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イケダヒロタカ

2022.07.29

1回目の訪問

#フィンランドサウナ
フルリニューアルによって天井が近くなり、かつての大窓もケロ材で塞がれ、わずかな光が差し込むフィンランドスタイルに。暗くて静かでケロ材の香りが満ちた空間で己と向き合っていると、別の方のセルフロウリュによって体感温度の上昇は刹那に起こった。なるほど、天井が近くなったことによって熱の伝播も格段に速くなった気がする。サ室の外にはこれまで同様ヴィヒタがあって、新たにバケツシャワーも追加。まさに五感で触れる小さなフィンランドであった。

#メインサウナ
巨大な空間に何十人単位で座れそうな3段の雛壇。一方で伸びやかな水平のラインと天井の高さのおかげか、圧迫感は感じない絶妙な空間バランス。アウフグースは平日でも30分毎とかなりの頻度で実施してくれるため、人気施設でありがちな「アウフグースのときに混む」という事象の回避にも繋がっていて非常に快適。

#水風呂
11.7℃の水風呂は、この冷たさに加えて広さも深さもかなりのもの。水質の影響なのか、刺すような冷たさはなくしっかり身体の芯まで届くような柔らかさも持ち合わせる。

#休憩スペース
ビルの一角という制約があるとは思えない、むしろそれを逆手に取ったような吹き抜けの構造がもたらす圧倒的な解放感。一般的に気持ち良いと思える外気浴スペースは、空間の広がりという"横"の解放感がその心地よさの源泉になっていることが多いが、構造を逆手に取った"縦"の解放感もあるのかと膝を打つような感覚であった。

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それぞれの設備がとても良いのは上述したとおりながら、アウフグースの頻度を増やすことによる混雑の回避、低温水風呂が苦手な人用のぬるめ水風呂、浴場入口の足元シャワー、記名式の浴場内ドリンク購入など、追求するポイントを追求しつつも、間口を狭めすぎないセーフティネットやホスピタリティが、この快適さを下支えしているように感じた。神戸サウナアンドスパの米田篤史社長はウェルビー/サウナラボの米田行孝社長と従兄弟関係にあるとのことで、これはもうミッドウエスト・エモ界隈におけるキンセラファミリーのようなもの。ある種変態チックにその道を究めていく行孝氏がティム・キンセラなら、調和のなかでその特異性を光らせる篤史氏はマイク・キンセラといったところか。あ、いやそれだと米田両氏が兄弟になってしまうから、どちらかをネイト・キンセラとしたほうが適切か……?いずれにせよ、業界を引っ張る華麗なる一族の息吹と、地域に愛される優しさの両方を感じることができて、とても気持ちの良い滞在だった。

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29

イケダヒロタカ

2022.07.17

1回目の訪問

松の湯

[ 東京都 ]

#サウナ
3人×2段で天井も低いという非常にコンパクトな設計。このひな壇は電熱ヒーターと対面しているが、ヒーターの真横に一人座れるスペースがあり、その謎仕様に街銭湯ならではの趣を感じる。100℃に迫る温度自体は(もちろん高温ながら)取り立てて珍しいものではないが、ヒーターとの距離の近さと天井の低さがそうさせるのか、普段は上段に座る派の私でも、すごすごと下段に移らざるを得ないほどの熱さであった。テレビはなく、BGMが演歌・歌謡曲・J-POP懐メロ縛りのシャッフルであるところも高ポイント。ノーテレビと灼熱によって、まったり長居よりも己と向き合う修行スタイルがあっていると感じた。コブクロが桜の花びらを散らすなか、しっかり蒸された否灼かれたのであった。

#水風呂
水温は17℃にバイブラ有り、水深も気持ち深めと、水風呂もかなりのハイスペック。サウナとのΔtも申し分ない。ただ地下井戸掛け流しとの情報もあり、当日はたまたま気温が低かったからよかったものの、真夏にもこのパフォーマンスを維持できるかは懸案事項。

