GREENITY IWATA
ホテル・旅館 - 静岡県 磐田市
ホテル・旅館 - 静岡県 磐田市
朝から降り続ける雨は、少しも手を緩める気配を見せなかった。
窓を叩く雨粒の音に目を覚まし、私は静かに身支度を整える。
週末の土曜日、外は灰色の空に包まれている。こんな日にこそ、自分へのご褒美が必要だ。
そう思い立って、車を走らせた先は磐田市にある「グリニティイワタ」
日常からふっと離れ、上質な時間に身を委ねることのできる、ラグジュアリーなホテルの日帰り入浴だ。
館内に一歩足を踏み入れるといつも変わらない、ほのかに香るアロマが迎えてくれる。
受付で入浴料を支払う。1,800円という価格は確かに少し高めだが、それに見合うものがここにはある。
男女日替わりの浴室。
今日の男湯は“Sora”だった。白を基調とした曲線の意匠が美しく、まるで雲の中に迷い込んだかのような錯覚を覚える。
脱衣所で服を脱ぎ、浴室に足を踏み入れると、静けさが包み込んでくる。湯けむりの奥に柔らかい光が揺れていた。
シャンプーと石鹸は香り高く、指先で泡立てるたびに、心の埃まで洗い流されていくようだ。
身体を丁寧に清めたあと、私は真っ黒なモール泉へと身を沈めた。肌を撫でるようなとろみのある湯は、まるで大地に抱かれているような安心感を与えてくれる。
目を閉じると、重たい身体がふわりと浮かぶ。疲れも、焦りも、どこかへ流れていくようだった。
十分に温まったところで、サウナへ向かう。
無音の空間。テレビも音楽もない。ただ湿度の高さが、静かに身体を包み込む。呼吸の音が、いつもより深く、自分の内側に響いてくる。汗がじわじわと滲み、毛穴が開くたび、心の中の澱が抜けていくのを感じた。
そして、水風呂。キリッと冷たいが、角の取れたやわらかさがある。地下水を使っているというこの水風呂は、冷たさの中にも温もりを感じる、不思議な心地よさがあった。いつまでも入っていられる、そんな気持ちになる優しい水風呂。
露天に出ると、雨は変わらず空から降り注いでいた。
時折り強めに吹き付ける風に、肩がひやりとする。
椅子に腰を下ろし、ただ雨音に耳を傾ける。
ぽた、ぽた、ざあざあ。水が世界を洗い流しているようだった。その音の中に身を委ねていると、自分が何か大切なものと繋がっている気がした。
そう、例えば、静けさとか、自然とか、本当の自分とか。
心が、洗われていく。
立ち上がるときには、少し名残惜しかった。
けれど身体は軽く、心は穏やかだった。
帰り道、ワイパー越しの景色が、どこかやさしく見えた。
グリニティイワタは、日常にひそむ騒がしさをひととき忘れ、自分の輪郭を取り戻すための、静かな避難所だった。
「今日も来てよかった。またここに来よう。」
ここに来た帰り道で、思う事はいつも同じ。
以上
男
初めまして╰(*´︶`*)╯♡試してみたいです♪
トントゥありがとうございます!是非、お試し頂きたいです!
ひし形のシルエットが美しいですよね。
静岡県には本家の二郎は無いものの、此処まさかのラーメンは中々本格的です。特に自家製麺が美味しいです。
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