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ヒロ♨️

2021.07.09

1回目の訪問

金曜の夜。一週間が終わった。
仕事はだんだんと佳境に近づいてきた。
そして、来週は勝負の週だ。

不安、焦燥、恐れ。
全てを灼熱で燃やし尽くして
灰にしたかった。

そんな気分で駆け込んだ先は赤坂オリエンタル。

♯浴室
ビーチリゾートを彷彿とさせる外観とは裏腹に、浴室内は和なテイスト。壁は江戸時代の浮世絵。浴槽の縁はひのきっぽい。ぐっちゃになった世界観はリアルな日本ぽくて嫌いじゃない。

水風呂は2種類。サウナの隣には15.7℃。そして反対側は11.3℃とキンキン。

♯サウナ
やはり夜10時台は混んでいた。定員10人位の大きさに、多いときは14人。床に座る人もいた。温度計は102℃を指していたが、そこまでツラくない。余裕があった。12分いてもまだ全然だった。とその時、予定ではなかったロウリュウがゲリラ的に始まった。今日は人がたくさんいるのでサービスです、とのこと。少しぬるく感じてたのが嘘のように熱がガンガン体内に入って来る。逆にもはやツラい…。

いやしかし、男たるもの、送られた熱波は全て全身で受け止めろ。自分の想像する限界を超えた先に見える世界があるはずだ…。

俺は自分に言い聞かせた。


室内のテレビで流れていたドラマ「♯家族募集します」の中で、子育ても仕事も頑張る女性演じる木村文乃も「自分を甘やかしたくないんです。」みたいな覚悟めいた台詞を言っている。

1分は耐えた。しかし…

うぅ…。もう限界。
ロウリュウの途中だけど出よう。
人間ときには自分を甘やかすことも必要だろう。

男の決意なんてやわなものだ。

♯水風呂
11.3℃に駆け込み汗流してIN。
「ぐぉお…うぅぐぐ」。声が出た。
まず、肌の表面がシビれる。その後、ズキンズキンと冷たさが体を蝕んでいく。そして、ここには打たせ水があることを知る。ボタンを押し、落ちる水柱を頭のてっぺんで受け止める。脳天に連続パンチを浴びせられてるような衝撃。ボコボコにされる。

20秒ほど頑張ったのち、15.7℃の水風呂へ。11.3℃で麻痺した体は15℃台では冷たさを感じない。謎の感覚で体がよくわからない状態。

♯ととのいイス
フラつきながらととのいイスに座った瞬間、昇天。脳天がぐわんぐわんする。レイブなパーティーでドープなもん摂取した時ってこんな感覚なのかな…。あぁ。

とにかく、最高の金曜の夜になった。
今週の自分を労えた。

来週の今頃、俺は勝負をしているだろう。
もしやり抜くことが出来たら、
またここに来よう。自分を甘やかしに来よう。

とりあえずお疲れさま。さよなら今週。

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ヒロ♨️

2021.07.06

1回目の訪問

早いうちに、みづほには行っておきたかった。7月末で営業終了になってしまうというのだ。設立は平成10年ということだから、23年間続いてきたということか。

7時30分頃、客は5人程。脱衣所の棚には常連客の名前が書かれたカゴが並んでおり、それぞれの客の私物の道具が入れられていた。

#トロンサウナ
高温サウナ以外に、トロンサウナという低温のサウナがある。62℃。岩盤浴のノリで蒸される。ガラス張りで外が丸見え。室内は明るく、ジュディ・オングやアグネス・チャンといった昭和の歌謡曲が流れていた。20分程度蒸される。

♯「ジャバさん」
トロンサウナ後、ととのいイスに座っていたとき、驚きの光景を目にした。高温サウナから、ジャバ・ザ・ハットのようなフォルムのおじさんが出てきて、水風呂に音を立てて飛びこんだ。浴槽の中で体を縦横に動かしてジャバジャバ波を作り、しまいには浴槽の中でジャバジャバ顔を擦っていた。ヤバい。フリースタイル過ぎる。

