2020.08.17 登録
[ 北海道 ]
「ひまわり温泉のサウナがフィンランド式にリニューアルされたらしい」
そんなウワサを耳にしてgoogleマップで調べてみると、自宅から車で5分の住宅街の中にひまわり温泉はあった。
施設は年季を感じさせるものの、キチンと清掃が行き届いている。
サウナ室はセルフロウリュが出来るようになっていた。先月リニューアルされたらしい。
柄杓でサウナストーンに水をかけると、弾けるような音と共に蒸気が立ち込めた。
ストーブとの距離が近いせいか、汗が吹き出るまでのスピードが尋常ではない。
水風呂もキリッと冷えている。おそらく16度くらいではないだろうか。帰ってから調べてみると、地下水をかけ流しにしているとのこと。気持ちいいはずだ。
外気浴スペースにはととのいイスが4つ。住宅の中にあるとは言え、帯広には高い建物がない。星空を眺めながら、気持ちよくととのった。
これで450円。銭湯価格。サウナの追加料金はかからない。これなら毎日通うことだって出来る。
かつて、僕にサウナを教えてくれた先輩が「サウナは日常だから」と言っていたのを思い出した。
数年前、東京に住んでいた僕はサウナの魅力にハマり、有名なサウナ・スパ施設に片っ端から行きまくっていた。
そして、先輩に「あそこのサウナストーブは〇〇製で〜水風呂と外気浴の動線が××で〜」と得意げに報告していた。
「先輩も絶対行った方がイイっすよ!」と語る僕の話を聞きながら、先輩は「私にとってサウナは日常だから」と言った。
「スパ施設に行ったら、1000円以上かかるやろ?そうなると毎日行けない。私にとってサウナは特別なものじゃなくて、生活の一部やねん」
先輩は銭湯のサウナをこよなく愛していた。何なら、セッティングがイマイチの銭湯サウナで如何にととのえるか…という「銭湯サウナ道」に邁進していた。
当時の僕は「そっか〜スパ施設のサウナの方が絶対セッティングいいのになぁ」と思っていた。
しかし、最近になって先輩の言っていたことが少しわかってきた。
生きていると色々ある。うまくいかない日もある。そんな日でも、1日の終わりにサウナに入ると少し救われる。サウナに入ると、1日に区切りがつくような気がする。
スパ施設の値段設定だと、普通のサラリーマンにとって毎日行くことは難しい。そうなると、知らず知らずストレスを溜め込んでしまう。
サウナを日常にするーそれは生きる知恵なんじゃないかと思う。
ひまわり温泉から車で5分。帰宅して飲んだ麦茶が、いつもよりおいしく感じた。
男