香藤湯
銭湯 - 東京都 杉並区
銭湯 - 東京都 杉並区
降雪の文字がちらつくぐらいに寒い夜はとびきりのあつ湯に限る。
杉並・中野にかけてはあつ湯を擁する銭湯が揃っているが、その中でもここは特に熱い。
静かな脱衣所を抜け、浴室に入ると人は少なかった。
立ちシャワーの湯を浴びるとものすごく熱い。
気合いが入っている、いや気合いの入る熱さだった。
透明感あふれる浴槽は誰も入っていなかった。
角のバイブラの位置に陣取り、思い切り身体を沈める。
寒さで縮こまった体が先ほどの熱いシャワーでほぐれたが、湯が熱すぎて逆にまた体を縮めたくなるぐらいだった。
しばらく浸かった後、脱衣所で扇風機に当たりながら休憩をした。
この温まりを水風呂で冷やすのは少しもったいない気がした。
時間が経つと段々体表面は冷たくなってくるが、体の芯は、ちょっとしたきっかけで汗がドッと出そうな熱さだった。
このままの状態では上段はしんどそうに思えたので下段からスタートした。
木の香りと明るい光に包まれゆったりと過ごす。
内面の安寧とは裏腹に汗の出は激しい。
体が熱くなりすぎないぐらいで水風呂に入る。
冷たい。
ここの水風呂、こんなに冷たかったかと思えるほど冷たい。
井戸水でも使ってて外気温の影響を受けているのか?
水風呂がこれだけ冷たいと安心してあつ湯も挟める。
再び扇風機の前に座ると眠くなる。
横になりたい。
このまま横になれば優勝なのはわかりきっているが、それでは単純な誘惑に負けたことになる。
目も開かずうとうとし始める。
前にも横にも中にも外にも気を張らないとすぐに落ちてしまう。
気合いを入れ直すために湯に浸かる。
うとうとしているうちに人が増えた。
洗い場の稼働率が高い。
浴槽も入るところを考えないといけない。
水風呂は最初から狭い。
サウナだけは空いていた。
ここの利用者はサウナ客の割合が高いイメージだったから意外だった。
その後は上段で2セット、次の日は休みだから今日はいつまでもいられるなと思った矢先、電気の一部が消された。
閉店時間を確認したら24時までで、時計を見たらその寸前だった。
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