【閉店】地蔵湯
銭湯 - 東京都 北区
銭湯 - 東京都 北区
サウナ室、「26℃」の室温計ーー。
3月末に閉店する銭湯・地蔵湯のお別れ入浴に。
清潔でこじんまりと心行き届いたしつらえが、
フロントから隅々まで伝わります。
浴室にはオレンジ色を基調としたタイル画が、
その場をあかるい太陽のように照らしています。
カランは両壁面、島を合わせて16個と立ちシャワー。
ケロリン桶と、大小のお風呂椅子を選んでゆっくり身体を清めます。
一列に並んだお湯はバイブラ、白湯、そして、
前方後円墳のようなタイルで仕切られたおひとりスペースのジェットバスがくるまれるように居心地よい。
ちいさな水風呂の横にあるサウナ室には養生テープの〆切と、利用の終了を告げる紙。
ありがたくぬくもり脱衣所に戻ると、
ちいさな窓から照明の消えたサウナ室を覗けました。
室温計の指す26℃が、サウナとしての役割を終えたせつなさでした。
終わりを告げる、この風景をゆっくり眺めていたい。
小窓越しのサウナ室のなか、目に留まるのは、新品さながら、きりりと美しい白木のベンチと壁。
帰りしな、女将さんに伺えば、万感のうなずきが返ってきました。
サウナはコロナの1年前に建て替えたばかりだったのだと。
胸が詰まる。
うまいお返しなどひとつもできず、
柔らかくていいお湯でした、ありがとうございます、
と辞去いたしました。
いつもの風景、いつもの挨拶。
湯けむりに響くおなじみさんたちの声掛けが、
これからのどこかで、続いていく未来を祈りました。
女
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