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過去なにかのくじを引けばポケットティッシュが当たり、過去なにかに応募すれば発送をもって返される、そんなハズレ人生におさらばを告げ、バスタブに万札を溢れんばかりに敷き詰め、それに沈み両脇に美女をはべらす薔薇色の人生を送りたいと考えた次第、今日も炎天下のため頭が沸いている。
「キャー!1等が当たった五十六さん腸素敵〜☆」
妄想愛人の歓声が受付に鳴り響く中、〝なごみの湯〟35周年記念の大抽選会!ここで1発ドカンと当てるべくで抽選ボックスに腕を突っ込み、引き当てたくじの命運はこれいかに!

#サウナまで
4階に上がるエレベーターで品数豊富な得々ランチか、ご存知我らの台湾ラーメンかで迷う妖怪腹すかし、脱衣の最中もまだ決めあぐねている。
夏限定で提供されているクール系シャンプーで洗髪を済ませ高濃度炭酸泉に浸かる。
今日は周年ともあって炭酸の量が多い気がすると適当なことを思ったり。

#スチームコロッセオ
開幕サウナとなる塩サウナに入ると先人が隅っこでひとりスクワットをしており、その中でボクも塩を塗り込みリラックス。
滞在時間を設定しようにもサウナの特性上室内に時計はなく「先人が出たら出よう」とボンヤリ決めた時にハッと思い返す。
遡ること2年程前、ボクは今と同じような状況で同じような設定を組み、そしてこの目の前のMr.スチームスクワットに苦渋を飲まされていた…。
「このミスター…たしか超長居だわ…」
2年前の屈辱を今晴らさんと勝手に勝負を挑み、スチームという名の狼煙が上がった。

#勝負は霧の中
時間不明、ただもう塗り込んだ塩はとうの昔に肌に馴染み、お肌スベスベになったはいいが依然ミスターは一向にサ室を出る気配がない、なんならまだ立って腕ぶん回している。
途中、別の挑戦者が乗り込んできたが、この対戦に影響を及ぼすことなくふたりを残し水風呂へ消えて行った。
いよいよ「まじなんなん!」っと逆ギレしそうになるが、今こそ逆転の必殺を繰り出す事にした。

#必殺『平気』
特に普通〜、全然熱くない〜。
呼吸も平常〜、タオルも冷え冷え〜。
かいた尻に塩が染みても別にヒリヒリとかしない〜。
もぅ土下座でもなんでもしますから、この部屋出たくない〜!
別に〜熱くなうぃ〜!

#敗者の弁
15.6℃を記録した水風呂の後の35℃超え猛暑の中での外気浴、またもミスターに敗北を喫したが気分も気候も2つの意味で晴れやか。
「40周年までには勝てるようになろう」
人生においてなんら意味のない目標を立て、日差しが眩しいとタオルを顔に被せ一時ご臨終した。

なごみの湯さん、35周年おめでとうございます。

ではでは

台湾ラーメン

食後のリクライニングで、歯に詰まったニラを楊枝でシーシーするまでが台湾ラーメンです。

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ヒエラルキー最下層を独走する貧乏人としては、その利用料の高さから今まで敬遠してきたスパ施設へ、いよいよ来訪しようと予め作戦を練る。
まず費用面においては、じゃらんを経由してのクレジット事前支払いに、ナニカシラのクーポンをブチ込んで1000円引きでの侵入に成功する。
そんなネッツサーフィンの末たまたま当てた財テクも飛び出したところで、ボクの中では富豪と巨人軍がゆくと定めております〝スパラクーア〟に行ってみましょう。

#心のサウナ友の会
広々とした浴槽エリアを全裸で徘徊して回る。
確認するに、白湯の他に茶色い湯、さらにはサウナ4種水風呂は2種ときたもんで、押しの一手と踏み入れた露天エリアで歓喜に触れる。
「新規施設でのこの探訪感たまらんな」
…とか思い屋内に戻るためのドアを開けると、荻窪なごみの湯でよく見かける外人が目の前に。
その時の貴方の顔、ボクは暫く忘れないことでしょう。
だって、ボクもあの時貴方と同じ顔してたから…
どんな顔だったかって?
完全に『お前、ここにもくるんかぇ!』です。
今まで互いに挨拶すらしたことありませんし、実際今も同じ顔してすれ違っただけの関係性ですが、なんだか今日貴方と友達になれた気がします。

#無駄が多いからこうなると
友達とのエピソードが長くなったので、サウナ4種を簡潔に…
①テレビあるサウナ、暗くて具合がいい。
②その横の古暗サウナ、ガッツリ熱い。
③アウフサウナ、脱衣前のフロントで予約必須なアウフでしか使ってない。
④露天セルフロウリュサウナ、奇数時間帯だけアロマ水をサ石にブチ込むことが出来るサウナ。

#息子よ
定刻になり上記③参照のサ室にてスタッフアウフを受ける事に。
担当は案内板にも名があった『the sun』さん、つまり息子である。
イランイランの香りを乗せた陽の光のような熱い風を送ってくる息子、それを受ける父親たち。
しかしそんな息子も反抗期を迎え2セット以降は肩やら背中やら太ももやらがワーキャー言い出す。

#無
向かいのジェットコースターから絶叫が聞こえる外気浴、特等席では観覧車も見える。
「遊園地とかいつ行った?」
…そんなことは考えないことにする。

#て
誰もいなかったから調子にのって2発ほどセルフロウリュやりまして…あ、いい感じに調整できたなって。
んで、ほどなくしてサ室に入ってきたオッサンが開幕早々5発もサ水をぶち込みまして。
「あぁ…ボクのグッドセッティング台無しだな」て「いやぁ〜もぅホント熱いなぁ」て。
そういや巨人の選手いなかったなって、いや、知らんだけで桑田とかいたのかもなって。

てはては

ハッピーアワーでルービー

なんか胃袋が本気出しまして、以降枝豆、刺身、もつ鍋ときたる後半サウナに向け英気を養いました。

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とめどなく五十六(再登板)

2023.06.30

5回目の訪問

豊島園 庭の湯

[ 東京都 ]

ハリーポッターを見たことがない。
もちろん世界一売れた名著を映画化したもので、額に稲妻型の傷がある魔法少年が、学園の仲間たちと共に、悪の親玉である鼻の造りが笑えるヴォルデモートと対峙していく話だ。
そのくらいの基礎知識はあるものの本編視聴は一切なく、主演のダニエル・ラドクリフのことを「ドルフ・ラングレン!」と言い間違えるほどのリーポタ初心者である。
んでソレがなんだって話ですが、今日は我が愛おしのとしまえん跡地におったったハリポタ施設、その横にある〝庭の湯〟に遊びに行ってきました。
epタイトルは『ハリーポッター 〜庭を舞う海洋熱波師〜』です。