#休憩スペース
隣駅の蓮根「紀の国湯」同様、“露天”とは正直名ばかりの、屋根付き空間塞がれ屋外スペースに露天風呂と休憩用の椅子あり。三田線沿線荒川低地の銭湯はこのスタイルがスタンダードなのだろうか?やはり湿気が外に逃げていかないため、外気浴の開放感を得ることは難しかったというのが率直な感想で、唯一といっていいほど残念だったポイント。3枚×2段の窓がついていて、下段だけが開放されていたので、上段も開放してくれたらもっと気持ちよいのに……と思ってしまった。内湯空間のほうが天井が高くて湿気が抜けていく感じがあるので、内湯のヘリで休憩するほうが心地良さを得られる人もいそう。

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三田線荒川低地行脚。灼熱サウナと低音バイブラ水風呂のΔtで、久々にしっかりあまみが出た。隣駅の蓮根「紀の国湯」同様、外気浴スペースに少し残念さを感じたものの、しかし冬場はこのほうが冷えすぎなくてよいのかもしれないという気付きがあった。そういえば水風呂も掛け流しなのであれば冬のほうがさらに冷たくなるはずで、更なるΔtの拡がりと、ほどよい温度湿度を維持できる外気浴スペースがあるとなれば、有名施設にも引けをとらないポテンシャルを秘めているのではなかろうか……!また寒くなる頃に訪れたい。

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  • サウナ温度 98℃
  • 水風呂温度 17℃
15

イケダヒロタカ

2022.07.10

1回目の訪問

紀の国湯

[ 東京都 ]

#サウナ
1段目が幅狭めになっている2段構成で、合計8,9人座れるぐらいのコンパクトな設計。そのコンパクトさがもたらすガスヒーターとの距離の近さ、加えて天井の低さゆえか、92度の温度以上に熱さを感じる、さらにいえば己の体内ともリンクする”暑さ”よりも表面からの”熱さ”を感じるサ室であった。個人的にはもう少し内側から生じる"暑さ"とのバランスが欲しいところ。

#水風呂
思わず二度見してしまうその水温計が指す数字は「23」。おそらく加熱加冷せずそのまま放流されているもので、今の時期つまり夏は、よくいえば長居できるものの、正直なところ物足りない冷たさ。逆に冬は期待が持てるポテンシャルを残しているように感じた。サ室のすぐ隣にあり、単純な動線でいえば申し分ないが、自分のように汗流しを水風呂の手桶でなく、かけ湯やシャワーでやりたい勢力からすると、その魅力も半減するのが悩ましいところ。

#休憩スペース
“露天”とは正直名ばかりの、屋根付き空間塞がれ屋外スペースに露天風呂と休憩用のベンチあり。湿気が外気に逃げていかないため、外気浴の開放感を得ることは難しかったというのが率直な感想。しかし、3回のトライのなかで気付いてきたのが、この中とも外ともとれない微妙もとい絶妙な空間でのゴールを見出すために、どうそこまでのルーティンを工夫するのかが本当の楽しみ方なのだということであった。

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この紀の国湯はいわゆる玄人向け、つまり人気施設のお膳立てされたセッティングに慣れた人には、色んな意味から物足りないポイントを感じてしまうように思える施設であった。しかしながら、そもそも「サウナとはかくあるべき」「ととのうためにはこういうセッティングであるべき」という消費者側の凝り固まったわがままが驕りそのものなのであって、今回の紀の国湯のセッティングでいえば、ぬるい水風呂に長居しつつ、冷え切りすぎた身体を高温高湿な半外気浴スペースで逆にじんわり温めていくのが最適解なのであろうと、最後の最後に辿り着くことができた。番台の女将さんの親切さ、浴場の清潔さ、そしてそれらとは裏腹とさえいえる軒先の妖しく光るネオン、と魅力は満載。こういう街に根ざした銭湯をしっかり楽しめる、サウナスタイルの引き出しを自分もたくさん持ちたいと思わせてくれる銭湯だった。

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  • サウナ温度 92℃
  • 水風呂温度 23℃
18

イケダヒロタカ

2021.12.18

1回目の訪問

#サウナ
夜には98℃、朝には107℃と、結構な高温であるにもかかわらず、刺激過多な熱さを感じることもなく、マイルドにしっかり蒸される感覚。これはセッティングの妙なのだろうか?そして今回は1セット目で20:30のアウフグースにかち合う僥倖。熱波師の方は人相・物腰・語り口全てが柔らかく、スタイルは音楽もショー的な口上もないメディテーションスタイル、仰ぎも丁寧で優しく、とその方ならではのアウフグースであった。異なる3種のアロマ水で3ターン。アロマはヒノキ、ミント+少量のラズベリー、ハニーの何がしか。甘い成分も強く、さながらシーシャを吸っているような気分にも。個人的に、足元では煩雑極まる日々を過ごしていたが、そこに文字通りメディテーションの柔らかな風を吹かせてくれた。

