2020.02.08 登録
[ 北海道 ]
テレビ番組を焼いたDVDの断捨離
結局、今や”へそピアスJK”の娘が小さかった頃に
撮りためたアニメを見て1日が終わる
冬前の敵は乾燥肌
そうなると--モール泉「恵庭ほのか」
脱衣所の居並ぶロッカーを見ると
記憶の中の「ほのか系」が浮かぶ
「絢」の紅のロウリュショーを
テレビの中の勝俣とエンジョイした記憶を筆頭に
シャワーヘッドがRefa
見渡す限り、ここだけのRefa
駄菓子屋であまり欲しくない一等を当てた
消化できない気分になる
目的はモール
広いモール湯に手足を伸ばす
昔の人にとってモールは魔法の水だった
ボクも魔法の水で願いを叶えるのだ
覚えたての呪文も添えて
「テクマクマヤコン若者の肌になぁれっ☆」
何も起きない
それにしてもアッコちゃん
覚えたてでもなんでもない
”若者の肌”は遠い
ん?
少しだけ肌がピカってない?よし!
「ムーン・プリズム!メンズ・アップ!」
セーラームーンの力も借りる
目の下の”たるみ”も「全く目立たなくなったわ」になる
魔法の恩恵で
「もう誰も愛さない」期の吉田栄作位の肌を取り戻しサウナ
上段に座って両手のひらを
突っ張り棒のようにして上半身を後傾させる
人が居ないので足を下段に向けて伸ばす
Myリラックスポーズ。ただ
手のひらが熱っつい!
「ぴりからぽっぽー!キュア・サウナ・リフレッシュ!」
咄嗟に呪文が出てしまった
プリキュアっぽい
呪文に導かれたかのように
ロウリュショーが始まる
「絢」の”紅”「恵庭」の”蒼”
もっと猟奇的な熱さを!
「ぴりからぽろりん、魔法のサウナ~♪」
おジャ魔女どれみflow発動
ただ、ほのか系ロウリュが10分も続ことを忘れていた
DVDで仕入れた呪文ネタも、もう尽きた
無念の離脱
ふらふらしながら水風呂を見下ろす
「むむっ!」
何やら感じる精霊の言霊
「くるくるぱぴんちょ!」
まんがはじめて物語の呪文。だが、いかん
これは実写からアニメに転移する呪文
「ダメだよお姉さん」と”モグタン”も言っている
すでに遅し
セル画になったボクは極上の水にヒラヒラと漂う
何も描かれていないセル画の透明な部分と水が一体になって
ペラペラのボクだけが浮かび上がる
「こんな最高な水に、ただ漂っているだけなんて。。。」
最高すぎる--でも理性が囁く
「抜け出さないと無くなっちゃうよ~」
「ラミパスラミパス ルルルルル」
アッコちゃんの変身解除の呪文!起死回生!
「ああ、ダメだ」
女王様からもらった魔法のコンパクトが無い
[ 北海道 ]
何だか足元がふらつく
地に足が着いていないような
地面からちょっととだけ浮いているような
ワンダーな感覚
--まあいいか
さて、週末
さしてイベント事無き週末は
「アテ」を求めての彷徨となる
この前のフルーティな麦焼酎に魂を奪われてしまったので
寄り添う「アテ」が必要なのだ
市場の魚屋で大きな鰰(はたはた)の一夜干しが目に留まる
良き塩をサッと振ってパリッと焼き上げると最高だろう
淡白な白身なのに脂が乗っている
小柄なのに笑顔が大きいベッピンさんみたい
これだけで定食の主役を張れる
果物屋には無花果(いちじく)があった
中々の値段だけれど好物には逆らえないし麦焼酎とは名コンビなので購入
徘徊が西へ西へと向かい、小樽に至るのはよくある話で
ちょうど昼時なので「神仏湯温泉」の熱湯をいただくことにする
良い銭湯には良い常連がつくものだ
常連のおじちゃんたちの会話が耳に心地よい
絵にかいたようなサ・銭湯
この空間だけで一流のジャパニーズアトラクションとして成立するだろうが
五月蠅い人たちには来てほしくない
ボクを挟んで両隣のじいちゃん達の会話が聞こえる
「仁さん、前の日までピンピンしてたのに急だったな」
「おうよ、俺たちの歳になると迎えがいつ来るかなんてわからんさ」
「何か言い残したことはないのかねえ」
--この会話に他人事感を全然感じない
いつ何があっても不思議じゃないのはボクの世代だって同じだ
その当事者になった時に伝えられなかったことが何かあるのはとても寂しい
ここの小さなサウナが優しい熱さなのを良いことに
「生きているうちに言っておきたい事」を考える
だが、おかしな事に
浮かんでくるのは
「言っておきたい事」ではかく「言ってみたい事」ばかり
「オイラにゃ、この街は狭すぎるぜ」とか
「そうね、高いものから順に2貫ずつ握ってもらえる?」とか
「髪、サラッサラすぎてシュシュが落ちてきちゃうの」とか
。。。いかんいかん。邪念を言語化しただけだ
名物の熱い温泉の湯舟で気合を入れて神仏に問うてみた
「ボクの言わなきゃいけないことは何ですか?」
この一文が頭に降りてきた
「ハニー。ボクを祓っちまうのはもう少し待っておくれ」
[ 北海道 ]
無けりゃ無いでいいものと
無いとどうにもならないもの
ボクが「生き物」として生き長らえるためには
飲酒なんて全くもって不要な行為だけど
ボクが「ボク」として生きていくためには
飲酒は不可欠な習慣なのね
ちょっとした肴があれば
今の時期なら野のキノコ
あまり見かけないけど「むかご」なんてのも嬉
酸味の少ない果物も酒に寄り添う
無花果とか柿
柿はまだ実が固くって
中心あたりにほんのり透明感が宿るくらいがいい
今宵はフルーティな麦焼酎とその柿を用意した
ああ、こんなとこにも幸せはあったのだ
銭湯やサウナも同じようなものだ
家でシャワーでもイイのだけど
飲酒活動前のサウナは前菜の一品たる
(※変換で「前妻」と変換され小さく動揺)
出来れば、質の良い水分を体から取り込んで
麦ジュースをお迎えしたいではないか
となると。。。冨士乃湯
2年越しのミッションは一旦置いとこう
今は純粋に良い水の吸収だ
サングラス掛けず、サロペットも履かず、髪も伸ばさずに
ピュアで臨む冨士乃湯
水を持ち帰るためのボトルも今日は持たない
おかみさんに
湯賃をお支払し脱衣所へ
心に蛇が居ない状態で味わうのは久し振りだ
妙なことに拘らない方がいいのだ
シャワーで特有の水の触感を愉しみ
しっとりとなった身体で水通ししてからのミスト
ぽとり「熱じぃ!」
線香花火の最後の一刺しがいつ落ちてくるかわからない
ミストを胸の奥に吸いこむように
目を閉じて深呼吸。。。
後は主浴槽と水風呂を繰り返せば
heaven knows 麻里姐さんが降りてくる
月並みだけど気持ち良かった
誰が見ても「機嫌ええねんなコイツ」って顔をして
番台を代わったおやじさんに「どーも~」と一声
「乾燥肌の人はね。。」
( ゜Д゜)!!!
