観音山サウナ蒸寺
温浴施設 - 群馬県 高崎市
温浴施設 - 群馬県 高崎市
それは、町外れの古いサウナで聞いた噂だった。
山の奥深くに、悟りを開くと同時に、素晴らしい夜景が見渡せる場所があるという。誰もが口にするが、2024年8月中旬、そこにたどり着いた者はいないと言われている。
だが私は、その場所に魅了され、ついに決意した。手にした古ぼけたスマホの地図を頼りに、険しい山道へと足を踏み入れることにしたのだ。
町から一歩入山すると、すぐに周囲の空気が変わった。木々の陰が濃く、月明かりはほとんど遮られていた。まるで、現世から霊界へ迷い込んでしまったようだ。
木々の間を抜ける風は冷たく、耳元で囁くような不気味な音を立てていた。
途中、"道標"が示す通りに左へ進むしかない。
しかし、その道標さえも頼りなく、一歩一歩ゆっくりと進むようにアクセルを踏むしかない。
ここで間違えれば二度と帰れない(一通のため)。
そんな恐怖が背筋を這い上がる。
しばらく進むと、異様な静寂の中、何かが私を見つめているような気配が絶え間なく続いた。そのたびに、心臓が跳ね上がる。だが、ここで引き返すわけにはいかない。
さらにほんのちょっと奥へと進んだ先に、突如として小さな光が現れた。それは、サウナの光だった。
サウナ前に佇む小さな白衣観音が、私を静かに見つめていた。それは何も言わず、ただ目で私に悟らせた。
ここからは極暑の試練の始まりであり、耐え抜いた者だけがその先にある悟りと夜景を手に入れることができるのだと。
サウナに入り7分が過ぎ、体力も心拍も限界を迎えた頃、私は聖域"素晴らしい夜景の休憩スペース"にたどり着いた。
その場所は、異様な静けさに包まれていた。空気は澄み渡り、星も見渡す街も手に取れそうなほど美しかった。しかし、何よりも圧倒されたのは、聖域全体を包む目に見えない力"白檀のお香"だった。それは、あたかもこの場所を守る神聖なオーラであり、私を外敵からも、恐怖からも守っていた。
修行の毎セットは苦しく、何度も挫けそうになったが、そのたびに"冷水"と聖域のオーラが私を支えてくれた。
そしてついに、私はそのオーラを自らのものにすることに成功した。
心に宿る静寂と共に、私は悟りを開き、聖域のオーラで自身を守る術を身につけたのだ。
下山する道のりは、驚くほど穏やかだった。かつて私を震え上がらせた山道は、今や平穏なものに感じられた。聖域のオーラが私を包み、私は完全に守られていた。
そして、私は確信していた。この力を持って、街に戻れば、どんな障害も恐れることはないだろう。恐怖を克服した私は、これからの人生で無双することができると信じていた。
後続の旅人よ、
温度の値に舐めてかかると、痛い目見るよ。
男
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