#水風呂
水温は13℃か14℃。これまたスペック的には結構な冷たさであるが、サ室同様刺激過多な冷たさを感じることもなく、マイルドにしっかり冷やされる感覚。それでいて休憩中には腕や脚にしっかりあまみが出ていたので、冷たさは本物なのだろう。サ室と水風呂のこのカラクリを誰か説明してくれる人はいないだろうか。

#休憩スペース
縦長の大露天風呂に沿って、充分すぎる空間と椅子が確保されている大外気浴スペース。門外漢なので全然上手く表現できないが、屋根、風呂、壁のもつ奥への線に統一感があって、非常に伸びやかな空間にいるような心地になる。夜の澄んだ空気、朝の差し込む日差しの気持ちよさ、冬の冷気にゆらめく露天風呂の湯気も合わさって、感覚が解放される空間。

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2年ぶり2回目の北欧は、予約戦争の裏の抜け道、「宿泊」にて朝晩贅沢に堪能。まさに北欧が舞台となったサ道2の影響、またコロナ下で他の娯楽が制限されていることも手伝って、近年のサウナブームがもう一段加速した感のある2021年だったが、 その分各所でマナーの低下が見られることも多かった。しかし、皆飲酒に勤しむ金曜の夜、ゆっくり寝ていたい土曜の朝にわざわざサウナへ赴く人はガチ勢だからなのか、皆すごくマナーがよく、気持ちよく利用することができた。もちろん北欧の常連のモラルが高いということもあるのだろう。聖地の矜持のようなものをそんな面からも感じることができた。

アウフグースにも恵まれた1セット目の後外気浴をしていたとき。身体の奥深くに沈んでいた疲労が、塊となって肌の内側にまでせり上がり、そのまま突き破って飛び出さんとするかのような感覚を覚えた。サウナは身体の声を聴かせてくれる。

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  • サウナ温度 107℃
  • 水風呂温度 14℃
35

イケダヒロタカ

2021.10.16

1回目の訪問

#ボナサウナ
他の高温ボナサウナに見られがちな、タオルやマットを敷いていても尻が熱い、ということもなくセッティングに非常に気を配っておられる様子が伺えた。数分おきのオートロウリュは強い熱波というよりも、メリハリの効いた湿度コントロールとしての役割が大きいように感じて、この点においてもセッティングの妙を体感。3段目は2人しか座れないというプレミア感も手伝って、空けば3段目に座るスタイルを取ったけれど、中段下段でゆっくり蒸されるというのも次回は試したい。

#ストーンサウナ(テルマーレ改 改めスナック吉田)
ネットで見かけた古い時期の写真や、長年高湿に晒されている部屋特有の匂いから、かつてはミストサウナだったのではないかと推測。そんな空間は名称が「スナック吉田」に変わっていて、照明を落とした暗闇にチープなネオンが明滅し、控えめな音量で歌謡曲が流れるという振り切った趣に。「テレビが無くて照明が暗い」という共通点を持つ他のメディテーション系サウナとは一線を画す空間。ときどき貸切状態の時間もあるほどだったので、心置きなくセルフロウリュを楽しめた。

#水風呂
18℃の水風呂と16℃の泳げるミニプールの2種類あるが、いずれのセットもミニプールを選択。小心者ゆえ初訪問で泳げるような度量がなかったものの、その温度の低さだけでも十分に素晴らしいし、存分に身体を投げ出したり動かしたりできるから、羽衣破りでさらにその冷たさを享受することができた。

#休憩スペース
外気浴スペースはないものの、扇風機の風を受けられる椅子、小雨風ミスト・通称ジャスティスが降り注ぐ椅子、熱湯の脇にありほのかに熱気を感じられる椅子、開放された窓のそばにある椅子、とそれぞれに特色があり、かつ趣の異なるそれらの椅子が隣接している場合には、きちんと色分けされていてわかりやすいのもありがたい。個人的には、換気扇で無理やり引き込んだ外の風が感じられる、窓横の椅子がお気に入り。窓から斜向かいに見える居酒屋・三四郎の佇まいが素敵すぎて、この後はそこへハシゴすることを決意。

