2025.07.02 登録

  • サウナ歴 5年 10ヶ月
  • ホーム 前野原温泉 さやの湯処
  • 好きなサウナ 改良湯・巣鴨湯・cocofuroかが湯・文化浴泉・ときわ健康温泉 岩盤浴も好き。
  • プロフィール 午前中に入るサウナ・お風呂最高! エッセイ風な、サ活記録を投稿しています。よかったら、休憩時間のおともに読んでみてください。 駆け出しのさうなー。 サウナーになりたいおふろだいすきー。
絞り込み検索

地域

選択する

条件

選択する

たくひ

2026.05.23

10回目の訪問

巣鴨湯

[ 東京都 ]

【整い過ぎて滅】

久々のサウナチャンスだった。

本当は渋谷の改良湯へ向かうつもりだった。
しかし、23日は貸切営業との報。
梅雨に入れば機動力も落ちる。行けるうちに行っておきたかっただけに、少し痛い。

気持ちを切り替えて、向かった先は巣鴨湯。

開店前には到着したものの、すでに行列。
それでも今日は運が良かった。サウナ待ちまでは発生しておらず、そのまま入館。

身体を洗い、熱めの湯で下茹でを済ませる。
そして、いざサウナへ。

下段。
下段。
上段。
上段。

久々だったこともあり、今日は長めにじっくり蒸された。

本当は、サウナウォッチのことや、最近ぼんやり考えていた他愛もないことを書こうと思っていた。

だが、そんなものは全部吹き飛んだ。

巣鴨湯のアチアチのロウリュ。
久々のサウナ。
ぐらぐらに温まった身体。

整い過ぎた。

頭は真っ白で、ただ湯気みたいな余韻だけが残る。

いまだに身体の奥がふわふわしていて、改めてサウナというものの魔力を感じている。

多くを語る必要はない日だった。

今年一番の、会心のサウナ。

続きを読む
18

たくひ

2026.05.05

1回目の訪問

【朝、朝霞にて】

まだ少し肌寒さの残る早朝。眠気を振り払いながら向かうは、朝サウナ。
始発に近い時間の電車には、サークル帰りの大学生や朝帰り風の人々が混在していて、その中に静かに溶け込む自分。

今日はGWがある意味終わる日。箱根から家族が戻る前に、片付けというミッションが待っている。完全に自分の生活のツケだが、それでもなお諦めきれない。「朝ならいけるだろう」と、わずかな希望を握りしめて電車に乗る。

朝霞駅は初訪問。朝霞台には来たことがあったが、思った以上に近く、これは再訪のハードルが低い。駅前も、退店する頃には店が開き始め、朝の街の動き出す感じが心地いい。

肝心の施設は、非常にバランスが良い。
アメニティは歯ブラシ、くし、髭剃り、ボディタオルと一通り揃い、タオルもバスタオル+フェイスタオル付きで手ぶらOK。

浴槽は広めと小さいのものが2つ、水風呂も2種。動線に無駄がなく快適。

サウナは低温多湿寄り、セルフロウリュ可能サウナ。さらに6段の雛壇サウナという圧巻の広さで、自分好みの温度帯を探せるのが楽しい。オートロウリュに加え、マイルドながらしっかり熱を回すオートブロワーも好印象。

外気浴スペースにはインフィニティチェアが多数設置されており、その数はTOTOPA並みかそれ以上かもしれない。難民になる心配はほぼなし。

水風呂も2種類あり、しっかり冷冷交代浴ができるのも嬉しいポイント。

「GWで混雑して疲れるかも」と少し構えていたが、朝利用ならむしろ快適。9:59までの朝料金が1000円というのも破格で、コスパの高さが際立つ。

最後に1階のリラックススペースも軽くチェック。漫画も読める休憩エリアがあり、時間が許せば長居したくなる作り。

軽めに整えて、名残惜しさを感じながら退店。
“朝サウナで一日を取り戻す”という選択肢として、かなり有力な一手。

これは、また来る。

続きを読む
26

たくひ

2026.05.03

2回目の訪問

堀田湯

[ 東京都 ]

【みるくるみ】

毎日サウナ川越を後にして、西新井の堀田湯へ。
今日はちょっとした贅沢、はしごサウナ。

到着してまず目に飛び込んできたのは、下駄箱の札がひとつもない光景。
「あぁ、満員だ」
その事実に一瞬たじろぎながらも、なぜか少し嬉しくもある。
いいサウナは、ちゃんと混んでいる。

