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「吉原炎上とスカイツリー」

鶯谷駅からタクシーに乗り、関東最大の大人の入浴施設が立ち並ぶ、煌びやかな看板と電飾、このご時世少し寂しい人通りの中を通り抜け、吉原大門の交差点を抜ければそこにあるのが「湯どんぶり栄湯」だ。

事前の調べで銭湯サウナとしては優秀だということがそこはかとなくわかっていたが、入って見渡した瞬間に「これはかなりのハイスペック！」とすぐに理解した。

お風呂はジェット、電気、バイブラ、高濃度炭酸泉、薬湯、白濁した露天、どんぶり風呂と好きなものオンパレード！(贅沢言えば熱湯があればコンプリート)
体温より少し低い高濃度炭酸泉は身体に良い影響を与えることしかしてない感覚になれるし、漢方の薬湯は肌に優しく嗅覚から精神リラックスを与えてくれる。

お風呂だけでも満足感強い上に、更にサウナでご機嫌になれるなんて贅沢。
改装前を知らないからなんとも言えないけど、銭湯サウナとしてクオリティーがめちゃくちゃ高い！まぁまぁの熱さ92℃、ピンクサファイア岩塩の効能はよくわからないが、先程通ってきた大人の入浴施設を思わせる妖艶な光が雰囲気を醸し出してくれる。更に下段に座れば窓の先には申し訳程度にスカイツリーの一部が眺めれる。

あぁロケーションって重要な一部だよなぁ。

しっかりアツアツになった身体を美泡水風呂で冷却。サ室からの導線も良い。シュワシュワの中に身を投じている時、シャンパンの中に入れたフルーツの気分になって全身と脳内がちょっとセレブになれる。水風呂はやっぱりバイブラありがいいし、泡が細かければ細かいほど最高！

露天内にある椅子に腰掛け、ギリギリ見えるスカイツリーを見ながら、吉原炎上から川に飛び込んで助かり、吉原を眺めていたかたせ莉乃の気分がほんの少しだけ味わえた。熱さから逃れ水に飛び込んでいくのはまさしく同じ。
人間の滅んでいく描写が秀逸な吉原炎上の監督五社英雄氏とは全くの逆、若旦那が監督する栄湯はどんぶり一杯にご機嫌にしてくれる要素しかない！

締めは露天でゆらゆらして心身共にチルアウト。極上の施設でした。
(あぁ！肝心のどんぶり風呂入るの忘れてた！)

一緒に行ったサフレに店を出た後、開口一番「めっちゃ良かった！」が完全にシンクロしました。

サ：10/12/12
水：3×3
休：5×3
計3セット

あと水曜定休なので水曜サ活はできませんよ。あしからず。

私の身体は日本人としてのDNAが色濃く染み付いているのかもしれない。

一月二十日大寒

一年で一番寒くなるという季節に身体を温めようとする行為は必然だったのだろう。古の先人達も暦を決める際には暖をとったに違いない。

そんな日に出向いたのは鶯谷「宝泉湯」

鶯谷特有の男女がホットになれるスポットを横目に少し歩いた先にある老舗銭湯サウナ。近辺のサウナ施設の中でも人気があるとは言えないだろうが、日本人的な情緒を得ようとするにはちょうどいい施設だ。

受付を済ませ浴場内に入ると壁面にボッティチェリのヴィーナスのタイル画が出迎えてくれる。オーセンティックな銭湯といえば富士山などの和風な壁画なんだろうけど、何故か洋風なところにアンニュイなミスマッチを感じさせる。ただ個人的には20年以上のAdobe Illustratorユーザーなので馴染み深いと共に、私のパーソナリティさえも歓迎してくれると勝手に解釈してしまう。

颯爽と身体を清め、冷えた身体をまず浴室でアイドリング。ジェット、電気、室内露天風呂もどきの薬湯と申し訳程度のチョロチョロミストを一通り味わい、軽く水通しをしていざサウナ室へ。

入った瞬間わかる。

ザ・銭湯サウナ！強気のカラカラ熱々！
2分も過ぎれば見事な玉汗が全身にほとばしる。但し、キツめの室内設定を和らげてくれるのは銭湯サウナとは思えないほどに広い座面。ゆったり胡座をかいてもまだ余裕があるほどの広さ。これは助かる。

ハードセッティングとは裏腹、水風呂はぬるいと思えるほどに優しいバイブラなしの20〜22℃。途端にやってくる羽衣も、薄くて高級なシルクを纏うというより、老舗和風旅館の布団に包まれている安心感。

昭和の頑固親父のような厳しさと、何も言わずとも受け止める母親との間に育つ子の気持ちにさせてくれる。

願わくばととのい椅子や休憩できるようなスペースが在ればいいのだろうけど、多くを望む必要はないだろう。

ここは「宝の泉の湯」宝泉湯。
日本人のDNAを再確認させてくれる場所。
（壁画だけは洋風だけど・・・）

サ：10、8、8、8
水：3×4
休：5×4

身も心もスッキリし、寒空の中温まった身体が冷える前にホットスポットにエスケープするのもこの街らしいかもね...。