文化浴泉
銭湯 - 東京都 目黒区
銭湯 - 東京都 目黒区
明日から台風ということで、風に負けない心と体を手に入れるために今日も文化浴泉ライドオン。
自由を愛する者の正装、それは全裸です。ジメジメした風を浴びてベタベタの服を脱ぎ捨てます。
今日はナノバブル湯ではなく、よもぎ湯。薬湯が体に染み渡ります。一度脱衣所へ戻り、体を拭き少し休憩です。
脳内BGMはボブディランblowin' the wind、扇風機の心地よい風が心を揺らします。
「サウナに、入るぞ。」
サ室はいつもより高めの90度、玉のような汗をかきます。
男たちはみなこれから入る水風呂を、真剣な面持ちで待っています。サ室はさながら、コスモへの待合室。これから訪れる高次元体験への不安と期待がうずまきます。
…時は熟しました。文化浴泉の醍醐味、水風呂へ。水風呂は体に蓄えた熱エネルギーをバイブラがほぐしてゆきます。
水風呂は恋愛と同じ、メリハリが大切なのです。後から入ってきた若者たちが、奇声をあげて出て行きます。あれは初恋のようなものです。大抵うまくは行きません。
ととのいイスでセッションを開始します。
ととのいの4段階は、良いサウニングのときほど明確に現れます。ギュルギュル、どくどく、雑念、そして、コスモ。
自分は所詮ただのDNAの運び手、ニヒリズムに似た虚脱感と真理に至る安心感が包みます。
その昔、風呂とはサウナのような蒸し風呂を指したそうです。中国から日本に仏教の教えとともに伝来しました。
フィンランド文学では、英雄はサ室で聖母マリアと遭遇します。
人間は常にサウナと共に歴史を歩んできました。サウナを通じて人類は、神々とも呼べる共通の概念へと触れることができるのです。
世界の真理は、サウナに詰まっているのです。
…ハッ…紀元前まで意識が遡ったところで帰ってこれました。
アメニモマケズ、カゼニモマケズ、台風を乗り切るぞ。強い気持ちと共に家路につきます。
男
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