チケットを購入し、中へ。

今日はukaとのコラボ。
シャンプー、リンス、ボディソープまで、すべてがウッディーローズの香りに包まれている。
甘すぎず、でもやわらかく残る香りが、日常の輪郭を少しだけぼかしてくれる。

そして、露天風呂はミルク風呂。
ずっと気になっていたそれに、ようやく浸かる。

乳白色のお湯というだけで、不思議と温泉に来たような気分になる。
視覚って、こんなにも気持ちを動かすのか。
ほんのり甘い香りに包まれながら、じんわりと身体がほどけていく。

しっかりと下茹でを済ませて、サウナへ。

ここ堀田湯で好きなのは、サ室に響く水の音。
静寂とは違う、流れる気配のある静けさ。

午前中、薪の火に癒された記憶がまだ身体に残っている。
そして今は、夕方のやわらかな時間の中で、水の音に癒されている。

火と水。
同じ一日の中で、違う表情の“ととのい”を味わえる贅沢

自家製麺 伊藤 赤羽店

肉そば

染みる一杯。

続きを読む
13

たくひ

2026.05.03

1回目の訪問

【燻製スモークされて。】

今日は、久しぶりのひとり時間。
羽を伸ばし、足も伸ばし、向かった先は 毎日サウナ 川越店。

前評判に胸を躍らせながら、薪サウナを求めて電車を乗り継ぐ。
川越駅から歩くこと、およそ15分。
春の空気を感じながら、てくてくと進む。

やがて現れる「毎日サウナ」の看板。
――到着。

胸の奥が、じんわりと高鳴る。
初めての場所特有の、あの小さな高揚感が心地いい。

立ちシャワーで身体を流し、いざサウナ室へ。

扉を開けた瞬間、視界の中心に現れるのは、赤々と燃える炎。
中央に鎮座する薪ストーブが、静かに、しかし確かに存在を主張している。

香ばしい薪の香りを胸いっぱいに吸い込み、腰を下ろす。

スタッフが薪をくべ、軽くロウリュ。
立ちのぼる蒸気を、タオルでやさしく撹拌していく。

ああ、なるほど。
ここは“整える”場所であると同時に、“感じる”場所なのだ。

暗がりの中で揺れる炎。
パチ、と木が爆ぜる音。
鼻腔をくすぐる、どこか懐かしい香り。

それらがゆっくりと、五感に染み込んでくる。

人はなぜ、これほどまでに火に魅了されるのだろう。

形を持たないからか。
常に揺らぎ続ける不安定さゆえか。
それとも、太古から火を扱ってきた記憶が、どこかに残っているのか。

ふと、最近目にした山火事の映像がよぎる。
火を使っているつもりで、実は使われているのは人間のほうなのかもしれない――

そんな他愛もない思考を巡らせながら、じっくりと熱を受ける。

いつもより少し長めに居座り、アウフグースを受ける。
そして、水風呂からの休憩。

ベッドに身体を預けた瞬間、すべてがほどけた。

――整った。

どこか、自分が燻製になったような感覚。
それすらも、妙に心地いい。

気づけば、あっという間の120分だった。



【めも】
・毎時00分にスタッフのアウフグースあり
・入店は30〜40分あたりが狙い目(2回受けられる)

続きを読む
16

たくひ

2026.04.27

2回目の訪問

【どんぶりこ、どんぶりこ】

四十を越えてからというもの、体力も体調も、戻りがどうにも鈍い。
無理が効かない、というより、無理のツケがあとから静かに押し寄せてくる感じだ。
それでも、少しずつ復調の気配があるのは救いで、波に揺られながらも沈まずにいられている、そんな実感がある。

今回は、あの弩級イベントを乗り越えたあとの慰労会。
場所は、ちょっと背伸びした中華料理店。

本音を言えば、一杯二五〇〇円の紹興酒を、どんぶりこどんぶりこと浴びるように飲みたかった。
けれど、ここで流されると後が怖い。
ぐっと堪えて、あえての軽め。

それでも料理はしっかりと旨く、会話も弾む。
「ああ、ちゃんと終わったんだな」と、遅れて実感が追いついてくる。

店を出ると、夜風がやわらかい。
そのまま流れるように電車へ乗り込み、三ノ輪で降りる。

そこからは、目的地までのんびりと歩く。
普段なかなか来ないエリアというだけで、少しだけ旅情が混じる。
夜の街に身を任せていると、自分がどこかへ運ばれていくような感覚になる。
まさに、どんぶりこ。