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同じ錦糸町では黄金湯などに分散しているのか、思ったほど混んでいないのも個人的には嬉しい。今回は三四郎へすぐにハシゴしたが、ニューウイングのサ飯も楽しみたいし、錦糸町は他の酒場も気になるところが多くて嬉しい悩みである。冷たくて泳げる水風呂に着目されることが多いと思うが、ミストサウナを改良した(と思われる)ストーンサウナや椅子の配置の心配り等、既存設備の制限のなかで改良していくアイデアがニューウイングの肝なのではないかと感じた。

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  • サウナ温度 73℃,94℃
  • 水風呂温度 18℃,16℃
19

イケダヒロタカ

2021.10.10

1回目の訪問

#風呂
宿泊者専用ということもあり、タイミングが合えば貸切になるぐらい快適な空き具合。窓が高めにあるため立つ必要はあるものの、内風呂からは小田原の街と相模湾が一望でき、南に続く露天風呂からは小田原城と複数の線路、箱根の麓を望むことができる。

#サウナ
2段でMAX8人、昨今のディスタンス感を鑑みると3,4人程度に留まる収容人数、かつボナスタイルなので、非常にコンパクトな空間。サウナに限らず、狭くて天井が低いところは落ち着くから好き。90℃超えと温度もそこそこあったものの、ゆったり温められる感覚であった。

#水風呂
初心者向けの冷たすぎない水風呂。ずっと入っていられる。

#休憩スペース
椅子やベンチはないので、浴槽のへりに腰掛けるしかないのがやや難点。上述の露天風呂のへりに腰掛けて外気浴がわりに。窓自体は大きくないものの、海も山も空も近いという事実、あるいはその認識が開放感をもたらしてくれて、真下から時折聴こえる列車の走行音も心地よかった。

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サウナそのもののスペックと体験に飛び抜けたものはないものの、昨今どこの施設でも人が多いなかで、この人の少なさゆえの落ち着きと、浴室からの眺望は素晴らしい。鉄道各線の要点たる小田原駅に直結していることもあり、近隣エリアで遊ぶ際の拠点にしつつ、サウナも楽しめるという使い方をすれば非常に高い満足度を得られると思う。

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  • サウナ温度 91℃
  • 水風呂温度 19℃
20

イケダヒロタカ

2021.09.25

1回目の訪問

朝日湯源泉ゆいる

[ 神奈川県 ]

#サウナ
100℃超えながらなぜか刺すような熱さは感じず、身体の内側からゆっくり熱せられる感覚。高まり続けているであろう需要に対して収容人数の少なさが少し気になったが、TVもBGMもなく、充ちている木の香りと併せて素晴らしすぎる環境だった。2セット目にアウフグース。熱波師のお兄さんのお名前は失念してしまったが、好きすぎることに打ち込んでいる人だけが浮かべるニヤニヤが終始お顔に貼り付いていて、期待が高まる。ロウリュ後の熱の立ち上がりの速さと、目に見えるかのごとき伝播経路のクリアさは、なるほどこの狭さだからこそ成立するのかもしれないと思った。BGMは布袋。魂の6回アウフグース。最後のほうは生命の危機を感じた。最高。3セット目にオートロウリュ。……水の噴射量多くね?何事も限度を超えると笑えてくる。あのアウフグースを超える熱さはないだろうと高を括っていたけれど、放たれた水の量は裏切らなかった。先述のとおり立ち上がりも速いし、壁で跳ね返った熱気もまた暴力的。いやすげえよこのサ室。

#水風呂
深さ・水質・温度どこをとってもうっとりするようなカタログスペック。"琥珀もぐり水風呂"という名前も素敵。先述した灼熱地獄とのΔtは物凄いものがあるのだが、おそらく井戸水ゆえのミネラルがぬめりをもたらしているのか、刺すような感覚は無くとても気持ちが良い。好きな水風呂でいうと、三軒茶屋駒の湯の水風呂が深い湖なら、ここのは深海といった感じ。頭まで潜ってもいい水風呂というのも珍しく、歓喜しながら潜ったところ、慣れなさと冷たさでここでも生命の危機を感じることに。