こ、これって?!
「ヌルヌルしたらね。。」
あれやん?!炭化するほど恋焦がれた、あれやん?!
嬉しさを飛び越えて、別の感情が噴火する
なんだ!
なんなのだ!
サロペットはいったい!
サングラスはなんだったんだ!
髪を伸ばしたんだよお!あん?なんだぁあ!
嬉しさと憤怒で泣き笑いしながらとぼとぼ帰る
冨士乃湯へ行く人たちとすれ違う
みんな風呂道具と空のボトルをもっているからすぐわか。。。あ!
SMASSH !!身体に電流が走る
そっか・・・ボトル
そうだ。ここの素性を知らぬ初めて来る客は持っていてはおかしいのだ
わかった。ようやくわかった。
フルーティな麦ジュースと淡い和菓子のような柿が格別に旨い
ああ、こんなとこにも幸せはあったのだ
[ 北海道 ]
出張で旭川
やっぱ最高だよボクのCAVINちゃん
ラドルはもうSMの小道具だ
MのボクがSのボクを弄ぶ
とても最高なのだけど
ここに居ると何かが蠢きだすんだ
ピンチはどこに転がっているかわからない
サ活投稿で
「素っ裸でロビーに出てしまった(又は未遂)」
という話をたまに見かける
なかなかつらい体験だが
似たような経験が何度かある
最初は小学5年の時
ボクは水泳の地区大会に出場した
基本、競泳用のブーメラン水着で出るのだけど
時間が空く時は別の水着で待機する
その“別の水着”が競泳用ではなかった
100メートル自由形決勝
短距離が得意なボクは入賞をギリ狙えない位置にいた
だから軽い気持ちで普通の水着で出場した
スタートピストルが鳴る
「よし!」と思うほど完璧なスタート
が、その瞬間、悲劇は起きていた
水着が水の抵抗に耐えられず――
股下まで脱げてしまうのだ
プールサイドからの歓声に嘲笑が混じる
その意味を泳ぎながら悟る
だって、“お尻丸出し”なのだもの
でも、奇跡のスタートのおかげで
入賞の可能性もある
落ち着け
背泳ぎじゃないんだ、背泳ぎじゃ!
ターンは3回。前転して足を抱え込むスタイル
そこさえ慎重にやれば、最悪の事態は避けられる
ボクは勝つ事を選んだ
この後、ボクのあだ名は「尻(読みはしーり)」になる
2度目はここが《パコ旭川》だった頃
宿泊していたボクは夜中に目覚めた
酔いと寝ぼけでトイレに行くつもりが
開けたドアは部屋の入口だった
「パタン」背後で聞こえたその音で目が覚めた
自動ロック、キーを持っていない
そして、ボクは--素っ裸だ
暫しどうしようか考える。。余裕は無い
隠すものといえば我が手のみ
「小さな手ね❤️」と言われたCute-Handsは援軍たるか?
幸い真夜中なので人影は無い
エレベーターホールに走り(裸で)
フロントに内線(裸で)
「キーを持たずに部屋を出てしまいました」
「ス、スペアキーをお願いします」
「それから。。。真っ裸なんです」
「出来れば男性スタッフにお願いします」
「ひ、非常階段にいます」
受話器を置いて非常階段まで走る(with Cute-Hands)
”カンカン”階段を上がる足音が聞こえて
可愛いホテルウーマンが来ました。。とさ
セルフロウリュの非人道的な熱さが落ち着いたサウナで
Cute-Handsに語りかけた
「OK大丈夫!いつだって俺たちが付いてる」
頼もしい。
[ 北海道 ]
疎遠にしている「番屋の湯」に行こうと思い立って
手稲方面、留萌方面、銭函方面--
3つめの選択肢に進路を変えてしまう
いつもどうしてもたどり着けない「番屋の湯」
思えば、月がやけに綺麗だったあの夜
前世で鰊(にしん)漁師だったボクは
同僚の八兵衛さんの道ならぬ想いを
番屋の風呂場でむげに退けてしまった
あの夜の償いなのだろうか
「八っあん、もう、いいじゃねえか」
八兵衛さんに詫びながら
ハンドルを朝里に向けた
休日昼の朝里川温泉
いつもより少し混んでいて
そして、いつもよりかなり年齢層が高い
その風景にすんなり馴染んでしまうボクはもう老人なのだろう
そりゃそうだ、安政元年生まれのてんびん座だもの
--いけねえ、それは前世のボクだった
でもてんびん座は受け継いでいる。他にもいろいろと
ここのお宝は、小さなジャグジーだ
六門ある砲門は半分が閉じてしまっているが、真ん中の二門がまだ戦闘可能
脚を伸ばし、下くちびるギリギリまで身体を沈めて──
Open Fire! 背に浴びるは「九一式徹甲弾」
向かって左側にシャワーが付いていて、これがまた絶妙に使いづらい
だがそれも、ボケ防止の指運動のような、ありがたい仕掛けなのだ
ボクへの愛情の表れと、そう受け止めておく
そしてフィンランドサウナ
スハラさんのサ活は本当だった
ストーブが弱っている
長サウナを好まないボクが5分計を3回ひっくりかえす
汗はじっくりと出ているけど
身体の芯が熱を帯びてくれない
Open Fire!
