茶飲み爺

2024.07.01

20回目の訪問

サウナ飯

今週末、必ず訪れたいと心に決めていた場所がある−8月末で閉館が決まっている万葉の湯だ。まるで命の灯火が消えゆくように、その終焉が迫っている。

一昨年、天神湯の華が静かに幕を閉じたとき、私はまだ心の余裕を持っていた。万葉の湯もある、グリーンランドもある、と楽観的に未来を見据えていた。しかし、時の流れは無情にも私の安寧を奪い去った。空を翔ける鳥は嘴を奪われてもまだ飛べる。しかし片翼の鳥は地に落ちゆくしかないのだ。

グリーンランドが新装オープンするという明るい話題もある。その日はまさに新装開店するその施設のレセプションの日でもあった。その輝かしい未来よりも、今は去りゆく万葉の湯に対する惜別の念が勝る。新しい者を迎えるのではなく、今まさに去りゆく者に最後の敬意を捧げたいという思いが私の心を捉えていた。

同じ思いを抱く人々が多いのか、万葉の湯に向かうシャトルバスは、満員御礼の賑わいを見せていた。浴室もまた、かつてないほどの人々で溢れ返り、まるでその最後の瞬間を見届けるかのように集まっていた。

サウナでは、オートロウリュのタイミングで待ちの列ができ、心地よい藤の寝椅子も常に使用中だった。人々の騒がしさが響く浴場の光景は、普段ならば苛立ちを覚えるところだが、今日は違った。同じ志を持つ者たちの集いと思えば、その雑踏すらも愛おしく感じられた。

何とかサウナ内の席を確保し、オートロウリュを迎える瞬間、覚悟の時が訪れる。サウナハットを忘れずに持参したが、その熱気の刃は容赦なく私の顔を突き刺した。
限界を迎えたところで水風呂へと向かうと、温度計は0℃を示していた。−まさかそんなはずはない。
故障か停止しているのかもしれない。まるで施設が終焉に向かって少しずつ機能を失っているかのように感じられた。
実際の水温は体感約18℃で、私にとって心地よい設定だった。それでも、いつもよりはマイルドな感じがした。

万葉シアターでの映画鑑賞とセルフ飲み放題を楽しんだ後、再び浴場へ向かった。昼間よりは人が減った湯船に浮かびながら、私は思索に耽った。

去りゆく万葉の湯。その名前が示すように、この施設は多くの思い出と共に存在していた。人々が集い、心と体を癒す場所としての役割を果たしてきた。しかし、どんなに愛されても、時間の流れと共に変わるものは避けられない。
それでも、新たにここに代わる施設が出てきてくれれば−私はそう願った。

ベーコンポテトチーズ焼き、海鮮ユッケ丼

焦げたチーズで酒が進む。ユッケ丼はサーモン、ブリのハラス部分がメイン具材だった。

サウナ飯 supported by のんあるサ飯

  • サウナ温度 60℃,90℃
  • 水風呂温度 18℃
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2024.07.01 20:03
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茶飲み爺 茶飲み爺さんに37ギフトントゥ

私も胸に抱いていたことを鋭い目線と語彙力で表現された、大変素晴らしいサ活です…👏🥺
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