【閉店】神田セントラルホテル
ホテル・旅館 - 東京都 千代田区
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【If this is it】〜さよなら人類〜③
4月1日の朝。
5時に浴室へ向かう。
朝イチから大阪で打合せがあるからだ。
昨夜の喧騒がウソのように静かな脱衣場に
「な!南光師匠!」
常連魔人の南光師匠が1人バスタオル巻いて、いつもの通り大量のオロナイン軟膏を使ってケアしてた。
(魔人系常連さんも、われわれクラサーと違うけど神センを偲んで来てたんだ…)
ディスイズイット
最後の入浴です。
しっかり身体を洗いサ室に入ると1人ぼっち。
室温は102℃をマークしていた。
一人きりのサウナ。
これをここで何度も繰り返してきた。
上京した頃から思い出し、色々な感慨に耽る。
常連魔人の南光師匠や堕天使ルシファー、超獣ヒャッホーウーホなんて強敵もいたなぁ…
強大和田常務、見返り美人、ノッポさん、どうしてるかなぁ…邪人レッドゴブリンは昨日見かけたけど。
色んな人達と言葉を交わす事なく同じ部屋で汗を流し、それぞれに色んな想いがあって生きていて、今日、その人間交差点は幕を下ろす…
魔人類、邪人類全ての人類と今日でさようなら。
またどこかで出会う日まで
誰も居ない浴室。
既に外された「潜水禁止」の札
この地で最後にあの封印した大技でラストを決める!
「必ー殺‼︎片手合掌!仏壇返しーー‼︎」
誰もいない浴室に声が響き、水風呂に半身回転しながら投身する!
ブワアっと頭皮全体に14℃の水流が流れ、一瞬であのサ室の熱を奪い取る…
晴れ渡る春の空と50年の佇まいを振り返り、想い出と共に感謝を込めて
「This is it」
〜おしまい〜
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