#自虐の詩
現在開催中のアニバーサリー企画の一環として、受付終了後にボックスの中のクジを1枚手に取り庭スタッフに渡す。
案の定『ハズレ』と書かれたクジを見せられて瞬時に「えっ?俺が?」という途方もない自虐を思いつくが、そんなコミュニケイツの取り方があってたまるかと、ソレはそっと胸にしまっておく。

#一連
洗髪後はいつもの庭の湯ルーティンに沿って、壺湯→炭酸泉→屋内フィンサウナを堪能。
五十六忍法帖『桶シャワーに立つ時は思うてるより一歩手前』が炸裂して、傾く桶から落ちてくる水の塊が見事脳天にメガヒット、その後は冷た階段を降りてダブルミリオンの運びとなった。

#そんなんを日に3回
アニバーサリー企画の目玉、連日繰り広げられる人気熱波師たちによる屋外サウナアウフショー。
その日は日本1予約が取れない熱波師として人気の鮭&鱸。
スカイスパのサウナシアター柿落としイベント以降久しぶりの鮭山アウフを前に胸が高鳴り、バーデエリアの円柱プールをルーティンに従いくるくる回るウォーキングデッド。
秒で定員に達した予約争奪戦も無事勝ち抜いて、勝ち鬨をあげようとまた円柱プールをくるくる回る生きた屍。

文字数がないので以降のムーブは、普段サウナ終わりに記す『五十六メモ』を初公開!本日はその中から一部抜粋してお届けします。

・鱸、目が綺麗
・鮭、前口上がお上手になられて
・最上段は新しいカタチの拷問場
・この人らの場合、ノーヘル参加は頭自然発火の恐れ
・鮭山DUNK、足下からそそりくる身の毛もよだつ熱風
・そうか忘れてた、この人たちアレだ。

…ほんとアレでした。

ではでは

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とめどなく五十六(再登板)

2023.06.27

1回目の訪問

塩湯

[ 東京都 ]

御茶ノ水にある某キャンパス内を徘徊する中年。
国語の授業では句読点の打ち方が理解出来ず、算数では分数の計算でパニックを起こし、理科では顕微鏡を寄せ過ぎて観察するはずの微生物入りのプレパラートを粉砕してしまう程のパーチクリンが為、どうも高学歴だらけの場所は決まって居心地が悪い。
7割がた何言ってんだかよう知らん打ち合わせを終え
「ボクは残り3割の理解でこの案件に挑むのか…」
…と、絶望したところで急激に肩が凝る。
「な…なんだコレは…肩にジャイアントパンダの地縛霊でも乗っかっとるんかぇ…」
…つうことで憑き物を取り払うべくで、快速1駅分のところにある今月末廃業の四谷〝塩湯〟に遊びに行ってきますた。

#待ち人
下駄箱に靴を収めドアを開けると即脱衣所。
何気にはじめて遭遇する、壁を隔ての男湯女湯共有の番台、THE昭和な銭湯に心踊るが、ここ塩湯はそれより前の大正生まれとの事で廃業がより惜しまれる。
その共有番台で受付を済まそうと、前に並ぶ爺様のうしろに整列する。
しかし受付担当の大女将が、女湯サイドの客との会話に白熱し、一向に爺様の支払いに対応する気配がない…というかこんな近くにいるのに気付いてすらいない。
30秒…1分…
女湯トークは終焉を迎えるどころかより盛り上がりをみせ、いとカオス。
しかしそれ以上にその会話に割り入るわけでもなく、ただ寡黙にその時を待つ爺様に感心と狂気の両方を憶え、こちらも郷に従えっつうことで我慢比べの様相を呈する。
いよいよあみんのヒットソングが脳内で流れ出した頃、ようやく振り向き様に爺様兼ボクの存在に気付く大女将…
「わっ!ビックリした!」
ボクの倍から生きている人生の大先輩には失礼だが、「わっ!」じゃねぇわと心情のツッコミを入れた。

#西陽が差し込む風景
塩湯のお湯は漏れなくすべて熱い。
その熱湯に挑まんとする童にちょっかいを出す爺様や、温かい眼差しで見守る爺様連中をボンヤリ眺めて「あぁ…ここはとてもいいところだ」と感情に浸るお湯の熱さたるや。

#これもある意味塩サウナ
受付で受け取った尻敷きを手にサ室に入る。
よく行く銭湯サウナとは明らかにサイズが違う砂時計をおもむろにひっくり返すが、一体コレは何分計の砂の流れだと、以降は時間の概念を忘れてひたすらに汗っかきに努めた。

小さな水風呂に浸かり涼を感じる。
常連の爺様方を見て「この人たちは塩湯がなくなったらどこさ行くんだろう…」とか余計な心配をするが、冷水に侵された脳みそがバグを起こし「まぁ…なる様になる!」と無責任な発言へと変貌を遂げた。
人は都度、調子っぱぐれに適応するものだと。

ではでは

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豊島園 庭の湯

[ 東京都 ]

朝1のユナイテッドシネマとしまえん。
観客は計6名、その中でも最前席に陣取ったおかげで無人の客席と大きなスクリーンが視野に拡がる。
そんな最高な環境で映画『AIR/エア』を観賞、NIKEの名バッシュ『AIR JORDAN』を作った男の物語に感激する。
上映が終わり退席しようとする人の足元を見て、ボク以外の観客全員がNIKEの靴を履いていることに気付く。
「サウナ屋にSAUNAと書かれたTシャツを着て行く感じか…」とか思いつつ、その先にある坂道を下り、春のご挨拶にと〝庭の湯〟に立ち寄った。

#晴天の空の下
塩っ気のする黒湯が張られた壺湯にドボンする、その拍子に水飛沫が目に入り1人壺の中で悶絶する、右目が焼けるように熱い。
壺湯を出て鏡でマイフェイスを確認すると、案の定右目が真っ赤に充血して、厨二設定の主人公みたいになっている。
『呪われし一族の末裔、紅い眼を持つ男…その業火の如く燃ゆる瞳とは裏腹に、常に心は冷え切りその姿は何処か儚げ』
…とか、ゲボがリッターで出そうな妄想に浸りつつ炭酸泉を堪能した。

#練馬リベンジャーズ
何度も訪れては都度面倒臭がりな性格が祟り挫折してきた〝ある事〟に決着をつけようと、屋内フィンランドサウナ内を凝視する。
「今回こそは絶対にこのアングルでイラスト描いてやる!」
紅い瞳をガン開き、その眼に隠された能力を遺憾なく発揮し記憶する、そしてすぐ忘れる。
基本それの繰り返しで、己の右脳がダチョウ並みと知り涙する。

