” と”薬草式”の2つの部屋。
右手には浴槽で、その隅には伝説の水風呂。
もはや、分かっていたけれど、整い始めていた。
〜つづく〜
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