やがて目的地に到着。

身支度を整え、体を洗い流し、露天風呂へ。
そして、サウナ。

――ここで少し、現実に引き戻される。

最近はマナー意識の高い銭湯が続いていたせいか、
今日はなかなかの“濃さ”だった。
外国人の勇者パーティー、男子大学生の勇者パーティー、
そして水風呂には、主のごとく潜水する海坊主。

なかなかどうして、にぎやかでカオス。
正直、面食らう部分もあった。

けれど。

サウナの熱、水風呂の冷たさ、露天の開放感――
その根っこの部分は、やっぱり変わらず良い。

雑多さすらも含めて、これはこれでひとつの風景なのかもしれない。

久しぶりに来て、よかったな。
そう思えるだけで、十分だ。

体も気持ちも、また少しだけ整った気がする。
波に流されながら、それでもちゃんと戻ってくる。

どんぶりこ、どんぶりこ。
そんな夜だった。

続きを読む
15

たくひ

2026.04.26

12回目の訪問

改良湯

[ 東京都 ]

【くじらに乗る夢を見る】

3月末、弩級のイベントがようやく幕を下ろした。
そこから間髪入れずに、有給消化という名の、娘たちとの春休み。気づけば新学期も無事にスタートし、ようやく日常が戻ってきた——その瞬間だった。

張り詰めていた糸が、ぷつりと切れる。

体調は一気に低空飛行へ。
このまま無理をすれば、気管支喘息や副鼻腔炎にまっしぐらなのは、これまでの経験がよく知っている。だからこそ、少し厚着をして、早めに布団に入り、あれだけ通っていたサウナや銭湯からも、しばし距離を置いた。

それでも——いや、だからこそか。
身体が少しずつ上向いてくると、むくむくと顔を出す欲求がある。

サウナに行きたい。

じわじわと、しかし確実に膨らんでいくその気持ちに抗えず、久しぶりに足を向けたのは、あの場所。改良湯。

昼時を少し過ぎた頃に到着すると、館内はほどよい静けさに包まれていた。
人の気配はあるのに、どこか余白がある——そんな心地よい空き具合。

久々のサウナは、焦らず、じっくりと。
オートロウリュが始まると、熱の波が背中をなぞるように押し寄せる。その一撃一撃を逃さないように受け止めながら、ゆっくりと体温を上げていく。

溜まりに溜まった疲れとストレスが、蒸気とともにほどけていく。
まるで深い海の底から、ゆっくりと浮上していくような感覚。

——そうか、これだ。

この感覚を思い出したとき、ふと頭をよぎる。
水面の向こう、大きな何かに導かれるように進んでいく夢。
静かで、広くて、どこまでも優しい——くじらに乗っているような、あの感覚。

体調はまだ完全ではないけれど、確かに上向いている。
ここからは無理をせず、それでもチャンスがあれば少しずつ。

サウナチャンスを拾いながら、まだ見ぬ湯を開拓していきたい。

低空飛行だった日々に、そっと別れを告げて。
また、自分なりのペースで、この楽しみを取り戻していこうと思う。

続きを読む
21

たくひ

2026.04.03

3回目の訪問

【春の陽気と温泉と】

今日は、予定のない数少ない日。
春休みの合間をぬって、平日に子供達とスパジアムジャポンに!

午前中はすいてて良き。

子供とテントサウナもしたり満喫!!
アイスも食べて、岩盤浴して、久々のびのび。
この後またサウナ!

続きを読む
21

たくひ

2026.03.29

4回目の訪問

文化浴泉

[ 東京都 ]

【桜と文化浴泉】

母と妹のいる実家に帰省した折のこと。
「子どもたちは見ておくから、ゆっくりしてきなよ」と、まるで神のようなありがたい言葉をもらい、私は少し足を伸ばして、文化浴泉へ向かった。

道すがら、目黒川沿いの桜を眺める。
今年は剪定の影響か、例年よりもボリュームが抑えられていて、どこか物足りなさも感じる。それでも中目黒駅周辺の賑わいは相変わらず、いや、それ以上かもしれない。

少し歩を進め、東山や池尻のあたりまで来ると、喧騒はすっと引いていく。
幼い子どもを連れた家族がゆっくりと散歩をしている姿があり、空気はやわらかく、穏やかだ。
あたたかな陽射しを受けて、人も桜もどこか朗らかで、「ああ、春だな」と自然に思える。