ラドルから焼夷弾をまき散らしても
熱と蒸気は儚くも散ってしまう
最期の一押しが無いままに敗戦を迎えた
こうなると温度が下がり始めた水風呂も
鳥の声を聴きながらの外気浴も輝きを失う
寂しい想いが刻まれたまま、ストーブに敬礼して
蕎麦屋に向かった
輪廻転生を経ても受け継がれるものがある
心に深く刻まれた記憶や光景もそのひとつだ
ボクに背を向けたハっあんの、その背中が小刻みに揺れていたこと
別格に愛していたラーメン屋のお母さんが「これ食べて」と
手渡してくれたじゃがいもがいっぱい入ったレジ袋
ハクション大魔王の最終回(昔の方ね)
どれもこれも、もういないけれど--
ボクはこれからものほほんと笑顔(前回)のために
死ぬまで生きるだろう
八っあん、ゴメンな
[ 北海道 ]
ボクは人の笑顔が大好きだ
弾ける笑顔
揺れる笑顔
こぼれる笑顔
目の前にそんな素敵な笑顔があったら
「ぎゅ-っ」としたくなるよ
笑顔のおかげで生きている
笑顔に生かさせている
だからいつだって笑顔を忘れない
少し前
「おかえりなさい」のサ活で
図らずも巻き起こった--「秋の笑顔祭り」
りぼんさん
プリン体さん
あっきーさんが
コメント欄に「笑顔」を残してくれた
とても、とても嬉しかった。
だって、これって――本当に「笑顔」を見せてくれたようなものじゃないか
りぼんさん
プリン体さん
笑顔見せてくれて本当にありがとう!
あっきーさんも……あざ~す(小声)
そして今日は「こうしんの湯」に来た(笑顔!)
ボディをウォッシュして真っ先に向かうは
高濃度人工炭酸泉
良かった!空いてる!
思わずこぼれそうになる笑顔をおさえながら入水
気温が下がったせいなのか、いつもに増しての不惑感
隅っこに陣取って目を瞑り5分、10分、20分--
お湯と人工炭酸と自分が溶け合っていく
札幌で2番目に気持ちいい
原材料不足で炭酸泉が曜日限定になるようだが
まあ曜日狙いで来ればよろしい
そして、サウナ
広いサウナ
みんなでテレビを見るサウナ
テクニカルなサウナが幾らでもあるけれど
「こうしんの湯」のサウナはこういうのでいいんだ
テレビに引っ張られて蓄熱量オーバーの体を
バイブラの散弾に包まれて終わり
意外とハードボイルドなフィニッシュになる
大きなお風呂とサウナの良いところは
心が笑顔で満たされることだろう
「ど~も!」一声掛けて帰ろうとすると
かわいい店員さんが笑顔を見せてくれる
ボクも恥じらいながら笑顔を見せる
笑顔、笑顔、笑顔
笑顔がいっぱいだ
※コメントにボクからのお願いを書いています❤️
[ 北海道 ]
しかし、あれだね。一気に冬に近づいちまったねぇ
ほんの少しめえまで「夏」だっだってえのに
え~夏はホタルの季節なんてことを申しますがね
蝦夷じゃあ、そうそうお目にかかるって訳にゃまいりません
けどもね、空知の沼田ってえ町に行きますと
風情のあるホタルが見られるってんで
夏場ぁなかなかの人気なんだそうでございます
「お、ここだね”ほろしん温泉ホタル館”」
チケットを買いまして
いつもの愛想のいい受付の姐さんに渡します
「こんちわ!どうも!来ましたよ!」
「いらっしゃいませ~」
「相変わらず粋だねえ、姐さん」
左右に岩盤浴だの蕎麦屋だのを見ながら
廊下を”つーっと”進んでいくってーと
男湯・女湯の暖簾がさがっております
何しろ平日の真っ昼間でございますから
たいがいは地元のご隠居衆が
ゆるりとやっているのが常なんですが
この日はどうしたことか、まるで貸切り
「へえ、こいつは贅沢だね」なんて呟きながら
シャワーを浴びて内湯をいただきます
「んああ~極楽だねえ」
「あっしゃ鼻が利かないもんでアレなんですが、軽く匂うのかい?硫黄のアレが」
いい湯なんですがね、江戸っ子は長湯はいたしません
チャチャっと済まして蒸し風呂の味見と洒落こみます
「空知」あたりの半公共風呂屋ってえのは
そこかしこにイイのが散らばってますけど
ここも”がしーっ”として”すっ”としてて
なかなかのイイサウナでございます
あんまり入ってる人、居なかったんですがね
あれだね、放っとくとなるんだね”熱っ熱に”
こりゃ「大家さんが怒った時みてぇだ!容赦なんてありゃしねえ!」
そしてここの誉れは露天の隅っこにある「エレキテル風呂」
それと露天から眺める川とくらあね
夏にはね、こっからホタルが見えるんでござんしょ
そいや、昔のことですがね
筑前の国(福岡ね)に住んでいたころ
周防(山口よ)で見たホタルを思い出しました
それはそれは凄かったのでございます
「一の坂川」ってえ川でね
川一面に光が流れて
まるで天の川を引き寄せたみたいでございました
ホタルを見に行った訳じゃあ無くて、仕事で行ったお客さんとこの前がその川だったんで
不意打ちは効くんだよ
後にSIONって歌い手が歌う「蛍」って歌と巡り会ってね
まさに一の坂川のホタルを歌った歌で
