高温サウナタイマー

2023.03.09

1回目の訪問

サウナにおける究極的な目的はなにか。それは通常の社会生活では体験しえない非日常にある。灼熱の室内、極寒の水風呂、そして最後に挟まれる日常の風、外気浴だ。この非日常に身を置くことで体はその非日常に適応しようとして藻掻く。その藻掻きこそがととのいの正体でもある。

 非日常に身を置くと書いたがその中の日常、外気浴をどれだけ「非日常」にするかに僕は腐心してきた。北海道の雪の中、東北の澄んだ空気、或いは九州の南風などだ。その中からさらに先を行くこれは今までにない理想の「非日常」を求めた最後のサウナ旅の1日である。

 広島から新幹線で小倉のある北九州に降り立ち、そこからバスで30分。そこに東京九州フェリー新門司港ターミナルがある。そこから約21時間の移動時間を共に過ごす場所こそが今回の最後の目的地。旅客船「すいせん」だ。

 館内には航路の大半を圏外で過ごす僕らを退屈させないように様々なアクティビティが用意されている。映画館にスポーツジム、ゲームコーナーにカラオケなんかもある。そしてそんな余暇を楽しむ一つになってあるのが浴室だ。そしてそこにはサウナがある。

 浴室そのものは至って普通のビジネスホテル程の大きさのお風呂場がある。これだけでもなんだが凄いことだが浴槽に入ってなにもない海を眺めるだけでもとても贅沢な体験である。しかしそれだけではなく、そこに露天風呂やサウナまで付いているというのだから、これは存分に楽しまなければならないと決心している。

 サウナ室内はL字型で定員5名。それ以上の人が入らないようマットも5人分しか用意されていない。室温は100℃。最近は長めに入れるよう90℃前後に温度が設定されているサウナが多い中でここはある意味クラシックスタイルを貫いている。じっくり入れないがそれでもヌルいよりはいい。

 水風呂…はないのでシャワーにて代用。ちゃんと冷たい水が出てくるのでここは大丈夫。

 外気浴。休憩チェアなどはなかった。まぁこのサイズだしというところ。露天の縁で流れる海の風景を眺めながら風を浴びる。実に素晴らしい。今までの外気浴のなかでもトップクラスに外気浴が楽しい。それは、海風を浴びるという非日常が僕を酔わせてくれているのだろう。或いは、プカプカと揺れる船内での経過によって本当に酔っていたのかもしれない。

 もっともっと、ととのいを気持ち良く過ごせるサウナは他にもあるのかもしれない。しかし、僕にとって熱いサウナから出て浴びる瀬戸内海の風は、形容し難い程に幸福な時間だったのだ。

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