そんな余韻を抱えたまま暖簾をくぐると、下駄箱の札は残りわずか。足元にはマットが敷かれ、すでに盛況の気配だ。どうやらオフコーラのイベントらしく、昼どきにもかかわらず賑わっている。

受付を済ませ、さらに一枚暖簾を抜ける。
脱衣所も浴場も人で満ちていたが、不思議と嫌な混雑ではない。体を清め、全シャンプーでゆっくりと気持ちをほどいていく。

この日の目当てはイベント湯、オフコーラ湯。
湯気の向こうに、ほんのりとコーラの甘さと生姜の香りが立ちのぼり、どこか懐かしく、それでいて新しい。

しっかりと体を温めたあと、サウナへ。
この日のアロマも、いつものほうじ茶ではなくオフコーラ仕様。意外性に少し笑ってしまうが、生姜が鼻腔をくすぐる。広々とした室内は温度と湿度のバランスが絶妙で、照明は落ち着き、流れるのはJAZZ。静かに、しかし確実に整っていく。

しっかり汗をかき、キンと冷えた水風呂へ。
そこからの内気浴は、まさにご褒美の時間だった。

外の賑わいとは対照的に、内側はゆっくりと静まり返っていく。
ほどけた体と気持ちを抱えたまま、また日常へ戻る。

やり残した仕事は山積みのままだけれど、
こうして一度整えた自分なら、もう一度きちんと向き合えそうな気がする。

続きを読む
5

たくひ

2026.03.28

1回目の訪問

光明泉

[ 東京都 ]

【歩数がどえらい事に】

やっと、日曜日から続いたイベントが終わった。
準備期間も含めた四日間、気づけば歩数は連日30000歩オーバー。足は棒どころか、芯まで膨れ上がったようにパンパンで、もはや自分のものじゃないみたいだ。

初日が終わった時点で「明日は省エネでいこう」と心に決めたはずなのに、現実はそう甘くない。役割的に、あっちへこっちへと呼ばれ続け、気づけばまた歩数を積み上げている。
三日目の朝には、起きた瞬間から「これ、本当に歩けるのか?」と疑うレベルの痛み。熱いシャワーを無理やり浴びて、意識と身体を叩き起こす。

最終日はさらに重かった。身体が起きること自体を拒否しているようで、正直リタイアの文字が頭をよぎる。
それでもなんとかホテルをチェックアウトし、トランクと自分の身体を引きずるようにして会場へ。開錠準備から始まり、最後の力を振り絞って撤収へ――結果は、まさかの予定より2時間巻き。終わった瞬間、達成感よりも先に、ただ「終わった」という安堵が広がった。

翌日は軽く片付けや雑務をこなし、子どもたちを迎えに行って実家へ。
そして、ボロボロの身体に最後のご褒美として向かったのが、光明泉。

550円にタオル付きで+300円。この価格で露天風呂付きという当たり回。まずは炭酸泉で身体をゆるめる。血が巡り出すと同時に、頭の中もぐるぐると回り出す。
サウナは明るめでテレビ付き。何も考えたくない、いや、考えられない状態の自分にはちょうどいい。そこにいる人たちと、同じ画面をぼんやり眺める、妙な一体感。

サウナ、水風呂、またサウナ――短いサイクルを繰り返し、最後は露天へ。
ただ一つの難関は、そこへ続く階段。これが、とにかくつらい。それでも登りきった先で見上げた都心の空は、やけに優しくて、ようやく深く息がつけた気がした。

頭も身体も、まだどこか重いまま。
それでも、確かに少しだけ、軽くなった。

続きを読む
3

たくひ

2026.03.26

2回目の訪問

【氷と獅子に焼かれて】

兎にも角にも、動き出してしまった。
年度末、最後の、そして最大の仕事の準備。

前日だけで、気づけば35000歩。
何かしら持って歩くのだが、身体は確実にゴリゴリと削られていく。足は棒、というより、もはや別の何か。重く、鈍く、ただ疲労だけが蓄積していく。

翌日は本番初日。朝も早い。
逃げ場を断つように、職場手配のホテルに滑り込む。

浴槽は驚くほど狭く、思わず苦笑する。
22時半チェックインでは、選択肢もない。それでも湯を張り、無理やり身体を沈める。熱さに身を委ねながら、「回復したことにする」という強引なリセット。そうでもしなければ、明日には立てない気がした。

