てこみ

2025.05.10

2回目の訪問

館内に漂う心地いい香りに包まれながら、私はサウナに向かった。扉の先には、静寂と熱の世界が待っていた。やわらかな間接照明、無駄のない木の設え、そして奥から感じる、じりじりとした熱の気配。中に入ると、まるで時間が止まったかのようだった。木の香りがほんのりと鼻をくすぐり、身体をじわじわと包み込むような熱が皮膚に沁みてくる。ただ熱いのではない、五感に語りかけてくるような、心を洗うような熱だ。
「これが、かわら亭のサウナか…」
深く、静かに呼吸をするたび、日々の疲れや曇りが一枚一枚剥がれていくような気がした。汗が肌を伝い、床に落ちていく音さえ、心地よく響く。
限界まで熱を感じたあと、外気浴へと向かう。開け放たれた扉の先には、信じられないほど澄んだ空気。深く腰を下ろすと、さっきまでの熱が、冷たい風にほどけていく。「整う」なんて言葉では足りない。ただただ、世界と自分が、やっと一つに戻ったような気がした。
こうして、私のかわら亭のサウナは、静かで、贅沢な感動と共に幕を開けた。

てこみさんの神の宮温泉 かわら亭のサ活写真
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