あきち

2020.09.16

51回目の訪問

ごゆっくりどうぞ。
なんとなくモヤモヤを抱えたまま車を枠に収め、自動ドアをふたつ通り抜けた先で吹き抜けの広いホールに響いた言葉。緩やかにカーブする階段で辿る。

紀の川に面した南向きの“河側“と和泉山脈を望む北向きの“山側”の浴場。どちらも劇的に素晴らしい眺めってわけではないけれど、日の入り、グラウンドのネット越しに連なる山々には心が奪われる。

清掃が行き届いた脱衣所を抜ける。入り口から向こう側までずっと浴槽が並んでいて、湯が巡る轟音は高い天井と御影石の床を往復する。洗い場の鏡や蛇口も輝く。こんな風になりたいと泡を擦り付ける。8PUSH!

電気風呂、水枕、シャワーブースの冷水、白タオルで拭き上げ。

#サウナ
三段掛けのガス遠赤ストーブの最上段に座るとしっかり熱い。地元のオジイもサウナーも満足できる良いバランスだ。湿度は低めだけど発汗は良好。室内は熱の匂いだけ。効能書きには魔法のような文言が飛び交っていた。ところで出るかどうか迷ってる時にガスが燃え盛って、室温が急上昇するのなんかは最高だ。灼熱が空間と身体の境界を曖昧にするから。

テルマリウムは落ち着く以外に言いようがないし、空いてる。

#水風呂
伏流水という響きが好きだ。それは青いタイルの中に満ちていた。いつも冷えているけど、いつも誰か浸かっているから入口側の水風呂まで歩かされる。サウナの横の小さな泉を独占できると幸せだ。円形のフチに身体を預けて大の字に寝そべりながら、窓の向こうの何もない暗がりを一分くらい見る。そういえば冬場に温度計が12℃を示していたときは痺れたな。

#休憩スペース
切り欠かれた屋根の下のデッキは雨も風もなんでも通過していく。椅子はない。そのかわりに腰掛けたり寝転んだり好きにできるのが素敵だ。胡座を組む。水音と虫の声と心音、あと少々のノイズが重なる。解像度が低下した身体に柔らかい風が混ざる。浴室に戻り、石のベンチの固さを確認する。

帰り道、堤防の道は夜風がもう寒かった。
みなさんも風邪など引かないように気をつけて。

  • サウナ温度 89℃
  • 水風呂温度 18℃
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