【閉店】山の湯
銭湯 - 東京都 豊島区
銭湯 - 東京都 豊島区
♯新規開拓/累計273施設目
5月15日をもって65年の歴史に幕を下ろすことになった『山の湯』さん。日頃からやり取りさせていただいている皆さんのサ活を拝見して、閉店までに一度は訪れたいと心に決めていた銭湯。
要町駅からの道のりは静かで、人通りは少ない。細い路地をいくつか抜けると、ひっそりとした灯りに照らされた「山の湯温泉」という看板が目に入る。
「ジブリ」と表現されている方がいるのも頷ける。味わい深く、独特の世界観を持っている。吸い込まれそうな、どこかにワープしてしまいそうな、そんな不思議な魅力を秘めている。
入口からして男性と女性が分かれている。番台さんがいる銭湯は久しぶりだな。脱衣所の空気感もやっぱり凄みがある。置いてあるソファ・掛け時計などの家具はレトロで趣がある。
棚には常連さんのお風呂グッズが並ぶ。長く地域の方に愛されてきたんだろうな、としみじみ思う。初めましてだけど、今日はそんな歴史を感じながら、存分に楽しもう。
擦り戸をガラッとやる。目に飛び込んでくる瓢箪型の湯船はバスフレンドのラベンダー風呂。淡い藤色の優しい色合い。真ん中に仕切りがあって、手前側のぬる湯のバイブラは故障中のようだ。
水瓶を肩に背負った小さめの裸婦像は年季が入っており、塗装が剥げ落ちている。奥側の浴槽は湯温高め。45℃くらいはありそうだ。
♯サウナ
よもぎ漢方スチームサウナと名付けられた奥に広いサウナ室。タイル地の座面はストレート一段掛け。同時に5名は座れるサイズ。室温もそれなり。
入口付近にシューシューと音を立てる無骨な銀色のストーブがあり、洗濯ネットに入れられたよもぎがそっと掛けられている。蒸気によって溜まった水滴が天井にビシッと並ぶ。
♯水風呂
水風呂はなし。立ちシャワーにて身体を冷やす。固定されたオーバーヘッドシャワー。マイルドなスチームサウナの後なので、水風呂はなくとも、大きな問題にはならない。
♯休憩
浴室内の好きな場所で休む、もしくは身体の水滴を拭き取った後で、ひんやりとした脱衣所にて休憩する。
アド街を眺めながら、先述のレトロなソファに深めに腰掛けて目を閉じる。慌ただしく過ごしていた昨日までの日々とは打って変わって、ゆったりと時が流れる。
カランのシャワーは固定式にも関わらず、暴れまくって落ち着かなかったり、脱衣所のトイレの扉は立て付けが悪く、相応の力を入れないと開かなかったり、そこらかしこに年季は感じるのだけれど、それも長年働いてきた証拠。
心の底からお疲れさまでしたと、お伝えしたい。身も心も温かくなって、名残惜しさを感じながら施設を後にしました。
詩的で素敵なコメント、ありがとうございます。本文では触れませんでしたが、壁一面のタイル絵も見事で、思わず時間を忘れて、見惚れていました。
一帯に広がる不思議なオーラというか、何というか。タイル絵は七尾湾の雄大な光景が見事でした。時代の移ろい、悲しいですね。
必見の古き良き銭湯です。是非!
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