「まぁマナーだとかデリカシーだとかをとやかく言うつもりはないけど、今から俺があの水風呂に入らなきゃいけないと思うと、ちょっと萎えるよね…」と心の声。

というわけで以下、このおじさんのことを敬意を込めて「ジャバさん」と呼ぶ。

♯高温サウナ
サウナに入って分かった。ジャバさんは常連客だった。常連客同士は顔見知りになっており、ジャバさんはその中心だった。「7月で終わってしまうと、近くにサウナないからやってられないよね」という話題だった。

♯ととのいイス
突然、ジャバさんから話しかけられた。
ジャバ「ここ、7月で終わっちゃうんだよ。どうすりゃいいんだよ。」
俺はとっさに「五反田に新しいサウナできたらしいですよ。ドシーっていう。水風呂はないですけど。」と返答。
すると、ジャバ「水風呂がないなんてそりゃダメだよ」と一刀両断。

しかし、しばらくの間があった後、ジャバさん、少し寂しそうにこんなことも呟いた。

「憩いの場がなくなっちまうじゃん」。

そうか、ジャバさんにとってはサウナはととのいだけでなく、他の客との憩いのためにも来てたんだな。

サウナでは、日々顔を会わせる人同士の繋がりが生まれている。サウナがなくなることは、ここで育まれたゆるーいコミュニティも離散してしまうことなのかもしれないんだな。勝手に、少しの悲哀を感じてしまった。

7月末で、サウナみづほはその23年の歴史に幕を閉じる。

ジャバさんの、大玉スイカのように丸く膨らんだお腹には、残り1か月しかない憩いを惜しむかのように、くっきりハッキリ、見たことのないような美しいあまみが浮き出ていた。

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ヒロ♨️

2021.07.04

1回目の訪問

「健康センター」という名前が気に入っていた。流行りに乗っからないそのワーディングに威厳すらも感じていた。

朝10時の開店を目指し、東武伊勢崎線草加駅からの無料バスに乗って7分。ラッコ親子の看板が見えてくる。楽しげな表情。しかし親の方は怒らせたら怖そうなヤツっぽくも見えた。

客層は3割が(俺含めて)ソロのおっさん、4割が若いカップルかグループの遠征組。
残りの3割は、地元のおじいちゃんおばあちゃん達。ブームの前から続いてきたであろう日常の佇まいで、俺は「おじゃまします」という気分になった。

♯お風呂
効仙薬湯が驚くほど濃ゆい。ツーンと鼻を抜ける葛根湯の匂い。聞いてた程に○ンピリ痛はなかったが、効いてる気がする。体全体にエネルギーが漲りそう。なによりこの匂いが好きだ。草津温泉の湯もその硫黄臭の強さに説得力があった。

♯麦飯石サウナ
3段構成で40人程入れる大きさ。向かって左がガスヒーター、右がストーンストーブ。どちら側に座るかで熱され方が違う。ガスの方は、正面からどっと押し寄せてくる。ストーン側だと、周りからジワジワ来る。3段目は95℃、2段目は90℃。どっちも8〜9分で十分熱された。偶然か狙ってか、サウナ時計のメーカーは「KENKO」だった。

♯水風呂
15〜15.7℃の地下水かけ流しの冷たさ。肌の痛覚が刺激される。バイブラは連続パンチのようにボコボコ羽衣をぶち壊し続ける。その攻撃性に思わず「うぉぉぁぅ」と声が出る。悶絶する俺を目の前にある黙浴を促すポスターでラッコちゃんは「その話、今じゃなきゃダメですか?」と冷徹に切り捨てた。

♯サ飯
食堂はカップルやグループの若者で賑わっていた。全てのテーブルには何かしらのグループがいて「一人で相席で入ってくのも辛いよなぁ…」と行き場を失う。そんな中、一人寂しく彷徨うおっさんに声をかけてくてれたのは地元の80代くらいのおばあちゃんだった。
「ここ開いてるよ」
自分のテーブルの相席を促してくれた。注文の仕方まで教えてくれた。受けて入れてもらえた。人の優しさに触れた気がした。