#犬、走る
昼飯を存分に堪能したいと考え、もっと腹を空かすべく円状のバーデプールを何度も周回する。
ガキの頃飼っていたアホ犬が17時をお知らせする町内サイレンに反応し、興奮気味に犬小屋を飛び出しクルクル回っていたように、自分も一心不乱に同じ場所を水中闊歩で行ったりきたり、人も犬もダチョウもまぁ似たようなものだと。

#熱波笑点
アウフの権利を得て、サ石タワーが2基から5基へとパワーアップした屋外フィンランドサウナに入室、最上段に腰掛けその刻を待つ。
席を確保したあと、一旦外に出て待機していた婆様が開始時刻手前で戻ってくる。
その瞬間オートロウリュが作動し、同行者の爺様が「熱い歓迎を受けたね」とうまいことを言う。
「この爺様やりおるな…」とか思いながら激烈な熱波を浴びた。

昼飯食って昼寝しようと薄暗い休憩所で横になる。
リクライニングに内蔵されたスピーカーから「ザザ〜」っと波の音が聴こえてくる。
癒し効果だとかα波だとかやたら評判の高い波のさざめきも、漁師町出身のボクにしてみればただのノイズ、音量をミュートにして爆睡こいた。

ではでは

あんかけもやしそば

蓮華の中にミニラーメンを形成し、そこに酢とラー油をブチ込み食す、そして激しく咽せ返るまでが五十六流。

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昭和湯

[ 東京都 ]

仕事上の人間関係に行き詰まり、ついに本屋のビジネス書コーナーに立ち入る今更感満載な窓際中年、自己啓発本コーナーじゃないだけまだマシと思いつつボンヤリ本棚を眺める。
その棚の売れ筋ランキングにて佐久間宣行著『ズルい仕事術』という本を発見する。
購買欲を大きく作用する数ページの流し読みを終え、こりゃ止まんないなと購入を決め本屋を後にする。
腹を満そうと寄ったトンカツ屋でも活字をおかずに飯を貪る、ロースカツは副菜。
食後、身体がバキバキのため風呂にでも沈みサウナを楽しみたい…しかし本もまだまだ読み進めたい、そんなどちらの願望を叶えてくれる〝昭和湯〟に行こう。

#曇りのち晴れ
受付で大女将が「今日は雨降るかな〜?」と可愛らしく話しかけてくる。
ボクは良純でもそらジローでもないので「勘ですけど、降らないと思います」と予言して脱衣所に向かう。
人間関係大崩壊の危機の中、女将との何気ないやりとりが少しだけ幸福な気分にさせる。

#喉仏
全裸になり浴槽エリアに足を踏み入れた途端「オエェ〜」と歯磨きで嗚咽しまくる爺様の声がして、上記にある幸福ポインツが少し減る。
洗髪で濡れた身体を一度綺麗に拭き取り風呂に沈む。
拭き取った額から汗が滴りだしたら風呂上がりの合図、そろそろサウナの頃合い。

#拝啓ゴッツ
過去の経験から昭和湯サ室での読書は黙認されているようだがここで読むつもりはなく、小音で流れる有線に聞き耳を立てイントロクイズをする。
ウルフルズ『ガッツだぜ』だと確認して、侵されている現状に向けられた応援歌として受け取る。
中坊の頃、身体がゴツゴツしていて周囲の人間から〝ゴッツ〟とあだ名で呼ばれるおっかない先輩がいた。
ある日、友人と共に『ガッツだぜ』を『ゴッツだぜ』に替え、ふざけてシンガーソンしていたことがバレて後日痛い目に遭った記憶が蘇る。
そんな恐怖の思ひ出に準じて汗がわんさか出た。

#丁半
以前、昭和湯の若旦那が「この前チラー設定をすっかり忘れて水風呂が13℃になった!」と話をしていた。
そんなギャンブル性のあるハイ&ローな水風呂は本日は18℃、なんか負けた気がした。

#理想郷
水風呂から上がり、どんな外気浴よりも居心地のいい休憩スペースでさっき買った本の続きを読む。
温冷効果にやられた脳味噌が活字の読解を拒み、内容が一切入ってこないため2、3行読んでその本をそっと閉じ、ついでにまぶたも閉じた。

気分もスッキリ爽快昭和湯を後にする。
外は小雨が降っていて、先程大女将に予言した天気予報が見事ハズレた。
すまんね大女将、ボクはそりゃもう大嘘つきの狼中年なんです。

ではでは

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とめどなく五十六(再登板)

2023.03.17

1回目の訪問

たまには柄にもない事をしてやろうと新装開店のパチ屋…ではなく銭湯に向かう頭のチューリップが大回転しているジャンジャンバリバリな暇人。
柄にもないことをしたもんで開店15分前に目的地に到着するが既にそこには人集り。
今日はそんなトレンドサウナ最前線である〝常盤湯〟をレポーツしやす。

#仇
バタバタと閉店が相次ぐ昨今の銭湯事情を嘆き、知人の銭湯愛好家は微力ながら行った銭湯内でサウナドリンコを買うよう心掛けているとのこと。
その心意気に感心し、自分もなるべく銭湯にお金を落とそうとノードリンコの状態で受付を済ます。
が、しかしロビーには瓶牛乳の自販機しかなく絶望する。
なんだチミは!これからサウナだっつうのに180mlの瓶牛乳で喉潤せってかダッフンダ!!
「あの野郎…今度会ったら永遠ブーブー文句垂れてやる!」と復讐を誓い全裸になる。
知らん銭湯のためカランを見渡すと外気露天エリアに燦然と輝く大塚の自販機を発見し前言を撤回する。

#my son
入浴オンリーな爺様方の大半は露天の温泉にノホホンと浸かり、サウナーたちは我先にとサ室へと直行、そのためか室内浴槽エリアはやたらと人が少ない。
こりゃたまらんぞとシルキーバスと炭酸泉を優雅に堪能、初日で気合いが入っているせいか炭酸の泡立ちが半端なく久しぶりに我がせがれがピリピリする。

#サウナはまだない
露天エリアに併設されたサウナ室は依然人で溢れ返っているため常盤湯ご自慢の露天の温泉に浸かる。
熱湯並みの高温を誇る42℃の温泉、目を閉じ空気を吸い込むとしっかり硫黄の香りがして気分がめっさ上がる。
隣で浸かる仁義なき戦い等で有名な金子信雄似の爺様が「昔ここはもっと熱かった!」と周りの爺様に吹聴しマウントを取っていた。
流石は信雄の親分さん、その声はやたらとドスが効いている。