「ああ、あっしの見たまんまだなぁあ」って
「じーん」っと来たねえ
「綺麗でしたね本当に。。」
いけませんねえ、いけません
年取るとすぐに眼(まなこ)からよだれが出ちまいます
「蛍」という一席でございます。
[ 北海道 ]
ある程度の年齢になると
これまで無縁だった様々な刺客が
突然、そして次々と目の前に現れる
目下の敵は
滑る床(転ぶ)
階段(転げ落ちる)
季節の変わり目の急に冷たくなった外気温
(知らんけど体調が悪くなる)
いずれもかなり手強い
それが揃っているところ
「アシベ屯田」
災害に向けて避難訓練があるように
結婚に向けてお試し同棲があるように
ボクは敢えて開店直後のアシベに挑んだ
早い時間帯のアシベサウナは
夜アシベの
「粘度の高い熱い液体を体中に塗られたような」
固有のねっとり感が無くサラリとしているのね
そこから水風呂すっ飛ばしてブクブクの低温湯に入る
ああ、なんて気持ちが良いのだろう
じっとしてるだけなのにとても愉しい
夢心地とはこの状況を言うんだろうね
この感じ。。。お試し同棲のようだね
同棲はいいなあ
ボクの作ったチャーハンが美味しいって?
へへへ今度はあん掛けチャーハンにするよ~
「わーい!」って抱きついて来るんじゃないよ~
よせよぉ
チャ、チャーハン味のチューなんてカッコ悪いじゃーん
じゃあ今夜はキミを北京ダックにしゃうぞっ!
辛いお味噌塗っちゃうぞ!
もうひとつ
ある程度の年齢になると
思っていることを無意識に声で発していることがある
「どっこいしょ」なんかもこの類だと思う
そんなんで「チャーハン!北京ダック!」なんて
言って(小声でね)目をとろんとさせていたものだから
ブクブク仲間が怪訝な表情でこちらを見ておられた
このあたりまでブクブクの中で妄想して
露天にいったら
転ぶより前に「風邪」という刺客にやられました
めでたしめでたし
[ 北海道 ]
穏やかな気分になれる
そんなサウナに行きたくて仕方ない
「おっぱいがいっぱい」を歌いながら他客の股間にロックオンする男
この前のサ活の内容さ
「恥の多い生涯を送ってきました」
主人公にそう語らせた太宰が心に降りてきて居着いちまった
「おかえりなさい」
いきなりくる
和服の女将さんがでてきて
そう言ってくれたなら確実に落涙する
取り越し苦労のようだけどw
磨き上げられた床が残暑の陽ざしを反射して
小さな頃に連れてってもらった温泉旅館が浮かんでくる
あの時はじいちゃんも一緒だったっけ?
ぴかぴかの床を速足で進む
太宰を追い出して子どもの自分が降りてきた
振り向くとじいちゃんが笑っていそうな気がする
10席に満たない洗い場とイイサイズの浴槽
角っこの水風呂
古い記憶を少し鮮やかにするよう構図
サウナのドアを開ける
匂いがわからない身の上なのだけれど
木の壁に染みた香りが満たされている気がする
あの時の温泉にサウナはあっただろうか
こどもは小さな部屋が好きだから、あれば入りたがっただろう
そして家族の誰かが小さなボクに付き添ってくれただろう
ロウリュを一杯だけ
はじめに「パチン」そして「じゅわあ」
立ち昇る湯気は熱いのだけれど
刺々しさがない
「あ、やっぱりサウナあったな」
記憶の窓がひとつ開いた
初体験の熱さに興奮して
ボクはおしゃべりになっただろう
付き添ってくれたじいちゃんが気づかってくれて
「てっち!(こう呼ばれてたの)熱くないか?」
「じいちゃんと一緒に出よう」
どう応えたのかは思い出せないけど
同じやわらかい蒸気がボクらを包んでいた
手を引かれてサウナを出て。。
気付けばボクは水風呂に
見た目から清涼感が一杯で
この夏一番の期待だったが裏切らない
せっかくゆっくり
カラダがじわじわ冷えていく
記憶はどんどん冴えてくる
その時、頭の中にあの一文がはっきりと響いた
--「ごん、お前だったのか。いつもくり(栗)をくれたのは。」
お気に入りの絵本「ごんぎつね」の終盤の一節
幼心にこのセリフが心に残った
特にじいちゃんが読んでくれる時がとても良かった
--「ごん、お前だったのか。いつもくり(栗)をくれたのは。」
今度はじいちゃんの声で響いた
そう、こんな声だった
酒焼けしてしゃがれた優しい声と煙草呑みの香り
じいちゃんがやっていた小さな銭湯の窓から見た風景
ゆれるススキと赤とんぼ
「おかえりなさい」
お陰で清らかな気持ちになりました
2度とサ活にチ〇コとは書きません
[ 北海道 ]
滅多に来ない「蔵の湯」に
滅多に来ない平日午後いちのタイミングで
天気の良い平日の14時界隈
サウナでただ一か所空いていたストーブ前
というか、ここしか空いてないのよねストーブ前
こやつは日頃のうっ憤をぶちまけるように「熱」をぶつけてくる
近くの床や座面も「そうだそうだ」尻馬に乗って責めたてる
「そんなに俺が悪いのか♪」声の主は藤井フミヤか?は六角精児か?
