和合の湯
温浴施設 - 静岡県 浜松市
温浴施設 - 静岡県 浜松市
気温がぐっと下がった水曜日。
朝から強風が吹き荒れ、街の木々がざわざわと冬の訪れを告げていた。そんな寒さの中、私は迷うことなく和合の湯へ向かっていた。
これで3日連続の訪問。12月に入って、今のところ皆勤賞である。惹きつけられるというより、もはや引力。和合の湯には地球と同等の重力が働いている気がする。
館内に入ると、まず向かったのは食堂。
今日は早めの晩ごはんにしようと決めていた。注文したのは特製つけ麺。運ばれてきた瞬間、食欲を刺激する香りがふわりと立ち上った。魚粉たっぷりの濃厚なつけだれに麺を潜らせると、しっかり絡んで離れない。その一本一本に旨味がまとわりつく感じがたまらない。和合の湯に来てまで麺に感動するとは思わなかったが、美味しい食事もまた魅力のひとつだ。
腹ごしらえを終え、いざ浴室へ。
身を清め、まずは炭酸泉へゆっくりと身を沈める。気温が下がった日ほど、炭酸泉の柔らかな温かさが体に沁みる。外の強風とは裏腹に、浴室の湯気は静かに漂っていて、張り詰めた心が少しずつゆるんでいくのが分かる。
そしていよいよサウナ室へ。
扉を開けた瞬間に押し寄せる、あの昭和ストロングな熱。
遠赤ストーブの力強い熱は今日も健在だ。派手な演出やイベントはないのに、なぜこれほど満足度が高いのだろう。
最近は“一周回って何も足さないサウナの良さ”に気づき始めた。熱に集中できるのが、和合の湯の魅力なのだ。
しっかり蒸されてから水風呂へ。
シャキッと冷たい水が一気に全身を包み込み、思わず息が漏れるほどの爽快感。気温が下がったせいか、いつもより一段とキレがある。冷たいのに気持ちいいという矛盾が、水風呂の魔性である。
そのまま露天へ向かう。
中庭のような造りの露天スペースに出ると、強風がほんの少し残り香のように吹き抜けていった。寒さと湯気が混ざり合い、季節の境界線に立っているような不思議な感覚になる。
椅子に腰掛け、静かな外気を吸い込む。ととのう、という言葉がこんなに自然に胸に落ちる瞬間はそう多くない。
こうしてまた、今日も満足してしまった。
3日連続の訪問。でも不思議と飽きる気配はない。むしろ、行くたびに魅力が増していく。これが和合の湯の魔力なのだろう。
12月、きっとまだまだ通う予感がしている。
以上
男
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