案の定、足は悲鳴を上げている。

そして本番1日目。
この日もまた、31000歩。

ふくらはぎは張り裂けそうに膨れ上がり、攣る一歩手前で踏みとどまる。
だが、この日は少しだけ早く終わった。

迷わず向かう。救済の地、ライオンサウナへ。

遅い時間。それでも構わない。
今日は、とことん汗を流す日だ。

ライオンタイム。
容赦のない熱が降り注ぐ。まるで焼かれるような感覚の中で、滂沱の汗が噴き出す。思考が削ぎ落とされ、ただ「熱い」と「気持ちいい」だけが残る。

そこからのシングル水風呂。
痛い。だが、それがいい。
さらに16度の水風呂へと移り、冷冷浴で身体を締め直す。

これを三度。
まさに獅子とがっぷり四つ。

仕上げに、ジールとボナヒーターのツインヒーターを備えた瞑サウナへ。
先ほどまでの激しさとは対照的に、じっくりと、静かに。身体をほぐしながら、内側の疲労を溶かしていく。

ようやく呼吸が整う。

英気は養われた——はずだった。
戦う準備はできた——そう思いたかった。

だが現実は甘くない。

階段が、もうつらい。
サウナ2階から脱衣所の4階へ。そのわずかな移動で、すでに敗戦の気配が漂う。

それでも、なんとかライオンサウナを後にする。

外に出れば、新橋の夜。
どこか浮き足立った人々の楽しげな空気を横目に、こちらはただ、静かにホテルへと戻る。

戦いは、まだ終わらない。
あと二日。身体と気力をだましながら、前に進むしかないのだ。

続きを読む
12

たくひ

2026.03.22

9回目の訪問

巣鴨湯

[ 東京都 ]

【大繁忙期】

目前に迫った日曜日。追い込みの気配が、じわじわと背中にまとわりつく。そんな中、ふと訪れた“サウナチャンス”。この言葉の響きだけで、少しだけ呼吸が整うのだから不思議だ。

人の熱量というのは、時として暴走する。なぜだろう。不安がそうさせるのか。それとも、「今さら引けない」という妙な責任感か。最初から素直に参加していればよかったものを、と内心で苦笑する。

かつてドイツの軍人、エーリッヒ・ルーデンドルフが「ヤル気のある無能がもっとも危険だ」と語ったというが、まさにその言葉を実感する場面に出くわすとは思わなかった。けれど、そんな多種多様な特性を持つ人たちと働くのは、案外悪くない。むしろ面白いとすら思えるのだから、自分もだいぶ毒されてきているのかもしれない。

勉強ができることと、仕事ができることは、似ているようでいてまったく別物だ。そのズレこそが、現場の妙味なのだろう。

完璧を求めれば、どこまでも終わりは見えない。だからこそ、自分なりの「ここまで」は決めた。そのうえで、あえて飄々としてみせる。すると同僚に言われた。

「なんでおまえ、そんな平気そうなんだ?」

少し考えてから、こう返した。

「ミロのヴィーナスも、サモトラケのニケも、未完成だからこそ美しいじゃないか」

すかさず返ってきたのは、

「それはアートだろ。これは仕事だ!」

間髪入れない正論に、周囲から「漫才かよ」と笑いが起きた。いいじゃないか、笑いがある職場は強い。そう思えた時点で、きっとこの大仕事も乗り越えられる。

そんな軽やかな確信を胸に、足は自然と巣鴨湯へ向かっていた。

時間的に混雑は覚悟していた。だが、下駄箱は拍子抜けするほど空いている。拍子抜けついでに中を覗くと、まさかのサウナ待ちなし。どうやら15時05分のタオル交換直後らしく、タイミングが良かったようだ。

内露天はほんのり桜色に染まり、季節を先取りしている。さらに毎時25分にはスタッフによるロウリュがあるらしい。こういう細やかな演出が、疲れた神経にじんわり効いてくる。

時間を見ながら、無理のないペースで入る。それでも、久々のサウナとここ最近の忙しさが相まって、いわゆる“サウナハイ”に近い感覚に包まれていく。もう少し、もう少しと、気づけば長めの滞在。

しっかりと汗をかき、頭と身体の輪郭が少しずつほどけていく。そこへ、桜の香りをまとったロウリュ。熱と香りが一気に押し寄せ、思わず深く息を吸い込む。

完全に「ととのった」とまではいかなかったけれど、それでも十分すぎるほどリフレッシュできた。

さあ、今週が山場だ。もうひと踏ん張り、いける気がする。

続きを読む
16

たくひ

2026.03.14

11回目の訪問

改良湯

[ 東京都 ]