ちなみにこの2人は同い年だ
結果10分持たず、文句たれのストーブに敢え無くTKO喰らう
駆け込むように水風呂の奥まで行って
心静かに涼を味わうも
もう一人おぢさんが入って来て
至近距離で潜りやがって
「プハーッ」って浮上して来た時の顔が
ボクの清涼感を全相殺した
天気が良いから露天スペースは人がいっぱいだ
イスに張り付いて上を見ると
建物の茶色い壁に四角に切り取られた空は
秋そのものなのだけれど
四角の端っこに「もくっ」とした雲がまだ少し居て
夏へ未練を残している
男の未練はみっともないからヤメロとタシナメテおく
それはともかく「客層」の違いって店毎にあって
更に時間帯でも客の色がグラデーションしていくから
タイミングによって お店の印象って全然変わるんだ
そんな目線で見渡す平日昼の「蔵の湯」
偏り強し!妙な「共通点」を持った男たちが
「偶然」では有りえん確率で集まっている
以下、箇条書き
・日焼け率高し
生肌色との境目のない全身ムラなく焼け
1回数千円の高出力マシンによるものか
・ネックレス率更に高し
ゴールドのメンズジュエリ 太さこそ正義
・「前を隠すのはダメ!ゼッタイ!」
タオルを添えない もちろん手も添えない
だって俺は自由なんだぜ(ぶらぶら)
誰も俺を縛る事なんか出来ねえのさ(ぷりぷり)
いつだって太陽と風のあたる場所に居るのさ(ぶらりんこ)
野放図に見せられているうちに、頭がチ〇コで埋まってくる
「おっぱいがいっぱい」って歌の脳内リピート再生が始まる
目は無意識に歩く男たちをサーチしている
「おっぱいが、いっぱーい♪」あ、脱毛済タイプ
「おっぱいが、いっぱーい♪」持ちやすそうなヤツ
「おっぱいが、いっぱーい♪」基本に忠実。ぶらぶらね
「きれいだな、だいすき♪」
頭の中のチ〇コ祭りは収まらず、おっぱいリピートも止まらない
我はチ〇コとおっぱいに取りつかれた男
なんか泣けてきた
[ 北海道 ]
ふと気づいたら
「助六寿司」が好きになっていた
稲荷と太巻きのアレ
子どもの頃はわりと残していた「お稲荷さん」
今は一口頬張って「じゅわっと」染み出た甘い汁が
酢飯と一体になる瞬間に電気が走る
電気仕掛けの神々しさは
エライザちゃんに上目遣いに見上げられるくらいに
ボクを「ぽーっと」させる
「アレ」とは古い知り合いだ
レノンよりもボランよりも
栗原清志よりも前からの顔見知りで
だけど、やっと好きになった
「好き」の度合いがとても深い気がする
改装されているのを知らなくて
今日の浴場は初めて見るから
前は女湯専科だったんだろーね
てな訳で改装された部分が
どこなのかよくわからないけれど
ツインharviaの方は新しそうだ
セルフという触れ込みながら
客に好きにさせるとストーブが疲労困憊して
鳴かなくなるので、スタッフがやるっちゅうね
「セルフ」っちゅうか「手動式」ってことねw
ロウリュのタイミングがよくわからんのと
時を把握するものがサウナ内に見当たらなく
老体が悲鳴をあげたところで逃げ出す
「おお!お前もか!」と水風呂の階段を降りる
この時期にしては冷たい水風呂を経て
露天のイスで物思い
ボクの鼻は利かないけれど
微かな硫黄臭がここの御馳走だよね
旧男湯はどこが変わったのかな
あのスチームは残っていて欲しい
夏休みのドリルの答えにはこう書いてある
スチーム→ドライ→水風呂→スチーム→外気→さあ!元気に2周目!
望むも望まないもない。人は変わる
文字の読み違えが多くなったのもそう
某SNSを眺めていたら
「血糖値が同じで本当に会える異性を探し出すアプリ」
ってあって「いいかも!(なぜ?)」
よく見たら「価値観」だった
街中の「桜井」って看板を「豚丼」と読んだ
耳も怪しい
「てるちんさん!」って呼んでくれているのを
「てるじいさん」とは失礼な!と食ってかかった
なんてエピソードもある
「助六」が人生後半の相棒としてランクアップしているのも
なにか関係があるのだろう
「一つになった世界を想像してごらん」
と歌ったレノンの歳も
「僕は君たちのオモチャになりたい」
と歌ったボランの歳もとうに追い越して
清志郎とは同い年になった(たぶん)
ボクが年下の内に好きになれた「助六」とは
本来相性が良かったのかもしれない
帰り際、飲食スペース周りが
少し余所余所しい造りになっているのを見て
心に風が吹き込んだ気がした
「助六」は歳をとって弱った歯や歯茎にも優しいし
なにしろ「なつっこい」からね
[ 北海道 ]
岩見沢の「なごみ」にはこの前行った
ここ「あいの里」も系列の施設で作りはいろいろと似ている
例えばサウナ
入口が最上段で下に降りていくタイプ
段差=温度差なので
元気な時は最上段、そうでない時は中段か下段と使い分けが可能
この日は中段に腰を据えてじっくり蒸されることにした
てっきり12分計と思わせる正面のヤツは普通の時計なので注意してね
水風呂はやはり「天国への階段」方式
中央に手すりがあり実質2列の階段が天国に繋がっている
この季節、特別な冷却装置の無い水風呂はキンキンではない
でも大丈夫だ 人間の身体が冷える要素は「水温」×「時間」
じっくり構えればこの炎天下でもいつかは身体が冷え切る
左列ではおじさんが最下段で天国に到達済
なのでボクは右列を使って天国に降りる
そろりそろり。。。「え゛?」
「た、足りない!」階段が1段少ない
階段を降りきっても水位が1段分低い
天国に1歩届かない階段 宗教的には「絶望」すら意味ずる真実に初めて気づいた
「ここは天国じゃないんだ」
ブルーハーツが歌っていたのは「あいの里なごみ」のことだったんだ
茫然と立ちつくしていた
身体は冷えてきて熱を欲している
その時、もう1人のおじさんがボクの列を降りてきた
1段上で手すり方向を向いて体育座り 正面を封鎖
横には既に腰を据えたおじさんが居る
角っこの「黒」を「白」が囲む。オセロの定石が再現された
そしてボクは今「黒」なのだ
もし仲間は居れば正面のおじさんをひっくり返すことができるのに
今日も僕は1人だ
そうしている間にも身体はどんどん冷えてくる
サウナに入ひたい、モール泉に浸かびたい、今日の炎天下の露天で
仲間がなかまが欲ひい
凍えて口が回らない 熱が、熱が欲ひい
There's s lady who's sure all that glitters is gold
ある美しい女性は煌めくものは全て黄金だと信じていた
And it makes me wonder.