♯まとめ
薬湯風呂に麦飯石サウナ、天然水風呂。どれもパンチ強く、控え目に言って最高だった。しきじ、かるまると並んで俺ん中ではトップランクだ。草加健康センター。

また、地元のおじいちゃんおばあちゃんも印象的だった。その元気70〜80代の姿は理想的な老後の形だった。俺も、いつまでもサウナに入り続けよう、温泉に行こう。ゆったりのんびり健やかに過ごせるのが最高の幸せじゃないか!

俺は、ある一つの結論に達した。



人生も、サウナも、「健康」が一番だよねっ!

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ヒロ♨️

2021.07.03

1回目の訪問

改良湯

[ 東京都 ]

俺は悩んでいた。今日職場で、ある重要なポストに就かないかと打診を受けた。早めに返事をくれという。

いわゆる出世ではあるが、俺のキャパを超えている。とてつもなく忙しくなるだろうし、ストレスも大きい。悠々とサウナ巡りも出来なくなるだろう。俺は、悩んでいた。

俺は背伸びすべきか。等身大を貫くのか。

サウナでじっくり考えたかった。冷たい水で頭を冷やしたかった。頭が空っぽになった時、自ずと答えが出る気がした。そして改良湯へ向かった。

意識の高い並木橋の街並みを抜けた先にそこはあった。

♯浴室
幾何学的なデザインが、上部のサイケデリックな絵を引き立たせている。青の間接照明が全体の基調を作り、シーリングライトが風呂を照らすことで、メリハリのある空間が出来上がっていた。

「ライティングが上手いな。」

デザイナーでもなんでもないのにそんなこと言っちゃう奴程カッコ悪いヤツはいない。そう、
俺だ。よく見ると、風呂の湯面には誰のかわからない○ン毛がぷかぷかと浮かんでおり、シーリングライトがそのみっともない影を底面に映していた。等身大とはこういうものなのかもしれない。

♯サウナ
8人がぎゅうぎゅうに入るサウナは105℃。しかし、ストーンがないせいか、そこまで熱くはない。12分はいれた。サウナは等身大(普通)だった。

♯水風呂
水風呂もシーリングライトで浮き上がるように照らされていた。水温は18℃、ぬるくも冷たくもない。人がいない時を見計らってさっきの○ン毛のようにぷかぷか浮いてみる。見上げた天井はゆらゆらと水面を反射していた。それは人生の岐路に立った俺に「自分で決めろ」と言っているようだった。

♯ととのいイス
無印良品のようなのモダニズム調の脱衣所。ととのいイスに腰掛け目を閉じる。雑念が消えていく。俺の心の奥底を、俺が知りたがっていた。

3セット繰り返し、改良湯を出る。
意識の高い並木橋の街並みの中で腹を決めた。


いっちょやってやりますか!


俺の心は「ととのって」いた。

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ヒロ♨️

2021.07.01

1回目の訪問

タイムズ→池袋二郎というおっさん謳歌コース

駐車場の企業がサウナやってるって面白いじゃんと思って行ったのだが、予想以上に高クオリティのサウナだった。

まず、建物前の横断歩道から見上げる首都高速バイパスの造形の美しさはここに明記しておく。

♯風呂
沖縄フェアということで内湯は7月限定のハイビスカス湯。甘酸っぱい香りが良い。フェアと言わずにいつもこれでお願いしたい程。
露天には5人程入れそうな丸いシルキーバス。シンガポールかなんかに移住した成功者の家にありそうな感じ。

♯サウナ
ディスタンスとって25人程度収容。温度は88℃とあるが、全然ちゃんと熱い。30分おきにオートロウリュウ。天井が低いため、最上段にいるとしきじの薬草サウナ並みの痛みに悶絶必至。浴場含めサウナ室全体はいろんな濃さのグレー色で、まさに「駐車場色」。さすがタイムズ、シブいね。

