せりか

2024.04.28

1回目の訪問

サウナ飯

「風呂こそ人の宝なり」

江戸時代初期に生きた銭湯技師、「風呂湯田 芹右左衛門(ふろゆでん せりうざえもん)」(1613〜1658)の残した名言です。

芹右左衛門の事はあらゆるメディアで取り上げられ、小学校の音楽の教科書にも掲載、昨年には映画「お〜湯ウェイズ 芹右左衛門の軌跡」が大ヒットし、更には「湯っちゃれ!せりうざえもん!」という漫画化もされている為、敢えてここで僕が語る事はありません。
そんな芹右左衛門の祖先である僕、せりかがこの銭湯を訪れた事は必然であったのかもしれません。

奈良県御所市にある銭湯、「御所宝湯」
ここにはその名の通りたくさんの宝が存在しておりました。

■外観。御所宝湯を正面から捉えた外観の素晴らしさ。瓦、のれん、壁、タイルの配色センスが抜群で、レトロ感を残しつつも、ここが綺麗で清潔感溢れる新しく蘇った施設である事を感じさせます。まさに屋(や)こそ「宝」

■接客。番台の方は、常連の方にはもちろん、僕のような新参者に対しても常に笑顔で気さくに接してくださいます。まさにお客様こそ「宝」と言わんばかりの素敵な接客に感動しました。客人ぬ宝

■静か。これが私が浴室に入って感じた第一の印象でした。この日はGW、決して人が少ない訳ではないのですが、誰もが黙欲を徹底しており、非常に静かで心地が良いのです。マナーの良い方ばかり。そう、誰もが理解しているのです。静寂こそ「宝」

■感覚。サウナ室にはテレビはもちろん、12分計や温度計すらもありません。ここでは誰もが何かに捕らわれる事なくサウナに集中する事ができます。まさに自分の感覚こそが「宝」だと言うことを教えてくれます。

■自然。ここには人類の叡智、インフィニティチェアは存在しません。整い椅子としてあるのは丸太の椅子のみです。ですがこの丸太の椅子、穏やかで暖かく、最高に座り心地が良いのです。人は木、即ち自然があるからこそ生きていける。自然との共存こそ「宝」

総じて、この御所宝湯にはたくさんの宝がまだまだ存在しており、その名の通りまさに宝箱のような素敵な銭湯なのでした。
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ここまでが私の何世代も前のご先祖様、せりかさんが綴っていた銭湯の記録です。
旧世代の遺物、スマートフォンという機械の中からデータを解析するのはとても困難でしたが、その甲斐がありました。

そのおかげで今私はこうして、何百年もの時を越えてご先祖様と同じ「御所宝湯」に来れたのですから……。

2285年4月 セリカ・カプチーノ

新地 入船

揚げ餅カレーうどん

いままで食べたカレーうどんのなかで一番おいしいよ。

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