せいじ

2024.08.11

1回目の訪問

ととのうとはなんだろうか。
私は、自分の輪郭が曖昧になり、世界に溶けていく感覚を覚えることだと考えている。

そんなととのいを求めて、今まで数えきれないサウナに訪れてきた。
関東圏の有名どころは老舗から新しいものまでかなりの数を訪れてきたつもりだ。
地方ではしきじ、湯らっくす、ウェルビー、大東洋、etc。
その他、各地のスーパー銭湯や個室サウナ。
薪サウナから氷の張ったプールに飛び込むこともあった。
どのサウナにも趣きがあり、オーナーや運営者が考えたととのいがある。
しかし、あまりにも多くのサウナを訪れるあまり、サウナ施設に対する感動が薄れてきていた。
そんなタイミングで訪れたのが、かたしな高原のしらかばサウナだ。

そこには、唯一無二のととのいがあった。

誤解を恐れず言えば、前述したようなサウナ施設はセットを重ねることで身体を反応させ自らの状態を「ととのい」に引き上げる装置である。
しらかばサウナはそうではなかった。
標高1000mを越えるスキー場の中腹にあるこの施設でのととのいへの移行はとてもナチュラルだった。

しっかり熱いサウナでは、白樺アロマでのロウリュを楽しみながら、大開口の窓から山々を望む。
水風呂は湧き水掛け流し。入水しながら浴びながら飲める、しきじスタイルの最高に贅沢な体験。
そして極めつけはととのいスペース。焚き火の前で、インフィニティチェアに座り、川のせせらぎや虫の声や聞きながら、風を感じ、木々の合間から満天の星々を見上げる。

すると、自分という個が世界に溶けていく瞬間がゆったりと訪れる。
激しい刺激を体に与えて感じるととのいとは対極の感覚だ。
それは、元来、私たちが自然の一部であるという当たり前のことを思い出させてくれるプリミティブな体験だった。
ゆっくりセットを重ねた後は、焚き火を囲みながら、ぽつり、ぽつりと話をしよう。
それはきっと忘れられない夜になるはずだ。

かたしな高原のしらかばサウナは、大切な人と訪れるのにぴったりの場所だった。

0
2

このサ活が気に入ったらトントゥをおくってみよう

トントゥをおくる

トントゥとは?

ログインするといいねや
コメントすることができます

すでに会員の方はこちら

サウナグッズ

アプリでサウナ探しが
もっと便利に!

サウナマップ、営業中サウナの検索など、
アプリ限定の機能が盛りだくさん!