そして私は疑問に思う
To be a rock and not to roll.
決して揺るがない岩、それこそがROCKであると
And she's buying a stairway to heaven
そして彼女は天国への階段を手に入れる
ロバート・プラントが歌い終わると同時に
横のおじさんがボクひ通路を開けてくえた
口はまだ回らなかったが天国は確かに見えた
[ 北海道 ]
4年8ケ月振りの「なごみ」
当時ボクはここの水風呂を「天国への階段」と書いた
人は人生の最期に「なごみ」の階段を下って天国に行くのだと
ジェリーにやられたトムがエスカレーターで天国に昇るのはアニメだからであって、ボクらは天国に階段を降りて行くのだと
その場所は岩見沢の「なごみ」だと
入口が最上段になっているタイプのサウナにハズレは無い
思い返してご覧?小樽オスパ、竹山高原、みな下段に向かって行くとリビドーが沸騰する
4年8ケ月振り
充分に結構なブランクなのだが
今週、30年ぶりにある女性と呑みに行った
30年前の関係は敢えて言わない
30年ぶりに会うって、未来から来た自分を見ているような不思議な感覚だった
わぁ、こうなるんだ!ボクもあなたも!って
待ち合わせの前に喜楽湯で時間を潰した
まだ外は明るいけど、すでに薄く飲む気配が漂ってる 大人の場所だ
あの頃の彼女
セーターの袖を指先まで伸ばして「寒い」って言ってた、あの感じ
今も変わらなかったらどうしよう
いや、変わってるか
いや、変わってないかも
うわあ
サウナどころじゃ無かった うわあ
喜楽湯上の空 勿体ない
彼女は、約束の時間ぴったりに現れた
「……変わってないね」
第一声。
自分で言っておいて、心の中でこう思った。
めちゃくちゃ変わってるよ
ボクもだけどwww
昔の話をしていると
ふいに、
「好きだったよ」
と言われた。
たぶん、酒のせいだ
でも、その一言が喜楽湯のラドンより沁みた
「なごみ」のサウナはやはり良かった
最上段でじっくり
年相応の無理しない臨み方で
汗を搾り出して
せあ楽しみにしていた階段を降りるんだ
そう思った瞬間
オッサンが天国の階段を一足先に降りて行く
一歩一歩、身体が水に呑み込まれていく
胸、肩、顎。。。頭
ん?頭?え?
「潜るんかいぁい!あいあい」
階段が生み出す慣性の法則でオッサン達が最後の一歩で止まれない
ボクの階段が!ボクの天国が!
水風呂には入らずに4年8ケ月振りの「なごみ」との逢瀬は終わった
「この後、どうする?」
「……どうしよっか」
「何もなかったみたいに、じゃあねって帰る?」
「……それもまた、悪くないかもね」
帰りの地下鉄の中から送ったLINEは今も既読にならない
あの頃2人でよく聞いた解散前のユニコーンのあのアルバムを聴いている
※フィクションです。
[ 北海道 ]
平日休みの午後いち
客のまばらなサウナでたっぷり汗をかいた
気分は「真っ白になった矢吹丈」
さあ、いよいよ”あれ”だ、水風呂
ここのチャームポイントは大きな水風呂
とてもたくさんの水が一気に体を包み込んで
親の仇!とばかりに急冷してくれるのよ
冷たい!
気持ちいい!
あ?
あ~っ?!
あ~っ!!
脚が!
あ~~~っ!!
ふ、ふくらはぎだ!ふくらはぎがつった!
永らく苦楽を共にしてきた、我が身の一部が
反旗を翻し襲い掛かって来る
「我が敵は「ここ」に有り〜!!」
「き、貴様!裏切ったな!!」
「是非に及ばず!」
それが「つった!」ってヤツだ
特に「ふくらはぎ」は攻撃力が高い
わかってる、わかっているんだ
最近、運動なんてしてないから
「ととのう」前に「くずれる」
これがこの夏のトレンド
いや、そんな悠長な事態ではない
あああああ~~~っ
来た来た来た来た来た来た来た来た来た来た!!
来た来た来た来た来た来た来た来た来た来た!!!!
なんだこの唐突さとにじり寄る親近感!
高校の同級生からの10年振りの電話か?
