地図からサウナが探せる！

観音湯

銭湯 - 東京都渋谷区

とめどなく五十六（再登板）

2022.06.12

1回目の訪問

毎度ばかばかしいお笑いを一席
隣のサウナに塀が出来たんだってね
へぇ〜…ってそこ外気浴エリアやからね！
…と後世に語り継ぐどころか明日にも失念してしまうサウナ小噺を思いつき幡ヶ谷に到着。
道中つげ義春の名作漫画から拝借したであろう『ねじ式』と名の付くラーメン屋を発見する。
『ゲンセンカン主人特製メメキクラゲたっぷりラーメンだガロ…』と、こりゃまた末代の恥となる駄洒落を思いつきコレで先程の小噺と併せて2アウト。
そんな無能の人がお参りに訪れた〝観音湯〟
ありがたい名の付くお銭湯様です。

#仏の心で
穏やかな気持ちで支払いを済まそうとするが銭湯では過去最高額となる千円を提示され一瞬お目見えする鬼の形相。
土地転がに馳せ参じた事もないのに「渋谷の地価がそうさせるのか…」と自分の中に棲まう邪をなだめた、こんな銭ゲバっぷりでは当分ボクは極楽浄土に逝けそうもない。

#全裸で南無三
露天脇にはカラン用の椅子が置いてありそこに鎮座し一足先に極楽に誘われし爺様を見る。
〝無の境地〟それすら排した仏教の教え〝空〟を体得したそのご尊顔に大層なありがたみを感じる。

#サ談話室
常連だらけのサ室、新参者は邪魔にならぬようそっと目を閉じモブと化すがそこはしっかり聞き耳を立て常連の会話を盗み聞き。
大谷翔平のバッティング、パチンコの成果、嫁が超怖い、そんな味わいしかない会話が行き交うサウナ。

#サウナでミステリーというなかれ
常連Aが常連Bに対し「月曜日に来てなかったけどどうしたの？」と質問を投げかける。
その質問を受け不思議そうに「いや、来てたけど…」とB。
それは変だなと「何時頃？」と聞き返すが依然Bは要領を得ない顔で「いつも通りこの時間に来ていたよ」と答える。
納得のいかないAは今度は常連Cに「いや、月曜いなかったよね？」と同調を募るが常連CはCで「そうだっけなぁ…」と、記憶が明後日の為いよいよこの会話が泥沼化。
「来てない！」「来てた！」「どっちだったけな？」
この地獄の三つ巴戦が気になりいつまで経ってもサ室を出れない新参D、終いには互いがその日のルーティーンを発表する事態に発展する。
両者一歩も引かない中『その日どちらかが時空の歪みに迷い込み異世界の月曜を堪能してたんだろうよ！あとCは一度医者行って脳みそ診てもらえ！』と心の中で一喝し無事このミステリーは未解決となる。

水で清めて露天エリアで無に帰す。
仏の心の真逆をゆく〝人間の業〟について学びを得た本日、爺様方の会話は生きてく上でなんの必要もないが何故かソレがやたらと楽しい。
他人の会話を盗み聞くそれもまた人の業。

ではでは