名門さん

2020.11.10

1回目の訪問

ひどく冷え込む霜月の夜。
ベランダでヤニを蒸していると
遠くに目に入る湯吉郎の看板。
吸いかけのヤニもそこそこに
気がつくと私は暖簾をくぐっていた。

都内に住んでいるとあまり気づかないが、
地方のサウナではコロ助対策に息巻いている店はさほど多くない。
しかしながら湯吉さんは入り口券売機前にAI式検温機材が2台、
コロナ脳の私にも安心の設備である。検温が完了するとピローンと
なんとも心地いい機械音、AIにあんたは大丈夫と太鼓判を押されたようで
サ室への勇み足に拍車がかかる。昨今は猫も杓子もAI様である。

そんな前置きはさておき、早速本殿に入場。
平日夜ということもあり、客はまばら、DQNも
あまり居らず、守山区の某店(竜○泉寺)と比べると
幾許か心許すatmosphereである。

洗髪、洗体を済ますと、
サ室に向かいたい気持ちをぐっとこらえ、まずは露天へ向かう。
相変わらず大人気の炭酸風呂には目もくれず、岩風呂へ直行。
こんな寒い日には熱い湯と相場は決まっている。
そもそも私は炭酸泉を風呂として認めていない。
認めているのは某キャナルリゾートの炭酸水風呂だけである。
キャンタマへの痛快な刺激は言わずもがな、
羽衣さえ纏うことを許さない炭酸攻撃は筆舌に尽くしがたい。

話が横道にそれたが、体が温まった私はサ室へ向かう。
安定の熱量、それでいて苦しく感じない、さすがは湯吉さん。
両サイドに設置されたコンフォートサウナにはサ石が積まれており、
遠赤外線効果が倍増、それに加え、中央に一台アロマ発生装置ストーンが鎮座。
鎮座ストーンから適時発生するアロマの香りは鼻っ柱を突き抜け、脳天まで
お花畑モードに誘ってくれる。入室から3分も経ってはいないだろう、
腕はしかり全身から大粒の朝が吹き出すのを感じる。
汗粒が全身をなぞるのを感じるこの感覚は何物にも代え難い。
これほど大粒の汗が噴き出すのは御徒町プレジ、上野北欧、中野松本湯くらいだろうか。
そんなことを考えていると3セット終了していた。安定の整い。

今回私が伝えたいのはサ室の素晴らしさはもちろんだが、
この夜私がサウナー人生で初めて体験した現象、
通称「サ室泣き」である。

サ室内といえば摂氏100℃近い極限の環境、交感神経が高まり、
心臓が高速で拍動する、涙とは無縁の環境である。
偶然さんが吉野湯で泣いておられたのが例としてあるように、
サ活において、リラックスや感動という感情は副交感神経優位に
ある時というのが常識である。しかしながらこの日は違った…(つづく)

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