#拝啓
3段構造の室内にある温度計は95℃を指す。
空いた3段目に腰を据えるが正直そこまで熱くはないと余裕をぶっこくものの、20分毎に噴射されるオートロウリュを喰らい途端にその場が灼熱と化す。
気を紛らわせようと前に座るキーホルダーを大量に付けたサウナハットを眺める。
1度装着して以降タンスの肥やしとなったあのサウナハットは今頃元気にやっているだろうか。

限界ギリギリから更に延長1分間の極限サウナを終え残りライフ3の状態で水風呂へザブングル。
えらく冷えた水風呂で心臓がキュッとなり、水温計に目をやると銭湯水風呂ではまずあり得ない9℃を示しており、顔がザブングル加藤みたいになり「カッチカチやぞ!ゾックゾクするやろ!」と心の中でそう叫んだり叫ばなかったり。

ではでは

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上がるエレベーターで若人2名のヒソヒソ声がする。
「ここ、おひとり様だから受付で話すのナシな」
今更コロナ云々でとやかく言う気はサラサラない、ボクだって今すぐにでもこの忌々しいマスクを引きちぎり灯油でもってキャンプファイヤーしたい気分だ。
ベーターが6階に到着し、その若人達は用心を重ね時間差で受付を済まそうと1名が下駄箱付近で待機する。
「リスクマネージメントに長けてるな…」とかそうでもないことを思う正真正銘のおひとり様。
今日は“かるまる”で1泊、若人2名も無事入館を果たしたようで何より。

#風呂の群
育毛成分たっぷりなシャンプーで一瞬だけでも温水洋一の事を忘れる、勢いそのまま最上階岩風呂へ全裸が階段上る、君はまだシンデレラさ。
岩風呂の他に熱湯のマス風呂、炭酸泉、露天、仰向け上等ジェットのぬる湯等サウナ各種も大概に風呂も千差万別。
そして水風呂は3種、ご存じシングルジェッツな水風呂は5.9℃と表示、最近18℃辺りがデフォルトなのでその悪魔の数値に文字通り震える。

#サウナでポンッ!
頃合いをみて岩サウナに入室。
空いているのは2段目に1席と最上段に2席、初体験なら最上段を選んだだろうが今はその灼熱の程を知っているので2段目に腰を据える。
定刻からくる6回噴射までまだ4分以上もあるというのにサ室は満室、この待機時間の段階ですでに汗だく。
途中3回目の噴射でタオルを被り危機を乗り越えなんだか最後までイケそうな気がするぅ〜…と天津木村みたいな事を思う。
この怠慢が仇となり最終噴射前に空いた最上段に移動を試み天井に頭をぶつける学ばぬ猿。
しかも熱さは別次元、麻雀的表現でいうと割れ目でハコられヤキトリ付いて頼んだカレーがマズかったくらいのダメージを受けサ室を飛び出た。

#冷水GP
急ぎシャワーを浴び冷水渦巻く中我が身を投じる、潜水可とのことで遠慮なく頭ごとザブンといく。
一瞬聞こえる水流音と瞬時に冷却される身体が気分を爽快にさせる。
ただその快楽は浸かって3秒程度のもので、その後は先程のサ室同様飛び出るようにその渦の中から這い上がった。
ちなみに過去1に冷たく感じた水は高校2年の4月下旬「今日暑いくらいやけん泳げるっちゃなか?」と方言丸出しで友人と浴した早過ぎる海開き、アレは誠に寒ぅおまぁした。

最上階での外気浴がベストですがそんな体力ありゃしませんと同階外気エリアのドアを開き速攻寒いと開けたドアを閉じ浴槽エリアのイスでドカンとくる。

今回は宿泊サウナで前後編、次回最終話『五十六、薪サウナ獲得なるか!?丑三つ刻のリベンジマッチ』へつづく!

…っといいな。

ではでは

リンガーハット 西池袋店

皿うどん

長崎出身の友人が「リンガーハットが1番美味い」と身も蓋もないことを言っていたことを思い出すますた。

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とめどなく五十六(再登板)

2023.02.22

1回目の訪問

栄湯

[ 神奈川県 ]

その時その瞬間でしか味わえないサウナがある。
予約待ちの豪華サウナ、その土地でしか味わえない天然水仕立ての水風呂、四季の風景も感じられる外気浴など、普段とは一味も二味も違う場面に出会した時人は特別感を得られるのでしょう。
上記に挙げた話の規模じゃございませんが本日はその特別感を味わいに1時間15分かけて行ってきますた、川崎シリーズ1発目“栄湯”

#都内から乗り継ぎ4発!
…かましてようやく到着、普段の流れで受付ついでに都内銭湯御朱印帳を提出しようとするも「ここは神奈川県の川崎だ!」と即座に気付き御朱印帳をバッグに引っ込める。
脱衣所では今回来訪した最大の目的であるラジオが流れており、普段深夜1時から放送されるニッポン放送の特別番組が55時間ぶっ通しで目下放送中。
歴代パーソナリティがリレー方式で放送をお届けしており今は松山千春が『菅田将暉』を『さだまさし』と言い間違えて見せるなどして俺様口調でブイブイいわせてた。

#栄えよ湯
ご存知初来店時の浴槽エリアの全裸徘徊を終え確認できる男湯の客はボクを含め4名。
その後も客は減り続けてサウナが終わる頃には客はボクと見知らぬ爺様の2名だけだった、しかもサウナ利用者はずっとボクひとりという多幸感に包まれるが、その閑散とした繁盛具合に少し心配などして自分の都合の良さに嫌気がする。
カランで一頻りを終え美肌になるぞよと書かれた湯に浸かる。
肌に白濁とした湯を刷り込み「美しくなれぇ…美しくなれぇ〜…」と10分少々の入浴で美肌を叶えようとするその中年の浅はかさ。
そんなこんなで時間は20時57分、サウナに入る準備をする。

#オールナイトサウナだ日本
香太くんっぽい香りがするサ室内は94℃、利用者はもちろんボクひとり。
サウナに電子時計等は持ち込まないが21時を迎えたことが室内ラジオで確認出来る。
中途半端振りの番組復活を遂げたダースーが早速のスタッフイジリで番組が進む。
普段この時間帯じゃ絶対に味わえないオールナイトニッポンの“あのメロディ”を聴きに遠路遥々やって来たが、あまりのOPトークの尺の長さに今まで熱さに耐えてきた身体も限界、真っ赤に充血させた眼を虚にさせながら「ぺぺぺ…」と泡吹きながら退室しようか思うた瞬間ようやくの番組コール。
「菅田将暉のオールナイトニッポン!」

