ゆ~ゆうランド・花椿
温浴施設 - 富山県 南砺市
温浴施設 - 富山県 南砺市
日本でたった3か所しかないと言われるほど希少な「ボナサームサウナ」。
サウナ―として味わっておかない手はない。希少な方式のサウナ。嗚呼、なんと甘美な響きだろう。まるで光源に集まる羽虫のように、私のステアリングを握る手は花椿へと向かっていた。
ボナサームサウナとは、サウナストーブが椅子の中に格納されているサウナのことを指す。
サウナ室にあった説明文によると「室内の気流の循環がスムースになり、上下の温度差が生まれにくい」ということらしい。なるほど。その説明が本当であれば、画期的な方式である。
実際に入ってみて気が付いたのだが、この方式は富山県民御用達の「光明温泉 呉羽の湯」と同じ方式である。椅子の中から壁を通って熱が循環しているせいか、確かに室内での温度差はあまり感じない。ただ、直接熱源が目で見えないので、心なしか涼しく感じてしまうのがやや難点である。
この施設のサウナ室は狭い。とにかく狭い。懺悔室のようである。常連であろう老人たちは、時間を問わず人生の疲れを癒しに来ているため、サウナ室には入れ替わり立ち代わりで入室する。室内は常に混んでいるような状態だ。サウナ室に入ると優しいラベンダーの香りが鼻孔を刺激する。狭い室内もあってか、常に心地よく香っている。
この施設の最大の難点は休憩椅子の欠如だろう。露天風呂のわきに長椅子があるのだが、冬の外気は休憩にはいささか厳しい。
混雑を掻い潜るスキルと洗い場用の椅子でも問題なく休憩を行える技術を持ち合わせるサウナ玄人にこのサウナを進めたい。狭く独特な空間のサウナが、日本で数か所という希少な方式で芯から温めてくれるだろう。
露天風呂では定期的にボイラーの作動音がするのだが、その音は今にも爆発するのではないかという勢いである。私は露天風呂に浸かりながら咄嗟に死を覚悟した。
男
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