「なあ、お前さアレおぼえてる、あの宿泊研修のさ」
うるせえよ、今、それどころじゃないんだよ
「あ゛~~っ……ぅうっ……」
水面から出ている顔だけは涼しげな
小津映画のわき役っぽい表情を保ちつつ
水面下ではふくらはぎを抱えて七転八倒
子どもは公文、オヤジは苦悶
静かな戦争はなかなか終わらない。。。
これが昨日のサウナの話
つったふくらはぎは、今日もしっかり痛い
[ 北海道 ]
「文の湯」からキャンプ場に戻る
今日は雨予報もあり面倒なので少し贅沢な幕の内弁当を買ってきた
おかずが豊富で肴に最適
最後にボンカレーでシメる
オイラのテントの側に誰か立っていた
サイクリング用のメットと傍らにロードバイク
車を降りたら彼が言った
おぢ「Are you the owner here?」
てる「違うよ」
おぢ「I can't understand Japanese」
てる「アイアム、カスタマー」
彼がスマホをシュババと操作して差し出す
アプリ「ココニテントヲハッテイイデスカ?」
面白そうだ
てる「イエース」
彼は朴さん
韓国から来た73歳のソロチャリダー
空港からチャリで来て満身創痍
ソロなので干渉しないのが礼儀だけど
呑み始めたタイミングで紙コップに枝豆を入れて差し出す
「Edamame Beans」
朴さん「ありがとございます」言えるんかい!
暫くして炊事場から朴さんが、肩を落としてとぼとぼ戻ってきた
朴「Do you have gas?」
てる「ノー」
朴「How do you cook?」
てる「チャコールストーブ」
夕食を作ろうとしたら調理用のガスを忘れたと
てる「日本ではギャフンという場面ですよ」
チェアに崩れ落ち何も言わず天を仰いでいる
オイラの心のドラえもんが叫んだ
「パパラパッパパー! 幕の内弁当~!!」
ご飯を盛って
焼き鮭、きんぴら、卵焼、煮物
家から持ってきた枝豆も乗せて「半分幕の内」を作った
「Please eat」
彼は礼を韓国語で一杯言ってくれたがわからない
代わりに真っ赤なパッケージの袋麺をくれた
「ラーメン!」と
その後は一晩中、大雨。
おしゃべりするヒマもなく、朴さんはテントでぐっすりだったようだ。
本当は翌朝サウナに行かない?って誘おうと思ったけど
中々起きてこない
彼にとっては旅の始まり
オイラにとってはいつもの週末
タイミングは噛み合わなかった
片づけを終え荷物を積み込んでいると
「おはようございます」朴さんだった
朴「Do you always camp alone?」
てる「イエス」
朴「Alone in Japanese is...?」
てる「さみしい」
朴「Yes、さみしい」
てる「But I'm たのしい!」
朴「そう?たのしい? Good」
ふたりで「さようなら」と言って別れた
少しセンチな気分で朝里川温泉の水風呂に浸かっている
この暑さで温度が少しあがったようだ
異邦人との一夜を思いながらずっと入ってられそうだ
[ 北海道 ]
4年と3カ月ぶりだった
2021年春以来の「文の湯」
ロビーから男湯の暖簾をくぐる
なんてこたぁない、ただの更衣室が
在りし日の「笑福の湯」を思い出させる
あっこはもう建物ごと無くなっちまった
老化の副作用で涙もろくなったオイラの
鼻の奥がツンとなった
この日はキャンプ中につき、身軽が売りのオイラ
お気に入りのユーズドTシャツは
ネックがキツイのがクセモノで
乱暴にすると首がもげる、いや、もげないけど破れる
だから慎重にそーっと脱ぐのだけれど
そこさえ突破すれば、あとは短パンとパンツを一気脱ぎ
”ぷらんぷらん”させて浴室に突入だ
(タオルをね)
なんてったって4年3ケ月振りだ
その頃って言えば
緊急事態宣言がバンバン出ていた頃
オイラは転んでアゴを砕き
イイ男振りがマスクでも隠せなくなっていた頃だ
あの頃から、いろんなことが変わった
「月日は百代の過客にして」
芭蕉先生がオイラの気持ちをだいぶ昔に代弁してっから
読んだげてよね「奥の細道」
そんなんで
今日は青い湯のバイブラに身を沈めて
首の裏を「冷水枕」で冷やすなんざぁ粋でさ
これぞ江戸っ子ってもんよ(札幌在住)
カランの前では黙して語らぬ戦士たちがひたすら体をこする
だがサウナに入れば別世界
井戸端会議に精が出る
「〇〇さんはご存命?」
「琴似神社の裏手にあるラーメン屋、ここいらじゃ一番だよ」
「立憲民主は「ここぞ」って時に弱いからね」
「日曜昼にワシはもうアッコにおまかせしてないんですよ」
「NHKのど自慢、もう生バンドじゃ無いんですよ」
慌ててマイクをオンする
「マ、マジっすか?!」
会議緊急参加で土曜の午後が過ぎていく
銭湯よき哉 盛夏札幌
モックモックで湯船も見えず
[ 北海道 ]
自分を「じいさん」と表現することがある
読む人への「へりくだり」であって実はそんなにじじいだとは思っていなかった
ところが、ここに来て光なみの速さで老眼が進んで驚いた
目前に「サンタフェ」のあのページを開かれても
それを「エロい」と認識出来ない
「だって見えないんだもん!」
人生が新しいターンに入ったという事か
ひとつ「老い」を認識すると
アレもコレもと追認渋滞が発生する
「片足立ちで靴下を履く成功率が激減」
「運動後の筋肉痛が3日後ではなく「出てこないまま終わる」」
中でも特に困っているのが
「カップ麺の底の方だけ異常にしょっぱい」問題だ
粉末や液体のスープを入れる「プロ仕様」タイプのカップ麺
よーくかき混ぜているつもりなのに
実食するとスープの下2センチが地獄みたいにしょっぱい
スープが混ざり切っていない カップみそ汁も大概こうなる
混ぜる力が老いたのか?手首のスナップの問題か?
