【閉店】スパリゾートプレジデント
カプセルホテル - 東京都 台東区
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もうすぐ閉館するらしい、そんなウワサを聞きつけて、居ても立ってもいられなくなって、気合いを入れて早朝に電車に飛び乗った。混まないうちにゆっくりと、じっくりと、プレジデントに浸りたかったから。
カウンター越しに見える手書きの帳簿、初めてここにきた時は、えっ今どき手書き?なんてとんでもなく失礼なことを考えていた。チェックインしてタオルを手に取り、ロッカーで着替えてサウナに向かう頃には、オーナーの、スタッフの気遣いを肌で感じていて、今思えば、すでにこの時点から、ととのいはじめていたようだ。
サ室は狭めの階段で、少し降りて入室する。入ってみれば広いが天井は低めで落ち着く空間、いつもなら、座る場所を探すところだが、あっさりと好みの場所にありついた、一段目でゆっくりと、じっくりと、プレジデントを堪能するつもりだった。人もまばらなサ室は、いつにも増して濃密な熱量、バイデンさんのニュースを見ていたら、いつのまにか玉の汗、タオルで拭いて、目を閉じて、深呼吸、肩を回しているうちに、8分経過、深入りせずに水風呂に向かった。
水風呂は水が途切れることなく注がれていて、小さいが、キリッと冷たく、いつも気分をシャキッとしてくれる。
椅子は4脚、いつもなら、五分五分のイス取りゲーム、今なら選びやすかった。こんなに賑わう浴場が、なぜに失われてしまうのか?目を閉じて、深呼吸、流れ落ちる水の音と、手書きの帳簿の温かさに気がついた。
目が覚めて、体を伸ばすと、むしゃくしゃに熱波を全身に浴びたくなった。プレジデントの、記憶を体に刻み込むために。
歩いた距離 0.1km
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