蒸スカ

大型連休中とはいえ平日だったため混雑具合はやや混んでいる程度。おかげで午後のアウフグースは抽選なしで入ることができた。担当熱波師は今月に熱波師デビューを果たした期待のルーキーAya師。熱波もさることながら外気浴場での冷風師としての活躍ぶりもナイスな熱波師だ。細かいことを気にせずにどんどん場数を踏んでいってほしいと願う。良きととのいに感謝。

連休初日にも関わらず駐車場はガラガラでハニカムサウナに一人だけになるタイミングが何度かあった。今週は男湯の内サウナがスチームサウナの週だったのが原因とにらむ。良くも悪くも真面目で堅実なスチームサウナゆえ男性常連客にはいまいち不人気なのだ。しかし明日からいよいよドライサウナのターンに入る。常連客が戻ってくるぞ。心してかかれ。

ikiストーブとボナサウナのダブル熱源で蒸してくれるパワフルなサ室だ。スピーカーからソルフェジオ周波数の電子音がモワ〜ンと流れておりikiストーブのトタタタタという加熱ノイズと合いまってちょっとしたエレクトロニカサウンドを聴いてるようなトリップ感が楽しめる。さながらOvalやレイハラカミ氏の楽曲に通じる浮遊感。もちろんikiストーブの醍醐味であるロウリュも可能。ラドルで水をかけた後は砂時計をひっくり返すという暗黙のルールがあるのでお忘れなく。これは連続ロウリュでサ石を冷しすぎないための目安であり言うまでもなく砂時計の砂が無くなるまで次のロウリュはおあずけだ。

受付の際にサウナを利用する旨を伝えると尻の下に敷くビート板を貸してくれる。これを借り忘れると後でピンチになると思った方が良い。サ室に設置された年季の入ったベンチには所々釘の頭が浮いてる箇所がありうっかり尻に触れようものならブルースリー張りの奇声を上げてしまうこと間違いない。ホ熱チャァ！よりによって尻に当たる位置に金属製の釘が使われているというトリッキーな仕掛けに腰を浮かせて驚くことだろう。ちなみに私はこれで三回ほど天井まで飛び上がった。

相変わらず露天に整い椅子は設置されていない。ここまで徹底して利用者の要望を無視する姿勢に施設側の強い拘りと意地を感じる。貴様らにテンプレ通りの整いをさせてたまるか。床に寝っ転がって外気浴しやがれ。そう怒られている気分になりつつも単純にサウナに理解がある従業員が居ないだけなのだろう。山一つ越えた先のホームセンターで整い椅子を買ってくれるだけで良い。聞いているか、きんぱち先生。今はただ海に向かって3年B組と叫ぶほかない。

一昨日、初回でサ活をしたものの週末の大混雑と重なりととのえないまま戦線離脱。これは何かの間違いだ。こんなはずがない。今度こそバッチリととのってみせるぞと満を辞して平日の空いている時間帯にリベンジ。今日は今日とてサ室でぺちゃくちゃ喋る先客とエンカウント。設備や内装デザインは非の打ち所がないおハイソな施設だが、それゆえにパリピ客とのエンカウント率が異様に高いのかもしれない。こればかりは運が悪かったとしか言いようがない。今度来る時こそ良い思い出を残したいと切に願う。

四角い網カゴにぎっしり石を詰め込んだ壁状のサウナストーブの前で蒸される。メトス社のイズネスを彷彿とさせる面構えだがどうやら他社の対流式電気ストーブのようだ。こいつが鎮座するサ室は30分置きに照明が赤一色になり送風機による凶悪な爆風が牙を剥く。滝の如く注がれるオートロウリュに加えすべてを蒸し尽くす爆風熱波の龍虎乱舞。うっかりしているとサウナハットが吹き飛ばされそうになる風圧だ。来るぞ。全乗組員に告ぐ、これより激しい熱波の嵐に突入する。各員衝撃に備えたまえ。私はこの熱波をサ室の竜の巣と呼んでいる。

男湯と女湯が週替わりで入れ替わるため今週は男湯がドライサウナ、女湯がミストサウナになっていた。どちらに当たっても問題はない。なぜなら両浴場とも屋外にバレルサウナがあるからだ。巨大なおみくじの筒をドテッと倒したような六角形の小屋にはサウナの名門HARVIAのストーブが鎮座している。バレルサウナといえば完全予約制のイメージがあるがこの施設では予約なしの日帰りで利用できる点が嬉しい。それにしてもなんて良い香りなんだ。ヒノキの香りにふんわり包み込まれ私の瞼は次第に重くなっていく。目が、目が…。

外注の熱波師集団を中心とした村社会が形成されており、この輪の中に飛び込んで行ける者ならこれほど楽しいサ活環境はないことだろう。その反面、一人静かにサ活したい方や初めての県外客は若干の違和感と居心地の悪さを覚えるかもしれない。かくいう私もその少数派の一人である。キャラ売りに必死な熱波師が多いのはサウナイキタイのサ活投稿を見ても分かる通りだ。こうしたシガラミにさえ目をつむれば非常に良い施設だと言える。