サウナセンター鶯谷本店
カプセルホテル - 東京都 台東区
カプセルホテル - 東京都 台東区
予定がないのなら家で大人しくすべきだと思っていた。
サウナに行くのを逡巡し、実際に家と駅の間を何往復もした。
だけど行くしかない、回数券の期限が目前という理由だけで向かう。
悲しい。
ぐずぐずしていたのもあって、到着が17時過ぎ、街はどこか浮足立っている。
いつも使う手前の下駄箱はスカスカ、渡されたロッカーキーもいつになく若い番号でまさかの一桁だった。
こんな日に来るのは、私のような"真のサウナ好き"か、出勤前のサンタクロースぐらいなものだろう。
「やっぱりな…。」という感想を持ち、6階へ上がると、意外にも脱衣棚は埋まっていた。
「これから上野辺りに繰り出す前に、ひとっ風呂浴びるんですね〜わかります。」
そんな風に考えながら体を洗い終えると、18時の5分前だった。
アウフグースに参加すべくサウナ室に滑り込んだものの、寸前になっても始まる気配がない。この5分足らずで汗はすでにダラダラ流れている。
「この待ちぼうけ感、おいおい、今日だけはやめてくれよ。」
と不安がよぎった矢先、担当のIMIZMさんが来られた。
空気を送りながら
「あと30秒で始めますんで〜。」
なんて浴室にも声をかけているけど、びっくりするわ。
最初期に受けて以来だが、その頃に比べて前口上もアウフグースの進行もスムーズ、熱めに仕上げてくれるのも健在で、体の芯に響くようないい熱さだった。
この後、2セットこなして19時前になった。
担当はMさん、誰だ??
名前はMでもドSのパターンもある。
日和って下段に座った。
(今日は1年で1番、チキンが似合う日だから大丈夫)
目が悪いので容貌からは判断できなかったが、声には聞き覚えがある。
落ち着いたトーンで
「目を閉じて香りと蒸気が降りてくるのをお楽しみ下さい。」
との口上で確信した。
しばらく姿を見なかったので、異動か退職でもされたのかと忘れていた。
ずいぶん久しぶりだ。
蒸気をしっかり降ろしてから熱波を送る。
穏やかだけど最後の方はしっかり熱い。
その後、20時回と21時回を受け、1人で飲み食いして帰った。
人の少ない食堂はTVの音が虚しく響いていて静けさが強調されていた。
帰りもなにか色めき立った雰囲気だった。
なにが
「ほら見てよ、サンタさんの袋はパンパンだよ〜」
だの
「どうだい、立派なトナカイの角だろ?…Oh〜、それは角じゃないよ、フフフ…」
だ、バカヤロウ!
スカイツリーまで赤白に染まって浮かれやがって!
やっぱり古の言い伝えは正しかった。
クリスマスなんて心を惑わす邪教だ。
即刻中止にするか、渋谷のハロウィンよろしく、厳しく規制すべき…というのはまた別の話。
いい汗かいた。
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