#休憩スペース
十分な数の椅子が確保され、狭いながらも外気浴スペースがあって、インフィニティチェアも置いてある。空間の制限があるなかでここまで設る工夫には頭が下がる。座っていると全身にしっかりあまみが出ていた。

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生命の危機というのはすなわち身体感覚の解放で、それが無理なく美しく誘発される。定量的に評価できる各種スペックもさることながら、その本質的な部分に、ゆいるの贅の限りを見たのであった。

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  • サウナ温度 101℃
  • 水風呂温度 13℃
17

イケダヒロタカ

2021.07.28

1回目の訪問

水曜サ活

駒の湯

[ 東京都 ]

2度目の駒の湯。4月に訪問チャンスがあったときは、3回目の緊急事態宣言が発令されたばかりでサウナを止めていたため断念。今回もまた4回目の宣言下ではあったものの、人数制限をかけたうえで営業していた。サ室内の感染対策徹底を求める張り紙には「全国の組合員(銭湯組合のような団体に加盟している店?)でクラスターは1件も発生していません」との記述があり、「銭湯・サウナでは対策を徹底すれば感染リスクが低いので営業する/しかしその安全性も個々人の律せられた行動によって担保されるわけだからどうかしっかり頼む」という意志の強さを感じた。しっかり恐れ、しっかり楽しもう。

さて、前回の初駒の湯ではあまりにも感動し、サウナイキタイへの投稿など微塵もしていなかった当時に初めてサウナ施設に関するメモを残すぐらいだったのだが、そのメモが次のとおり。
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①タトゥー刺青OK、ゆえに客層がハードコア
②サ室に本漫画雑誌持ち込みOK、ゆえに競馬新聞おじさん、ジャンプあんちゃんが刺青勢と同一空間に存在しケイオス
③そんなサ室はテレビがなく、BGMがなぜか演歌。ケイオスな客層、テレビなしのストイックな空間を演歌が包み込んで独特な雰囲気に
④からの水風呂のキレ。15,6℃程度だったはずだが、他所の10℃台前半のより冷たく感じた。かつ刺すような痛い冷たさではなく、深く沈んでいくような冷たさ
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水風呂の妙は今回も健在。久しぶりに体の随所にあまみが出た。前回との相違点でいえば、サ室のBGMが演歌ではなく歌謡曲だったこと。あとは人数制限ゆえ人の入れ替わりが少ないからか、座席下格納型ボナサウナの影響をモロに受けて、座席が尋常でない熱さを持っていた。元来サウナセットでついてくるバスタオルは、尻にひくことを想定してつけてもらっているはずで、横着せずに体を拭く用のバスタオルは自分で用意していくほうがよさそうという反省。

スパ施設のような至れり尽くせりではないものの、生活に根ざした銭湯をベースに、要所のスペックをこれぞというポイントに引き上げることによって、唯一無二の存在になっているのだと思う。たかだか2回目の分際でおこがましいが、待ち望んだ駒の湯そのものを享受できた。

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  • サウナ温度 89℃
  • 水風呂温度 17℃
0

イケダヒロタカ

2021.06.25

2回目の訪問

サウナラボ神田オルタナエディション。いやたまたま初回が男女入替日だっただけで、むしろ今回のほうがメインストリームである。

#FOREST SAUNA
正統派フィンランド式サウナ。ひな壇は2段。上段の座面がストーブの上端とほぼ同じ高さ、かつ天井が低めの設えとなっていることによって、カタログ値の熱を余すことなく享受できる設計。前回IKE側のFORESTは照明が明るかったが、今回のOKE側は照明が絞ってあって、より自らの心身と向き合える感じがあった。

#OKE SAUNA
桶を模した外観はインパクト抜群で、IKEと対を為すコンセプチュアルなサ室……とは到底いえないほど、体験の性質がFORESTと重複するなと感じてしまいかねない正統派フィンランド式サウナ。温度はFORESTより10度ほど高いものの、天井が高いため体感温度はほぼ同じ。いやむしろ狙ってここまで被るセッティングをしているのか?と勘繰り始めた矢先に、先に入っていたお兄さんがセルフロウリュを始めた。そしてそこで己の認識が誤っていたことを知る。筒状の内壁に沿って滞留することなく空気が循環してゆく。注意しなければ見過ごしてしまうような、それでいてFORESTとは決定的に違う空気の流れがOKEにはあった。

