GREENITY IWATA
ホテル・旅館 - 静岡県 磐田市
疲れ切って迎えた週末。眠りは浅く、目覚めは鈍い。
窓の外では朝からしとしとと雨が降り続いている。心もどこか重たく、すっきりしない思考の霧を晴らしたくて、私は車を走らせた。
向かうのは磐田市のグリニティイワタ。静かに心をほどく場所だ。
ホテルの落ち着いた空気のなか、日帰り入浴の受付を済ませる。微かに漂うアロマの香りが、疲れをやわらかく包み込む。
廊下を歩く足音さえ静寂に溶けていくようで、もうこの時点で心がゆるんでいくのを感じた。
今日の男湯は"ダイチ"
シックな黒色を基調とした直線的な雰囲気の浴室。
身体を洗い、湯船に肩まで浸かる。
黒く濁ったモール泉が肌に絡みつくように優しく、芯から温まっていく。湯のぬめりは、まるで過去の疲れを撫でてくれるような感じ。
やがて言葉も時間も溶けていく。
充分に温まった後は、サウナ室へ。
テレビもBGMもない、完全な無音の空間。ただ熱と呼吸だけがここにある。
3段ベンチの最上段に座れば木の香りと、じっとりとした湿気。少しずつ汗が流れ出し、思考が薄まっていく。
言葉も考えも、どこかへ消えていく。
限界を感じたところで水風呂へ。
地下水が流れ続ける冷たい水は清らかで、肌に馴染む。一気に身体が引き締まり、眠っていた感覚が目を覚ます。思考が冴えるわけでもない。
ただ、何も考えないまま、その冷たさの中に浮かんでいる。
そして再びサウナへ。何度も、何度も、この往復を繰り返すうちに「無心」にたどり着いていた。
過去も未来もない。ただ今という時間だけがある。
何もしていないのに、なぜか満たされている不思議な感覚。
静かな幸福。
外はまだ雨だろうか。けれど心の中の雨は、もう止んでいた。
グリニティイワタで、私は確かにリセットされた。
また来よう、何も考えず、ただ無になれるこの場所へ。
以上
男
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78℃
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16℃
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1355
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トントゥありがとうございます。
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