#ビタースウィートサンバ
軽快でご機嫌な当ナンバーを一頻り聴き終え即退室、浸かるお水はバキバキの15℃、当サイトでは20℃との表記だがコレは嬉しい誤算。
サウナ通いを始めた当初に抱いた願望。
「サウナでオールナイトニッポン聴きてぇ〜!」見事達成、おめでと俺。

ではでは

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香藤湯

[ 東京都 ]

出勤前に洗濯を済ませラジオを聴きながら朝食を作り優雅な食事を楽しむ、それでもまだ出社まで時間があるとゆずの香りのするバブを浴槽にブチ込み朝風呂まで堪能してようやくの出勤時刻。
この時期寒天の空の下「いい加減寒いんだよ!冬ッ!」と気候相手にキレ散らかす中年も、普段の生活からは考えられない素敵なモーニングを演出したことで今朝はなんとも清々しい。
その後職場でもソレは継続し、普段なら指1本動じぬタイピングが進むのなんのって。
「今日調子いいなぁ〜」と思ったのも束の間、タバコ休憩がてら開いた携帯をきっかけに上記の爽快感は消え失せ見事午後からの仕事は失速した。
そんな1日のおしまいは“香藤湯”

#風呂
「居てもどうせあの爺様くらいだろう」という頃合いに来店し案の定浴槽エリアは“あの爺様”他2名とニアピン、やはりこの時間帯は空きまくっていて最高だ。
…と同時に昨今の銭湯廃業ラッシュも鑑みて少し心配になったりもする。
カランでササッと身体を洗い41℃の湯に浸かる、その時のコンディションによってこの“41℃”という絶妙な温度設定は丁度良かったり少し熱かったりする、今日は少し熱い方。

#サウナ
明るい照明と若い木材を壁面に採用する89℃のボナサウナ、室内では薄らとアメージンググレイスのインストが流れるが今夜はサラブライトマンって気分じゃない。
無人のサ室でつい悪癖が出て想いに耽り鼻歌を歌い出す中年、その歌う全裸の光景からはアーティスト性は微塵も感じられない。

#Brand New Sunset(歌詞一部引用)
The words that you said
(きみがかけてくれた言葉)
They turned me into a man,I think
(そのおかげで僕は大人になれた気がするよ)
It's brand new sunset
(今日の夕日はいつもと違う)
I won't cry, cry, cry,
(でも僕は泣かないよ)
Cause I'm a tough boy
(僕は強いから)

上記歌詞同様涙は出なかったが汗はたらふく出た、そんなサウナ。
Hi-STANDARD 恒岡章
あの日佐賀の天井バリ低ライブハウスで貴方がドラムを叩く姿を見れたことボクは一生忘れません、心の底からありがとうございますた。

ではでは

ミラクルボデー

健康に悪そうな色してるだろ?香藤湯手前の自販機で110円で買えるんだぜ。

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とめどなく五十六(再登板)

2023.02.10

1回目の訪問

蒲田温泉

[ 東京都 ]

銭湯御朱印帳も残すページはあと1枚。
残り箇所については今まで得てきた情報の中から厳選した都内名銭湯を巡っていきたいと考える。
そしてその情報の中でもつい距離的に敬遠してきたのが、ご自慢の真っ黒温泉を武器に多くの名銭湯が軒を連ねる大国大田区、今回その中の〝随一〟に挑んでやろうと宿泊先のガデ蒲から歩いて12分。
朝9:55、赤い門を潜りてその開店前の銭湯に立ち尽くし気合いを入れる。
さぁかかってきなさい!
極熱49℃の真っ黒湯〝蒲田温泉〟!

#理由
以前奇天烈なクイズ番組『オールスター後夜祭』内で、この尋常じゃない温度設定の黒湯に毎日浸る〝熱湯じいさん〟を観た時から「よし、いつかボクも一緒に煮出されにいこう!」と心に決め念願叶っての開店、今日は2月6日(風呂の日)とのことで受付でチルアウトを頂戴する、帰りに御朱印もいただけて2度おいしい。

#ミチル
全裸になって浴槽エリアの戸を開けた瞬間にその異様な存在に気付く。
「黒湯が染み入り周辺各所が黒ずむ漆黒の雰囲気を醸し出すあの禍々しさ…確実に奴だ」
…と恐れ慄き一旦本日限定のスカイブルーのチルアウト湯を堪能した。
ほのかに香るエナジードリンコのかほりにHPを回復し遂に49℃のあやつに挑まんとする。

#極黒湯
上記クイズ番組では49℃と表示があったがその日は46.7℃、どっちにせよイカれた数値に変わりはないのでここは1発男気をみせ熱湯に片足を突っ込んだ瞬間「コッ…」とつい声が漏れ動きが止まる。
それを隣のゆる黒湯からニヤニヤと観戦していた爺様が熱いでしょうと一言。
人が煮物になろうとしているのに呑気なものだがこんな窮地でもなおユーモラスの1つでもと思い、電光温度計を指差し「…ですって☆」と爺様に背中を押される形で中央までゆき胡座をかいた。

#VS 黒湯の守り人
痺れるような熱さ、身動きひとつとろうものなら都度そのヒリヒリ感が肌を刺激する、つまり早くも出たい。
とそこに先程の爺様が「どうです?」とわかりきっている質問をしてきた。
ハハァ〜ンこの爺さん、日頃からこの極黒湯を眺めては熱湯挑戦者の反応を楽しんでいるな…と思い、冷静沈着を装い「今尋常じゃない温度の水流が腹の辺りを伝っています、あと動くと痛いです」と事細かに現状を解説して見事黒湯の守り人から勝利を収めた。

漆黒から上がると肌が赤いチューブトップ着ているみたいになっており体力の消費具合も併せ次なる大田区銭湯への来訪は諦め、もう蒲田温泉と心中しようとその後のサウナも含め存分にその空間を楽しんだ。
宿泊までして押した銭湯御朱印の数は僅か1つ、銭湯大国大田区恐るべし。

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とめどなく五十六(再登板)

2023.02.09

1回目の訪問

『貯まった楽天ポインツの有効期間がまもなく!』

…ってな趣旨のメールに頭を悩ます平日の昼下がり。
キーボードを叩く音がカタカタと鳴る職場、そこにいた同僚2名にこの特に使い道がない浮いたポインツについて相談してみると『米!画集!』とのお答えが返ってきた。
なんともわかり易い〝食or芸術〟の2択に対してもいまいちピンとこない。
相談した分際で他の選択肢を模索し始め以降放置される同僚、さすが万年窓際社会人対人スキルがそれを物語っている。
んでカレンダーと睨めっこをした結果第3の選択肢は〝ガーデンサウナ蒲田〟に予約宿泊となりますた。

