サウナ金融

2020.02.09

1回目の訪問

【赤坂を疾走する風。あの時の表情は忘れない】

「お前と赤坂で落ち合うなんて不思議だな。」

彼の言う通りだ。

サウナ金融マンとはもう10年来以上の仲だが、いつも中野とか下北沢で崩れたガールズバーに入り浸ってた。

互いにオトナになり、今日志楽の湯に続き、彼のサウナに同行する。

「連れサウナはするつもりはない。これから行くところは俺のペースにもついてくるな。」

かぷせるいん赤坂。

錆びれた靴入れ。年季のあるEVはまるで大衆店のアレ。ドアが開けば嬢が待ってるかのようだ。

そして越後湯沢のどっかのスキー場を彷彿とさせる簡素過ぎるロッカー。

「貴重品はフロントへ」チラシがありすぎて若干治安の心配がまとう。

バスローブを纏い、共に8Fへ。ここからはサウナ金融マンのサ活を以下に記す。
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誰もいないココが好きだ。過去にも訪れているが秘境として投稿をしていなかった。

下段に知ってる顔がいるが、一人の時間を楽しむ。

座禅を組みじっとしていると小さな雫が大きくなっていく。カラッカラ特徴の現象だ。

指で腕をそっとなぞる。この円滑な滑り。

己の純度120%の汗の証。
蒸気で誤魔化してくるフィン式では出逢えない独特の現象。

12分で水風呂。あえて熱いお湯で流して隣の水風呂へ。

水が溢れ出す音色。誰もいない浴室に優しく反響し続ける。

1分で限界。持参したポカリを飲み、シャワーの外されたいわゆる「空き地」で休憩する。

慣れない。人がいないと逆に不安になる。ネットで張り付くされた天井がアングラさを一層ひきたてる。

静かなサ室、キンキン水風呂、鏡に映る己を見れる「空き地」、過去最高レベルである。

4セットを終え、浴場から出たカゴ入れで奴と丁度落ち合う。切っても切れない仲だ。

奴はドリンクも持ってきてないから残りもポカリを譲る。美味そうに飲む奴の顔がどこか懐かしい。

横にマルシンスパのようなトビラがある。
今日は思い切ってあけてみた。うあっ。

その時本日初めて、奴と目があってどこか嬉しかった。
~~~~~~~~~~~~~~

彼は突然奥のトビラを開けた。

心地よい風がカラダに吹きかかる。飲んでいたペットボトルに驚愕の奇声を詰め入れた。

目の前には夜空を灯る満月、そしてパールビルとbizタワーが彩る夜景。なんて景色だ。

彼は直ぐに優しく閉める。その時、彼の笑顔は筆者をどこか安堵させた。

若き頃入り浸ったガールズバーでの笑顔と全く同じだったから。[完]

サウナ金融さんのかぷせるイン赤坂のサ活写真
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