ひらふ亭
ホテル・旅館 - 北海道 虻田郡倶知安町
ホテル・旅館 - 北海道 虻田郡倶知安町
ここに来るたびに、どうしてこんなに整いやすいのか不思議だった。ロウリュはできず、サウナ室のベンチは杉材で割れて反りかえってるし、床を覆いきれていないタオルの交換は頻繁ではないし、水風呂は二人入れるがそれほど冷たい訳でもない。サウナの温度はストーブの機嫌次第である。
だが今日確信した。今まで何の気無しに結局毎回整っていたが、その要因はサウナ室と水風呂以外に存在するのだと。
ここの露天風呂、椅子はないので外気浴をするなら風呂のヘリか、角にある幾つかの小石が半分顔を出す小さな三角形のスペースしかない。だが、そこに腰掛けて瞑想してみてほしい。2つの水の音が聞こえる筈である。天井から反射するように聞こえる遠くの川の音と、近く露天風呂に注がれる温泉の音である。この異なる距離から包みこむ二つの水の音と、ほんのり温まる腰掛け岩と丁度良い風により、いとも簡単に整えるという訳だ。おそらく精密な検査をすれば聴こえる周波数が胎児が聞いているのと同じだとか、可聴域外の特殊な振動であるとか、それらしい根拠が付けられるのだろう。そう思えるくらい整える、素晴らしい施設である。
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