#別日
上記の仕事っぷりでは考えられないデリケートな仕事を終え疲労はピーク、これも含め今のところ予定通り。
〝都内在住者が無意味に都内カプセル宿泊〟という罪悪感を〝仕事の疲れをサウナでリフレッシュ☆〟で相殺させ蒲田駅に降り立ち少し歩く。
ガデ蒲に入るとここは酒屋か思うくらいに銘酒が並び、併せ飾られた吉田類となぎら健壱のサインがそれに対する納得感を増長させる。
全額ポインツ支払いは不可とのことで100円玉を渡して受付は終了、最後スタッフさんに〝サウナの稼働時間〟についての確認も怠らない。
宿泊の醍醐味深夜サウナの最中に清掃に入られたらたまったものではないとそこは要確認。

#開催中止
館内着を選びエレベーター内に貼られた4時間毎に行われる氷ロウリュ開催の報に『3:30』の文字がありその時間帯に感動する。
今夜久しぶりの〝丑三つサウナ〟に氷ロウリュが加わったことで『丑三つサウナ on ICE』へと発展した、その興奮から今後のスケジュールを再考。
が、抱いた構想も虚しくその激熱イベンツに参加することはなかったのです。

#謝罪会見
時刻は4:30、丑三つを過ぎた早朝のカプセル内にて自分自身への釈明の場が取り持たれた。
私「おい!案の定寝過ごしとるやないの」
僕「いやぁ〜チェックイン直後、偵察にと思い入ったドライ&セルフロウリュサウナが思いの他アレでして…」
俺「でもちゃんと仮眠をしようと23:00にはカプセルに入りました」
ウチ「目覚ましは?」
アタイ「余裕をもって3:15にセットしました」
自分「で、ブルブルうるさいので即OFFにしたら今」
ワシ「まぁOFFもなにも記憶ないんだけど」
ME「ザッツオール!」

丑三つ改めてただの早朝サウナを堪能、15℃と28℃の水風呂で二度漬けになりリクライニングで横になる。
隣に立つ籠一杯にヴィヒタを抱えた少女像をボンヤリ眺め「苦労してそうな顔だな…」とその様がマッチ売りのなにがしとダブってみえた。

ではでは

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とめどなく五十六(再登板)

2023.01.09

1回目の訪問

呼子 台場の湯

[ 佐賀県 ]

2022年の銭湯納めはここだなと心に決めて意見する。
普段は一切気の合わない姉と四半世紀ぶりに意見が一致する、どうやら姉は昨年末もその銭湯を利用したらしく
こう言い誇った。
「毎年恒例にした」
たかだか2年連続なだけで恒例と言い放つ姉にアッパレを贈り母と3人で向かう事にした、そしてうるさいのがふたり付いてきた。
行き先は東京都港区からはだいぶ距離がありますところの〝台場の湯〟です。

#50分
母に運転をさせ助手席で鼻をほじりながら今夜の献立を聞くと鰤しゃぶとの吉報にガツンと腹が減り台場に到着。
男女交代の関係で女湯にはサウナがないとの理由で合流時間を1時間弱と定め反抗を試みたが女4対男1の状態では話にならない。

#40分
空いたカランで全身を泡まみれにして得体の知れない白い化け物が鏡に映る。
早くも時間がないので『高串の湯』という謎の湯に急ぎ浸かる。
高校までを過ごした地元の民な分際でその湯の出所を知らずとにかくありがたがってその湯を堪能する。

#30分
小ぶりのサ室に入り唯一の上段に腰掛ける。
無音のサ室で今年を振り返る事もなく時間的余裕から出来て2セットのサウナをただ汗をかくことだけに集中する。
取ってつけたようなバスタブ水風呂で身体を冷まして、少し開いた窓から見える海岸の釣り人を眺め立ち休憩の肴とするが一向にコレが釣れやしない。

急ぎ服に着替えて合流地点の休憩所に向かう。
母と姉が一時退室するとそこにはボクとうるさいのがふたり、独占状態でヘンなテンションになり「あァ〜!俺らだけだぁ〜!」と踊りはしゃぐ中年に続くうるさいのふたり、0分の3匹。

ではでは

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田舎者の青年が大都会ニューヨークで1発当てる…というマイケルJフォックス主演の映画『摩天楼はバラ色に』
一方それを観て感化されたかどうかもわからぬ九州のチンパンかっぺが東京で1発当てるどころか不発にて何故か定職に就いてしまう珍事に見舞われてもう何度目かの年末。
ここ数年は新幹線で博多を降りたら立ち寄らせてもろうてます〝ホテルキャビナス福岡〟

#造語
足湯に浸かりながらも上半身は温めのサウナでボンクラこける『ロイヤルサウナ』に皇位継承権とは無縁の中年が入室。
テレビでは九州のローカル番組にて〝パラシュート部隊の斉藤〟がMCで番組をぶん回しており「あぁ…九州に帰ってきたんだなぁ」と物思いに耽る。
その間福岡の銘菓さかえ屋〝なんばん往来〟のCMが流れ懐かしさから心の中で「遥かな夢が弾けますぅ♪優しい笑顔がこぼれますぅ♫」とそのCMソングをシンガーソンする。
そんな懐古厨よろすくな九州サウナにて「いや〜じつにキャビなすなぁ〜」と、その状況を表す造語を思い付き、一向にかかない汗の具合を楽しむと共に先に足の指がふやけた、親指が脳みそみたいになっていた。

その後は本番の高温サウナでバシッと決めて、水風呂でパキッと醒めて、最後は屋上露天でビシッと締めますた。
博多駅から歩いて5分九州の玄関口には素敵なサウナがあります。

ではでは

#では終わらない
「良いおとすを、あけますておめでとうございます、本年もよろすくおねがいします」
…っつうこで博多からまた2時間弱移動した先での年末年始を経て本日1月4日。
田舎では姪とスマブラして殴られたり、姉に「とめどなく五十六」とイジられたり、姪とオセロして蹴られたりして時を過ごした。
その疲れとその後待ち受ける新幹線移動直角座位にて過ごす5時間を想像すると居ても立っても居られませんですた。
発車時刻まであと1時間30分!それでもゆくのさ〝ホテルキャビナス福岡〟

#90
受付で並び時間を食い全裸までに10分。
マッハで全身を泡まみれにして5分。
風呂で身体を温めて10分。
高温サウナ上段で12分と10分、その間の水風呂でだいたい3分と休憩5分。
シメだけは絶対に譲れないと露天で過ごすのどかな一時10分。
身体を拭いて体重計に乗り怠惰が祟って4キロ太って1分。
服に着替えまたも受付で時間を消費するも博多駅に向かうまで19分。
向かう道中で土産屋で〝南蛮おうらい〟を購入して発車口に到着するまでに5分。
自販で茶を買い憂鬱な気持ちで列に並び座席に着いて90分。

