2023.12.18 登録
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19時30分、アウフグースショーが始まった。修羅さんがテーマに掲げたのは「癒し」。熱波は強すぎず、どこか丸みがあって、心の奥のほうに静かに届いてきた。
「人それぞれ、風の受け方が違うんですよ」
「ええ、そうかもしれませんね」
僕は小さく返した。
ショーのあとは屋上で外気浴。風が思ったより冷たくて、ちょうどよかった。空を見上げながら、あの男の言葉を思い出していた。
20時30分からはミストサウナでピーリング。修羅さんが淡々と説明をしながら、どんどん蒸気を濃くしていった。視界は白く曇っていた。
「すごいですね、今日は」
別の誰かがぽつりと言った。
「ええ、今日は特に濃い気がします」
今度は少しだけ声に芯を入れて答えた。
そのあとはスーパーで軽く食事を買い、映画を一本観た。内容はあまり覚えていない。ただ、ラストシーンが少しだけ印象に残っている。
気づけば眠くなって、そのまま眠った。夢は見なかった。たぶん、必要なかったのだと思う。
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男は朝、ふいに目を覚ました。昨夜の酒がまだ身体のどこかに残っている。外は5月2日で、風が少しだけ夏のにおいを含んでいた。
ミストサウナに入る。視界はすぐに白く濁り、自分の手さえあやふやになる。音も遠ざかっていく。何かが始まりそうで、何も起きない、そんな空間。じんわりと熱が腹に届く。内側から、少しずつ輪郭が戻ってくる。
「もう大丈夫だ」と彼は思う。
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5月1日、初夏の朝。久しぶりにお酒を飲まずに眠ったせいか、目覚めが静かに澄んでいた。窓の外にはやわらかい光が差し、風が少しだけ揺れていた。
髪を洗い、体を洗い、歯を磨く。それからミストサウナに入った。濃い蒸気に包まれて、視界はほとんどきかない。でも、その曖昧さが逆に安心感をくれる。
熱はやさしく、呼吸が深くなる。じんわりと汗が出て、心もゆっくりとほどけていく。水風呂で静かに体を冷やし、朝食に納豆定食をいただく。
お酒を抜くだけで、これほど朝が穏やかになるとは思わなかった。5月の始まりにふさわしい、いい一日になりそうだ。
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サウナシアターで、お祭りショーが始まった。北島三郎の「祭り」が流れ、熱波師がタオルを振り回しながらリズムに乗っていた。最初、僕は思わず笑ってしまった。ただ回を重ねる毎に、あの力強い歌声と、熱風のうねりが不思議にマッチしてきた。
まるで知らない土地の夏祭りに、偶然迷い込んだような気分。熱は激しく、でもどこか楽しくて、身体も心も浮かれた。しかし、熱い!だからこそ、屋上の外気浴を堪能できた。
そのあとはミストサウナでピーリング。さっきまでの騒がしさが嘘のように静かで、肌をなでる指先が、すべすべになっていく感触を確かめる。
少し散歩🚶夜の空気は少し涼しくて、祭りの余韻がまだどこかに残っていた。いい夜だった。
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雨の降る夜だった。上着の裾が少し濡れて、靴の中までじんわりと冷えていた。そういう時は、黙ってサウナに入るに限る。温かい空気が肺に入り、じっとりとした汗が背中を流れ落ちていく。その感覚が、どこか遠くの記憶とつながっているような気がした。サウナから出て、タオルで顔を拭きながら「これで、ちゃんと眠れる」と僕は思った。そして、静かに眠りについた。
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