#からふろ
一人用サウナ。IKE側のNKY(内気浴)と対を為す位置付けになっているが、畳、座布、そして(一人用なので当然ではあるが)セルフロウリュ可能なプライベートストーブがあり、むしろIKE SAUNAと対を為す位置付けであるようにも感じた。おそらくNKYを凌いでサウナラボ神田で一番狭いスペースのなか、他の人への気遣いもなくロウリュができて瞑想に没頭できる。東京都千代田区というこのド都心にあって、雑音の一切ない空間がそこにはあり、「いついかなる場所においても小さな自分だけの静寂を作るのは容易だということを教えてくれた」という白石一文の小説の一節を思い出すなどしていた。

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FORESTとOKEを横に並べようと言い出した人は変態だと思う。一見すると差別化がなされていないサウナを2つ並べてそれなりの値段を取るのは事業としてのリスクも伴うが、解ってもらえなくても結構という矜持か、ここに来る人なら解ってくれるはずというターゲットへの信頼か、少なくともいずれかがあるからこのような形態を取れたのだろう。IKE側は、サウナをベースにした色んな体験の拡がりを、狭い空間のなかで実現するという感覚があったが、OKE側はサウナ体験そのものを仔細に検分していくという感覚があり、これもまた”ラボ”の名の面目躍如であるなという風に感じた。

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  • サウナ温度 86℃,80℃,92℃
  • 水風呂温度 -5℃
25

イケダヒロタカ

2021.05.24

1回目の訪問

千年温泉

[ 神奈川県 ]

#サウナ
温度抑えて湿度を少し上げたコンフォートサウナ。灼熱感なくしっかり汗がかける。ただその分、狙った脈拍に達するまで時間を要するかも。

#水風呂
温度は高めながらバイブラのおかげでしっかり冷却。特筆すべきはその水質で、何度目かの訪問ながら過去には気付かなかったが、なんか"柔らかい"のである。バイブラなのに肌に叩きつけられるような感じはなく、包み込まれるようで、それでいて肌にまとわりつくことなくなめらかに滑っていく。サウナ→かけ湯→水風呂の動線も無駄がなく素晴らしい。

#休憩スペース
露天スペースもあるものの、椅子の数が少ないのが玉に瑕。施設全体が上手い具合にコンパクトなので、浴場の縁に腰掛けるのもやや憚られる感覚がある。ただ露天椅子のめぐりさえよければ、整備された小さな庭園を眼前に、ゆっくり休むことができる。

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今までオカルトだと思っていた「良い水」なる概念が本当にあるんだなと、蒙が啓かれる思いであった。「高純度軟水」を売りにしているようで、一瞬「これが軟水のチカラ…!」とも思いかけたが、ミネラル豊富なほうがヌメヌメツルツルしてそうではあるし、なら「高純度」のほうがミソなのか?などとあれこれ考えを巡らせていた。まだ行ったことはないが、名水と名高いしきじの水風呂に入ったら、俺どうなってしまうんだろう。
全体を通して、サウナの温度は低めで水風呂の温度は高めとΔTは小さいが、そのぶん無理なくゆっくり楽しめるし、各所の手狭感も、コンパクトで無駄のないレイアウト、かつ人気の高さとのトレードオフ。個人的には普段は静かに楽しみたい派で、またコロナ下ゆえ密接感はやや気になるものの、街銭湯の活気もやっぱりいいよなあと思える日であった。

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  • サウナ温度 79℃
  • 水風呂温度 18.7℃
8

イケダヒロタカ

2021.05.19

1回目の訪問

水曜サ活

初訪問にして男女部屋入替というレア日に当たる僥倖。愚直な水曜サ活は幸運をも引き寄せる。

#FOREST SAUNA
正統派フィンランド式サウナ。 ひな壇は2段。上段の座面がストーブの上端とほぼ同じ高さ、かつ天井が低めの設えとなっていることによって、カタログ値の熱を余すことなく享受できる設計。

#IKE SAUNA
薄暗闇、水面の波紋、それを映し出す光、水音。瞑の贅そのもの。区切られたスペースのうち2つにはプライベートストーブのごとき小さなストーブが備わっており、心置きなくセルフロウリュが楽しめる。