鬼門の受付も計算に入れ我ながら幸先の良いサウナスケジュールが組めたなと。

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とめどなく五十六(再登板)

2022.12.26

1回目の訪問

タカラ湯

[ 東京都 ]

焼肉屋にて最近腰をいわせた銭湯愛好家Aが店員に注文をする。
「牛タン…ロース…牛タン盛り合わせと…」
腰どころか頭までいわせているようで「旦那、早々に牛タンが被ってますぜ」と忠告して「あぁそうか…」とA。
「なに舌を巻いてるんですか…牛タンなだけに☆」とうまいことを言ってその場の空気を凍てこます。
酒もまわり銭湯愛好家AがBに対して「トムブラウンのみちおに似てますね」と暴言を吐く。
ジャニーズアイドルならまだしもアレな芸人を例に挙げるとは『喋るかりんとう』に対して失礼じゃないかと思いながらも、BはBで満更でもないようで三者三様がDoかしている忘年会は幕を閉じた。
その翌日は12月22日冬至、目的地はKing of 縁側〝タカラ湯〟
ゆず湯実施日に加え足立区paypay30%ポイントバックも相まってコレ以上の舞台はないと考える。

#イキフン
〝The 銭湯〟と言わんばかりのタカラ湯が登場。
物凄い数の爺様や婆様がまるで吸い込まれるかの如く暖簾をくぐりフレームに写り込む為一向に記録用の写真が撮れやしない。

#温冷に御礼
噂に聞く縁側を横目によだれを垂らしながら支払いを済ませ脱衣所で全裸になる。
浴槽エリアをうろつき水風呂の存在を確認して、白湯のゆず湯→江戸山吹の湯→ゆず入りジェット湯の温冷交代浴3セットを想定する。

#空に耳
ほのかに香る柑橘系の匂いに酔いしれゆず湯の一時を謳歌する中年、共に柚子に惚ける仲良し爺様の会話を盗み聞く。
「シーシャの調子が悪くてさぁ〜」との会話内容に「この爺様はシーシャを嗜むのか…」とボコボコと水音を鳴らし煙を燻らす爺様の姿を想像して笑いそうになるが、どうやら〝シーシャ〟ではなく〝自転車〟の聞き間違いでその爺様のご尊顔を確認すると見事なまでのすきっ歯で妙に納得する。
ちなみにこの爺様の手に掛かれば〝ゆず〟は〝ゆす〟と成る。
なんだここ、めちゃくちゃ楽しいな。

#盛盛
ゲルマニウム鉱石の水風呂でクールダウン後は江戸山吹の湯に浸かる、柚子に江戸山吹にゲルマニウム鉱石入りの水風呂と飽きのこない風呂の数々に「こりゃサウナいらずだな」と思う。

#へるへぶん
水風呂前の縁で休憩中雰囲気先行の抽象画だと思っていた水風呂側壁画をよく見るとソレは地獄絵図である事に気付きワクワクする。
壁画中央には玉座に鎮座した閻魔大王、ここタカラ湯は地獄の天国で良きも悪きもすべて湯に流してしまえばいいのだと。

湯上がり後縁側で錦鯉の動向を観察していると、目の不自由な爺様の手を引き浴槽に案内するタカラ湯のご主人を見る。
ここに遊びに来て心底良かったと思う。

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インターネッツに激弱な糞中年が最近電子マネーに手を出した。
現代人ならさも当然のことを誰かにお褒めいただきたい原始人は、電話越しにウホウホ言いながら友人の週1ジムサウナ程度の男を呼び出し酒を呑む。
「最近paypay始めてさぁ〜!なんつうの今巷で話題の〝ぺぺ活〟ってヤツ☆」…っとキャッシュバックで貯まったポインツを見せびらかすIT長者。
その自慢を受け「それ言うなら〝ポイ活〟な、パパ活みたいに言うな」との的確なご指摘に感心してその夜は記憶を飛ばした、甲乙類焼酎のせいである。
そんな与太を踏まえ本日も〝ぺぺ活〟に励もうとワイハに行く事になりました、そう阿佐ヶ谷のワイキキ〝天徳泉〟へ。

#出鼻をポッキリ
受付で「銭湯回数券はpaypayでは買えないよ」とアロハな1発を喰らって泣きの涙、以前松本湯では購入できた回数券のストックが残り僅かだったので悲しいでまはろ。
そんなどんよりとした気持ちも脱衣所から漏れ聴こえるお気楽なハワイアンBGMで一気に吹き飛ぶ、嗚呼…私は今ワイキキにいるのだと。

#徳を天まで積んで見る風景
以前来た時とは装いの違う浴槽エリアを改めて見渡してみる。
最奥壁面は日本の風景美桜のペンキ絵、そしてボクの立つ入口上にはハワイの代名詞であるリゾートビーチが描かれておりこの銭湯は日米合作。
おまけに左壁面にはヨーロピアンな風車のタイル絵も加わっていよいよ持って天徳泉がThe Worldと化す。
唯一無二の奇天烈銭湯がボクの中で爆誕する。

#How are 湯
ハワイで浸かるよもぎ湯、もうなにがなんだかわからないがとても楽しい。
視力が絶望的なため天井照明から吊るされた造花の草が海ぶどうに見えて仕方なくなる。
「沖縄に遊びに行ったとき海ぶどうともずく酢ばっか食ってたな…」とお門違いならぬ浜辺違いな事を思い浮かべ長湯も併せて頭がいとカオス。

#天徳サウナ詳細報告
コロナ禍以降サウナ定員は「ゴォーッ」名と定められており、サ室内は「ゴォーッ」の香りがほのかに漂う。
室温計は「ゴォーッ」を指しており、身体が「ゴォーッ」っとなって「ゴォーッ」っとする。
つまりは滝行に来たかの如き水流音が爆裂に響くご存じ天徳オートロウリュ。

#水風呂
気分はまさに海水浴。

#楽園
カラン中央1列を潰して設置されたリゾートビーチにでもありそうな寝椅子で横になる。
斜め上15度から見るビーチな壁面を眺め意識は天国の島へ行きアロハオエ☆

帰りしな至る所で阿佐ヶ谷姉妹のレギュラー番組『阿佐ヶ谷ワイド』のポスターを見かける。
ピンク色した淑女2名に支配された街、阿佐ヶ谷。

ではでは

もっつん中野2号店

もつ鍋

「飯の写真とか撮る奴なのな」とか言われたくなかったのでトイレ行ってる隙に撮りました、おいしかったです

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とめどなく五十六(再登板)

2022.11.30

1回目の訪問

大黒湯

[ 東京都 ]

10月からサウナは休止らしいです。
でもいいんです。
ゆッポ七福神が揃ったので!!
おめでとうボク!
ありがとう杉並のほうの大黒湯!!