いよいよイベントが間近に迫ってきた。
時間がない。余裕がない。気力もない。
気づけば、ないない尽くしの日々だ。
これはもう、サウナに行くしかない。
頭の中で候補を並べる。
熱さとスカッと感の
巣鴨湯
じっくり深くチルできる
改良湯
リラックスとバランスの
文化浴泉
どこも捨てがたい。
今日は、暗めのサウナで静かに汗をかきたい。
テレビもなく、余計な光もない場所で、
ただ熱と向き合う時間が欲しい。
そして、今日は時間もあまりない。
となると、答えは一つ。
改良湯だ。
外に出ると、空はやけに爽やかだった。
澄んだ青空。春の空気。
それとは裏腹に、頭の中はイベント準備のことでいっぱいだ。
そんなモヤモヤを抱えたまま、
少し早足で改良湯へ向かう。
到着して体を清め、いざサウナへ。
暗めのサウナ室。
湿度もしっかりあって、体にまとわりつくような熱。
これだ、この感じ。
早い時間だからか、サ室には少し余裕がある。
落ち着いて座り、ゆっくりと呼吸を整える。
ロウリュが入る。
じわっと熱が降りてきて、発汗のギアが一段上がる。
背中、腕、額。
一気に汗が噴き出してくる。
イベントの段取り、足りない準備、
頭の中で渦巻いていた雑念が、
汗と一緒に外へ流れていく。
しっかり熱を受けてから水風呂へ。
冷たさが一気に体を引き締める。
そして、外気浴。
ふっと体が軽くなる。
さっきまで張りつめていたものが、少しほどけた気がした。
「ああ、来てよかった。」
そう思えるだけで、もう十分だ。
帰り際、アウフグースに遭遇。
綺麗なタオルさばき。
見ていて気持ちがいい。
風と一緒に熱がしっかり届く。
これは嬉しいサプライズだった。
名残惜しいが、時間はギリギリ。
体も心も整ったところで退出する。
また来るぜ、改良湯。

続きを読む
17

たくひ

2026.02.28

8回目の訪問

巣鴨湯

[ 東京都 ]

【すがもん】

昨日の不完全燃焼を、今日こそは取り返すと決めて。
向かったのは、巣鴨湯。

暖簾の前に立つと、「全の湯」のポスター。
まさかのコラボ、2日連続。
最後の銭湯クーポンを使い切りながら、東京都にちょっと感謝する。
またやってくれたらいいな、なんて思う。

入口にはサウナ待ちの案内。
とはいえ2番目。5分ほどで入湯。
人気銭湯らしい賑わいだけれど、サウナの中は思ったより落ち着いている。
時折満室にはなるが、外気浴もほどよい循環で、流れは悪くない。

今日は長めに。
昨日の足りなかった分も含めて、じっくり汗を流す。

12月は、わが家にとって鬼門だ。
家が燃え、ある年は救急車が来て、違う年は父が事故に遭った。
その父が亡くなり、1年2ヶ月。
父が営んでいた店を母が引き継いだけれど、諸事情で畳むことになった。
店を閉めて2ヶ月。
いろいろと、胸に溜まるものがあった。

だから今日は、長めに、たっぷりと。
汗と一緒に、少しずつ外へ出す。

最後に全シャンプーで頭を洗い、湯船にゆっくり浸かる。
力が抜ける。
今日はきっと、よく眠れる。

帰り際には入場待ちが長蛇の列。
2時間待ちとのこと。
ほんの少しの差で、いいタイミングに滑り込めたらしい。
それだけで、なんだか運が戻ってきた気がした。

続きを読む
25

たくひ

2026.02.27

10回目の訪問

改良湯

[ 東京都 ]

【全の湯】

年明けの周年イベント。
全三回、応募して、全て落選。
少し大げさだけれど、ほんの少しだけ落ち込んだ。

欲しさが勝って、メルカリを覗いてみる。
けれど並ぶのは転売価格。
さすがにそこまでは、と画面を閉じた。

仕事は相変わらず慌ただしい。
右往左往しているわりに、大きくは進まない。
そんな夜は、ついSNSを眺めてしまう。
新しい癒しを探すように、指だけが動く。

そのとき目に入った、改良湯の周年タオル、ネット販売の文字。
ちょうど、そろそろ行きたいと思っていたところだった。

店頭販売もあるのか確かめると、
「全の湯」コラボ最終日。
巣鴨湯で嗅いだ、あの心地よい香り。
さらに、変わり湯は岩下の新生姜湯だという。

青とピンクのコントラスト。
やわらかく湯気ににじむ色。

疲れていたせいか、
サウナも、湯も、整いも、いつもより深く感じた。
気づけば時間が、静かに溶けていた。

疲れすぎていると、時間は足りなくなる。
そんなことを、ぼんやりと思う。

それでも、確かに軽くなった。

周年タオルを手に、
香りに包まれて、
新生姜のようにほんのり桃色になりながら、
改良湯をあとにした。

続きを読む
15

たくひ

2026.02.19

6回目の訪問

COCOFURO かが浴場

[ 東京都 ]

