地図からサウナが探せる！

やすらぎの湯ニュー椿

銭湯 - 東京都豊島区

ねこ生きる

2020.12.14

30回目の訪問

【悲しみに寄り添う場所】

楽しいはずたったのに猛烈に悲しい日だった。

仕事のことプライベートのこと、体調のこと、ずっと我慢してたけど、ほんのちょっとしたことがキッカケでコップの水が溢れるように涙が止まらなくなってしまった。

他人の幸せを笑顔で見送り、
文句言わずフォローしたり、気を遣っても足りないことだけをずっと責められる。しかもいちばん理解してほしい人に。
まだ頑張らないとダメなのか。もう体も心もボロボロなんだけど。

私の人生ってなんなんだろう。悲しみを通り越してとにかく虚しい。

静かなロッキーサウナのなかで思い切り泣いて気持ちを切り替えたくて、1人になってからニュー椿に行く。ロシアのサウナを真似して、蜂蜜入りの熱い紅茶を水筒に入れて。冬になったらやってみたかったのだ。

なんとなく、今日は誰もいない予感がした。

予想は半分当たっていて、髪と体を洗ってサウナエリアに戻る頃にはほとんど人はいなかった。

まずは塩サウナで体を清める。体についた邪念が消えるように祈りながら全身に塩を塗る。温度計はなんと100度を指していた。熱くて耳が痛い。椅子に水をかけると、モワッと蒸気があがる。
有吉がゲームをやる番組で桃鉄をやっていて、険しい顔で塩をすり込んでいたのに思わず笑ってしまう。桃鉄は偉大だ。

水風呂に入って露天で休憩していると悲しみがずいぶん薄らいでいた。

今日はロッキーサウナもいつも以上に暴力的で、92度。頻繁なオートロウリュでとにかく熱い。下段でも耳が焼けそうに熱く、思考を奪われ、泣くどころではない。もう何も考えるなってことか。涙のかわりに汗がじゃんじゃん出る。

水風呂から上がって夜空を見ながら、持ってきた蜂蜜紅茶を飲む。水筒の蓋をあけると甘い香りが湯気とともに立ちのぼり、ひと口飲むと、紅茶の熱さがお腹の内側から冷えた体にじんわりと広がった。この温かさと甘さが心にもじんわりと染みる。

傷つく中で見えなくなっていた相手の優しさを思い出す。大切な人にだけはせめて分かってもらいたいし、失くしたくないなと思った。風呂からあがったら、連絡してみよう。

ニュー椿は泣かせてはくれなかった。結局いつもこの場所に救われる。

問題は何も解決してないのだが、ニュー椿があってよかった。そんな夜でした。