#ICE SAUNA(水風呂代替)
マイナス25℃という気温は圧巻…というわけでもなく、サウナブーストのかかった恒温動物たる人間は、いかに寒さにも強いかということと、水風呂の水圧がいかに有能であるかということを再確認するための場になった、というのが率直な感想。鶯谷サウナセンターのペンギンルームよろしく、扇風機を導入して空気の流れをつくれば、もっと体感温度が下がって満足度が得られるのではないかと感じた。

#休憩スペース
ポンチョを着用し、男女共用で利用するスペース。肘掛があって背中をしっかり預けられ、かつ沈みこまないという椅子がなかったのは個人的に残念な点ではあった。ただ、シームレスに繋がるフロントから流れてくる、とくさしけんごのアナログが心地よかったり、B1F〜1Fまでぶち抜きで解放感を確保しつつ、地面の木材や白樺モチーフと、天井のパイプなどの無機質との融合に"ラボ"感演出の工夫が感じられた。

#NKY(内気浴スペース=休憩スペース2)
共用休憩スペースとは打って変わって、天井が低い一人用の休憩スペース。本物の土と植物があるのには少々驚いたものの、そのこだわりっぷりに思想というか気概が感じられた。サウナラボが位置するのは東京都千代田区であり、このド都心にこの小自然をつくるという、いわば調和と二律背反の交わる禅的な思想がサウナにはやっぱりあるよなあ、というスピったことをぼんやりと考えていた。

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有名サウナ施設であろうと街の銭湯であろうと、サウナ&水風呂&休憩の型からはほぼ逸脱しない。その意味において、サウナラボこそがむしろ異質に感じた。"ラボ"の名に恥じず、「我々はなぜサウナが好きなのか」という問いに対する答えの解像度を上げてゆくべく、無駄な要素は排除し、必要な部分にはリソースを投下するというメリハリが効いていた。それが逆説的に、(風呂&)サウナ&水風呂&休憩という普段のサウナに対して新しい気付きを得たり、さらに愛着を持てたりする、そんな触媒になりえる施設だと感じた。

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36

イケダヒロタカ

2021.05.10

1回目の訪問

バーデンプレイス

[ 神奈川県 ]

#サウナ
遠赤外線タイプながら、なぜかそこまでカラカラにならない感は不思議。とはいえ湿度はやはり低いのか、90℃台半ばの温度がありながら、個人的には気持ちもう少し熱さがほしい。横長の2段で10〜12人分ぐらいのスペースは、施設全体の規模感を考えても広めに取られているように思う。

#水風呂
バイブラ効果で冷感はしっかりあるも、長く浸かれるほどの余力は残してある。21,2℃という温度だけ見ると少しガッカリしてしまうが、バイブラ環境下においては絶妙な温度設定かもしれない。

#休憩スペース
この手のコンパクト銭湯に外気浴椅子が3つもあるのはありがたい。露天風呂の縁をオットマン的に使うことも可能。

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前回のホームサウナがかなり混んでいたので、静かにととのいたいと久しぶりにサブホームたるバーデンへ。バイブラ水風呂に歓喜しつつ、目論見どおり静かにととのうことができた。

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  • サウナ温度 94℃
  • 水風呂温度 21℃
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イケダヒロタカ

2021.04.22

1回目の訪問

溝口温泉 喜楽里

[ 神奈川県 ]

初投稿はやはりホームサウナから。
目玉となるような唯一無二の特徴はないながら、ビジター遠征すると結構「あれ?うちのホームけっこうレベル高くね?」と気付くことが多い。総合点でまとめてくるタイプの優良なハコだと思う。

#サウナ
欲をいえばテレビはないほうがいいが、昨今のディスタンス確保体制においても13人座れるキャパあり。ひな壇は4段で最上段には十分な熱が供給される。

#水風呂
欲をいえばもう2℃ほど下げてほしいが、かといってぬるすぎるわけでもなく悪くない塩梅だと思う。今はまだ外気浴も若干寒いため、水風呂は40秒/回に縮めているが、夏場だとずっと入っていられるような心地よさがある。

#休憩スペース
喜楽里の一番の強みはここだと思う。決して"多く"はないが外気浴の椅子の数は十分。4月の少々荒々しい風も良いアクセント。

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仕事で大きなヤマを超えたあとのととのいは、無上の浮遊感を連れてくる。

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