【ドリーマー】

いい会にしたい。
ただ、それだけだった。

できることなら、誰も置いていかずに。
波風を立てずに。
それでも前へ進めたら、と。

けれど、どうやら目指していた景色は、少しだけズレていたらしい。
同じ方向を見ているつもりで、歩幅が違っていた。

熱量は、ときどき凶器になる。
良かれと思った加速が、誰かのブレーキになる。

ならば、いったん引く。
前に出るより、支える側へ。
“ヤル気のある無能”くらいが、ちょうどいい。

悔しさと諦めのあいだで、
自分のサイズを測り直す。

逃げるわけじゃない。
ただ、整えたい。

向かったのは cocofuroかが湯。
熱と蒸気のなかで、余計なものを脱ぎ捨てたかった。

今日のセトリは、
THE BLUE HEARTS の「夢」、
そして ラッツ&スター の「夢で逢えたら」。

“夢”。

そんな日に限って、胸の奥をえぐる選曲をしてくる。

最上段。
滝のような汗。
鼓動が早いのは、熱のせいだけじゃない。

「夢」は、やっぱりかっこよかった。
でも、夢は短い。
ファンが本気で回る前に、音は終わった。

ああ、そうか。
夢って、だいたい途中で目が覚めるんだ。

熱さに追い込まれながら、
心の中で「夢」と「リンダリンダ」を勝手に混ぜて叫ぶ。
もはや何と戦っているのかも分からない。
それでも、負けたくなかった。

別の回で流れた「夢で逢えたら」。

もしやり直せるなら、どこからだろう。
あの日か。あの言葉か。
それとも、もっと前か。

汗と一緒に、何かがこぼれそうになる。
涙なのか、未練なのか。
感情が迷子になる。

外気浴で、ようやく呼吸が戻る。
世界は思ったより静かで、ちゃんと回っている。

サウナは、汗だけじゃなくて、
言い訳とか、強がりとか、過剰な理想とか、
そういうものも一緒に流してくれる。

残ったのは、
少し軽くなった自分。

ぬる湯につかりながら、
気づけば考えているのはお昼ごはんのこと。

人間なんて、その程度でいいのかもしれない。

ソフトクリームに後ろ髪を引かれながら、
また夢を見に来よう、と決める。

夢は短い。
それでも、何度でも見る。

それがドリーマーだ。

続きを読む
32

たくひ

2026.02.14

7回目の訪問

巣鴨湯

[ 東京都 ]

【ほかほかもかも】

久々に巣鴨湯へ行こう、とふと思い立つ。
いつも通り西巣鴨から、てくてく歩く。
今日は天気もいい。気温もやわらかくて、なんとも助かる。
こういう日の散歩は、それだけで少し得をした気分になる。
巣鴨地蔵通りでは、なにやらイベントをやっているらしい。横目に眺めながら通り過ぎると、巣鴨湯でもコラボイベント中とのこと。
「seika 全シャンプー&コンディショナー」
嬉しい。いいシャンプーが使えるのは、それだけで小さなご褒美だ。
今日は荷物もコンパクト仕様。
そもそも巣鴨湯は、シャンプー・リンス・ボディソープ完備なのがありがたい。
250円OFFクーポンを使って、
入浴料300円+サウナ450円=計750円。
よし、脱衣からのIN。
まずは体を洗い、そしてお楽しみの洗髪タイム。
ふわっと広がる、不思議でやさしい香り。ああ、さっき浴室に入った瞬間に感じたのは、この匂いだったのか。
髪をもこもこと泡立てる。なんだか楽しい。
コンディショナーは香り控えめ。でも、指通りがするすると軽い。
乾いたら、きっともっといい感じだろう。
これ、いいな。
ほのかな香りをまとって、いざサウナへ。
たまたま空いていた上段へ。
しっかり蒸されてからのロウリュ。
あぢぢぢ。
背中に熱が集まり、発汗ギアが一気に上がる。
湧き上がる汗とともに、余計なものも流れ落ちていくようだ。
不感湯でゆったり緩めて、リスタート。
今度は中段へIN。
がっつり発汗、水風呂、そして外気浴。
ほやほや。
さいこう。
いろいろ嫌なこともあったけれど、久々のサウナでちゃんとリフレッシュできた。
もう1セット入って、最後にもう一度あのシャンプーで洗う。
香りとともに、今日のもやもやもさっぱり。
すがもん、ばいばい。
また来るね。