ではでは

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ドシー恵比寿

[ 東京都 ]

仕事に追われる日々にストレスを感じていた。
そして取り引き先とのメールのやりとりで『よろすくお願いします』と、東北なまりの誤字返信が発覚したことでいよいよ頭が爆発した。
「お仕事はもうお腹いっぱいだお」と抱えた仕事を放棄して、こうなりゃ散財してやるとハイセンス感漂う恵比寿に降り立つ窓際の中年。
信号を待つ間、デカデカと『BALENCIAGA』とプリントされたパーカーを着たオシャン男子が、携帯越しに「西洋美術館のギャラリートークが良くてさぁ〜…」と、会話までもオシャンなことで早くも恵比寿に萎縮する。
過去友人から「性格が悪い…ていうか性格が終わっている!」と賞賛を浴びた経験をお持ちの中年は、手持ち無沙汰から携帯を手に持ち『西洋美術館』とキーワード検索をしてみる。
『ピカソとその時代…』
…なんか知らんけど、君モロやなぁ〜☆っと心のツッコミを入れたところで本日向かいますは、そんなオシャンな街にあります〝ドシー恵比寿〟

#異国の言葉
予定通り散財を済ませ明日からは雑草と砂利主体の食生活になるぞぉ〜!と絶望しつつ『℃』と書かれた看板を発見する。
受付では宿泊予定なのだろう大荷物を抱えた外人さんが℃スタッフに対しアレやコレやと質問攻めをしていた。
2、3分経ってようやく受付を済ませた外人さんがボクに向かって英語で謝ってきたので「Yeah」と答える。
…何がヤァ〜だ、調子に乗るなこの通信簿『英語2』が。

#浴槽戦線異常なし
泡まみれの身体を勢いのあるシャワーで洗い落とす。
本来なら白目を剥きながら「風呂はどこぞよ」と泡吹きながらストリーキングに講じるところだが、自宅でガッツリ入浴を済ませてきたのでその欲求は軽減されている。
映像で見たことのある4種の冷水シャワーを横目に先客と入れ替わるかたちで無人のサ室に入った。

#先客の施し
恐らく先客が最後におもいっきりセルフロウリュをかましたのであろう入室早々ごって熱い。
薄暗サ室でひとり悶絶するような熱さに耐えていると、久しぶりに両乳首が疑問を呈してきた。
右「わてらを小籠包にするつもりかえ?」
左「そやさそやさ」
恐らく史上初となるであろう両乳首からの圧力に屈し、逃げるようにサ室を後にした。

15℃の身を切り裂くような冷水シャワーで滝行して南無三、こりゃ堪らんと横の30℃シャワーで極楽浄土、その後は脇の小部屋にある椅子に腰掛け南無阿弥陀仏。
高鳴る心臓を落ち着かせていると小部屋の窓から中華料理っぽいイイ匂いがして腹が減り「この後なにを食べようか…」と思考を巡らせるが意識が朦朧として考えがまとまらない、優柔不断ここに極まる。


ではでは

香川一福 恵比寿店

かま玉うどん

迷いに迷って結果うどん。のどごしが大変よくて2分で完食の運びとなりやした。

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睡魔に逆らえず20時に就寝、そして目覚めと共に映る漆黒の天井を見上げ思う。
「この暗さ…朝じゃなくない?」
枕の横に置いてある携帯を確認すると時刻は丑三つの午前3時、特に意味のないこの無駄な早起きをどうにか昇華させたいと考えた末始発の時間を見計らって家を出た。
こんな妙な時間にサウナに入りたくなった中年を受け入れてくれる銭湯は都内でもそう多くはありません。
そうです本日は奇数日の〝押上温泉大黒湯〟にて朝風呂に浸かって参ります。

#朝6時に思うこと
受付で支払いを済ませ所狭しと飾られた著名人のサインから毒蝮三太夫のソレを発見する。
元ウルトラ警備隊という華々しい経歴を持つ一方、自身のラジオでは「ババァ長生きしろよ!」と暴言を吐き人気を博した毒蝮、今更だけど『毒蝮三太夫』ってイカれた名前だなぁ〜…と無駄に感心しつつ男湯の暖簾を通過する。

#長湯が過ぎる
温泉特有の香りが立ち込める浴槽エリアで『歩行湯』というご機嫌な風呂を見つけソレ入り浸る。
不感風呂に近い温度設定が気に入り『薬湯→歩行湯』『露天温泉→歩行湯』『サウナ後の水風呂→歩行湯』ともう歩行湯なくして生きていけない身体となる
そんな個人的大黒湯のベストスポッツ。

#クリビツサウナ
テレビ付きのコの字ドライサウナに入室。
着座を禁ずるように置いてある鳩の石像と目が合い、誰もいない事をいいことに挨拶がてらホロッホーと鳴く。
ついさっきまでしっかり聴き取れていたテレビのニュースが回線不調のせいかだんだんと聴こえ辛くなり、暫くすると完全に沈黙する。
「こりゃ具合がいいやぁ〜☆」と目を閉じて静寂のサウナを楽しんでいると、一時的に回線が復活して「ブィッ!」と一瞬音が鳴りまた黙り出すテレビ。
いきなり『ブィッ!』とか言ってんなよ!
超怖いじゃないか!

#とめどなくソルティ
奇数日限定露天エリアの塩サウナ室にて塩漬けになり、長期保存が効く保存食みたいになる。
その味はまず間違いなくゲロマズだと自己評価の末、逆ミシュランの三つ星に認定する。

#空の木
露天の源泉水風呂に浸かりデッキ階段を上がる。
サウナ先人のアドバイスを思い出し後ろを振り返ってみるとそこにはでっかいスカイツリー、普通に感動し来訪の喜びに触れる。
階を上がった先には外気浴スペースがありその中にあったハンモックに収まってみる。
ユラユラと揺れるハンモックに微睡みながも、この外気スペースをイラストに起こしたいと奴らを散らしつつ記憶していく。
自分でやり始めたくせして「ただ風呂に入りに来ただけなのに何故にこうも自身の記憶力を試さないかんのか!」と逆ギレ。

ではでは

YAMIYAMI

野菜ゴロゴロカレー

パクチーが入ってないことに感謝しつつ召し上がります。

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とめどなく五十六(再登板)

2022.11.06

3回目の訪問

香藤湯

[ 東京都 ]

営業終了間際の銭湯はサ室が熱くて具合がいいネ。

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