また、サウナ室内、ほのかに柑橘系のいい香りがする。この香りってなんなんだろ。マルシンスパでも同じ香りがした。ヴィヒタじゃないと思うんだよなぁ。誰かわかる人いたら教えて欲しい。

♯水風呂
チラーメンテナンス中でぬるめとのことだったが、全然イケた。体感16度くらいか。水風呂横には氷があり、桶で氷水作って体にぶっかけると実質的にグルシンを感じる。

♯ざわわ
沖縄フェアだからか、館内は四六時中「ざわわ」のオルゴールバージョンが流れていた。一旦気になると脳内から離れない。脳内エンドレスリピート。

♯大休憩スペース
リクライニングチェアが50ほど。
おっさんの動物のようないびきが響き渡っていたが、簡単に寝落ちしまった。


さらに2セット決めたのち、
レスタを出てお約束の池袋二郎へ。

雨は ざわわ と降っていた。

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ヒロ♨️

2021.06.30

1回目の訪問

水曜サ活

#サウナ
20人が余裕で入れる大きさ。平日18時ごろ、先客は10人程度。
テレビなしで、室内はオルゴール調のBGM。
82℃と比較的数字は低めだが、湿度のためか、8~9分で十分に熱され、自分の体が「そろそろ出ようぜ」と俺に呼びかけてくる。

突然真っ暗になったと思ったら、サウナストーンに照明があたり、天井から水が落ちる。
そこまではいいんだが、その後、
光の色が青白赤と代わる代わる変化する謎の時間がやってくる。
まるで、1時間3500円の激安パブでの「ハッスルタイム」のよう。
サービスタイムに入っても、オルゴールのBGMは止まることはなく、
その肉欲的な視覚とは対照的に、スピッツの名曲「チェリー」が流れていた。
いずれにしても、ロウリュウ自体はとてもありがたかった。

#水風呂
積み上がった石をつたって冷水が水風呂に落ちる。
天井からは深い青色の光が照らされ、澄み切ったグラン・ブルー。
17℃の冷水の中に身を沈めると、最上級の癒やしに包まれる。

#ととのいベンチ
バキバキにととのうと他のサ活で書かれている、2つととのいベンチは、常に埋まっていた。
20人ほどのなかで、そこにありつけるのはたった2人。
選ばれし者は、恍惚を極めた表情でととのいベンチの快楽を享受している。
その隣で、長ベンチにいながら次の座を虎視眈々と狙う者たち。
その画は、弱肉強食の現代社会の構図をまじまじと映し出している、ように見えた。

しかも、ととのい椅子は下半身が上にせり上がる形状になっているため、タオルをふわっとかけるだけだと、その人のブツが嫌でも目に入って来る。
文字通り、「裸の王様」。すこし滑稽で笑えてきた。
「もし、自分が座るときはタオルで全部を隠そう」と言い聞かす。マナーとしてね。

一旦、「王様」は諦め、長ベンチへ。
一角には床の高さの洗面台があり、お湯と水に足を入れることができた。
蛇口をひねり水を出して、足を入れてみると、じんわりと気持ちいい冷たさが足下から上ってくる。これはこれで良き。満足。

そうこうしているうち、ひょんなタイミングで「王様」の椅子がひとつ空いた。
すかさずその場をゲット。腰を下ろし、流れるような曲面に身を委ねる。
おぉぅ、超気持ちいい~~~。絶妙なフィット感。気持ち良さのレベルが違う。
「王様」の席に座っているという優越感もさらに、快感を増幅させていた。
目を閉じると、意識が遠のいていく。あぁ。
そんな感じで寝落ちと覚醒の間をさまようこと約5分、
あることに気づき、自分の下半身に目を向ける。
「いけねぇ、俺も裸の王様になっていた」。

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