続きを読む
24

たくひ

2026.02.06

9回目の訪問

改良湯

[ 東京都 ]

【時間の重み。】

遅くなった投稿です。。。
ちょい欲しすぎたタオルが当たらなくて。。。あんど忙しすぎて。

改良湯様、110周年おめでとうございます。
110年間、地元から幅広いファンの皆様に愛され続けてきた、本当にすごい銭湯。

110年って、すごい時間だよなぁ。
いろんな時代を越えて、いろんな人の一日を受け止めてきた場所。

何気に前々回が年内初だった。
周年イベントがあるからと、ちょっと温存してしまっていたけど、
時間はちゃんと流れていて、気づけばもう年度末。

現在、絶賛年度末進行&イベント準備でめちゃくちゃやばい。
そんなバタバタの中でも、ここに来たくなる。
周年タオルが欲しすぎる、っていうのもあるけど(笑)

3回目来ているってことは……はい。当たっておりません。とほほ。

周年イベント最終日にもやってきた。
体を洗い、この日はイベントのルイボスティーの湯でしっかり温まる。

そして let’s サウナー。

久々のアウフグース。
ダンサーをやっているというお兄さんが、丁寧に大きいうちわで仰いでくれる。
めちょよき。気持ちよすぎる。
ダンサーさんらしいノリの良いダンスミュージックが、熱と一緒に身体に入ってくる感じ。

最後はブロワーで室内を一気に撹拌。
ラストにグワッと体感温度をぶち上げてくれて、汗が一気にあふれる。

110年積み重ねてきた時間の中の、
ほんの数十分の自分の時間。

それでも、この時間があるからまた頑張れるんだよなぁ。

もちろん最後の最後にガラガラは外れましたぁ〜。
…来年こそは(あるのか???)

続きを読む
7

たくひ

2026.02.04

8回目の訪問

改良湯

[ 東京都 ]

【改良湯周年記念2】
今回も
時間が足りない為。
覚え書きくらい。

サウナ4セット
エプソムソルトの湯


周年タオル抽選はハズレ。2回目。涙

続きを読む
8

たくひ

2026.02.02

7回目の訪問

改良湯

[ 東京都 ]

【改良湯周年記念1】
今回
時間が足りないなぁ。
覚え書きくらい。

サウナ4セット。久々よかった。
中温も最高で青春の湯がさわやかでよかった!


周年タオル抽選はハズレ。

続きを読む
6

たくひ

2026.02.01

5回目の訪問

ときわ健康温泉

[ 東京都 ]

【大切なもの】

今の私には、毛がない。
頭髪の話ではない。齢四十そこそこで、ど金髪ではあるが、そこはまあ別件だ。上司には驚かれたけれど。

そう、眉毛である。

一度、眉毛を剃ってみたかった。
ずっと心のどこかにあった、ささやかな野望だ。

娘には「それはやばい」「やめた方がいい」と、もっともな忠告を受けていた。
眉毛まで金髪になり、しかしその伸びるスピードが異常に早い。黒と金がまだらに混じり合い、もはや収拾がつかない。

──これは、いい機会ではないか。

そう思って、剃り落としてみた。

家族の反応は……あれ?
思ったほどではない。
違和感がほとんどないらしく、ごく自然に受け入れられている。
サウナとあまり関係ないと思われているのかもしれない。

だがしかし。

サウナに入り、汗をかいた瞬間、事件は起きた。

汗が、目に直通運転である。

「いらっしゃせーーー!」

威勢のいい掛け声とともに、ダイレクト入汗。
これがまた、痛い。
頭を洗えば、一日分の頭髪の汚れが、これまたダイレクト入目。

その瞬間、理解した。
思っていたより、眉毛は必要な存在だったのだ。

ときわ健康温泉。
サウナにじっくり焼かれながら、その事実を噛みしめた一日。

そして、温泉を楽しみ、非加熱の冷鉱泉を味わい、静かに退店した。

続きを読む
18