「齢かぁ」打ちひしがれていたある日
我が娘ーー高校1年生
インナーカラーで半分金髪、ピアス&へそピアスあり
語尾に「~くね?」を多用する令和型生物がこう言う
「セルフロウリュが出来るサウナに連れてってくんない?」
「整うってやってみたくね?あとちょっと話したいことあるくね?」
老いた父は娘の「話がある」にはめっぽう弱い
やってきたのが朝里川温泉ホテル
女湯にもセルフロウリュのサウナが導入されたはず
湯の魅力にサウナが勝てない施設が多い中
ここは圧倒的にサウナがマウント取ってくる
ソロになれる機会も多く、ロウリュ欲も満たされるし
いつも当社比120%くらいで汗が出る
桝形の方の水風呂からの外気浴が最高過ぎるし
なにより静かなのが気に入っている
風の音と鳥の声しか聞こえない
そんなんで
オイラが男湯でしおしおになっている頃
娘はおばちゃん数名とロウリュ選手権をやっていたらしいw
のれん前で合流
「整った?」と聞かれたが
正直、整ったのか寝落ちしかけたのかわからない
「ロウリュのさ「ジュワー」ってさ、やばくね?あれっぽくね?」
「何ににてると思ったんだよ」と聞いたら
「いや、ちょっと言えないけど」ごにょごにょ
「スマホ使えなくて強制リセット!みたいな感じ」
「ほうほう」
「頭の中がずっとSNSな感じなんだけど電源プチッって切られる感じ」
「逆に楽くね?って」
意味はよくわかるぞ娘
「また別のサウナに行こうくね?」
日本語おかしいって
娘の話も一発KOされるようなものでなくて一息
最愛の娘よ覚えておくといいぞ
「外に出ると入れなくなります」
[ 北海道 ]
実は昨年の夏の終わりから髪を伸ばしていた
肩まで伸びて同じになった誰かに「Marry Me?」ということではなく
作戦3を実行するための大いなる序章としてである
そう、富士乃湯店主から
「ヌルヌル」乱発の自慢話をもう一度聴きたい!
店主が「初めての客」と認識した際に放たれる自慢話
同時に顔見知りには決して再び語られない自慢話を今年こそ聴きたい
昨年夏、作戦1では
サングラスを購入し更に印象操作のために
オーバーオール(サロベット)を着用して訪問するも
老練の店主の前に玉砕
作戦2では「初めての客」と思しき、我が息子を同伴するも
ヤツは実は初めての訪問では無く
なおかつこの男、愚かにも店主の面前で
「前に来たことあるわ」とご丁寧に声に出して言うという
カモ🦆がねぎを背負って料理屋に飛び込む如き失態を演じた
そうしてオイラは髪を伸ばし始めた
サウナを離れればサラリーマンの身の上
悲しき、中間管理職として挟まれまくる日々
の中、長髪化は過酷であった
オンライン会議ではカメラにぶつかる振りをして
毎回まゆ毛から下のみの友情出演とした
キツメの天然ウェイビーヘア(天パね)のため
湿気でも乾燥でも爆発する髪にはヘアオイルなるものを
パスタに掛けるオリーブのそれのように多用し
テカった髪は昔のオタクのコスプレと陰口が聞こえた
涙が出てくる日々であった
久しぶりの富士乃湯
オイル無しボサボサのヘアーは
内藤哲也をイメージしている
「ヘビメタじゃね?ww」娘の嘲笑も今となっては良い思い出だ
靴箱の前で顔見知りのじいさんとすれ違う
浴室でアダムスキー型で転んだ、あのじいさんだ
じいさんはこちらを二度見した
「オイラのこと忘れてくれたんですか?」
聞いてはいない。聞いてはいないが心の中でそう呟く
さて、受付で店主が目を細めてこちらを見ている
店主は静かに口を開く
「初めて。。。」
1万秒にも感じる、実は一瞬の沈黙の後
「。。。じゃないよねw」
わかっている、あなたは忘れない人だ
今日はちょっとだけ初めましてでいたかっだけだ
ミストの中で目を閉じる
天井から滴る雫は線香花火の火球のようだ
いいサウナなんだ
「おばさんのコスプレ?」今に至る最大の原因である
息子からの一言を思い出し別の火球が心に湧き立つ
--ヌルヌル、遠しっ!
帰り際、店主がまた目を細めている
入ってきたばかりの若い男の客に
「うち初めて?」と聞いている
甲子園の土を持ち帰る球児のように
ペットボトルに詰めた自慢の水を持ち帰った
作戦4 近日決行
[ 北海道 ]
この2ケ月で7回目です。
もう「フラヌイジャンキー」です。
でもねでもね
サウナの後で10分以上、出来れば20分
源泉に浸かって立ち上がった時の
身体が熱を発するかの様な感覚から
逃げられないのです。
このままだと大変な事になりますので
神頼みしてみます。
[ 北海道 ]
三笠の湯の元温泉のキャンプ場で一泊
外観よりもお風呂の施設は綺麗で
サウナはえべおつ温泉を更にコンパクトにした感じ
けれどしっとり体感がとてもイイ
水風呂は無いのだが
水瓶にジャンジャン水が掛け流されていて
頭から7杯ほどぶっ掛けて露天に
一脚だけ置かれた椅子に体を預ければ
妙な脳内麻薬が出て
迂闊にもトリップしちまった
他のお客はサウナに見向きもしないのでw
いそいそと
サウナ>水ガメ>露天>白目をループ
60年代のヒッピーに想いを馳せる
キャンプ場はソロ向けのサイトがぽつぽつとある感じ
家族で来るような所ではない
チャリで到着した欧米系外国人カップル
「コニチワ」じゃないきれいな「こんにちわ」だったので
少しおしゃべり
日本語はデーブスペクター以上
「後で少し飲みましょう」と言う話になり
「風呂いいよ」と伝えて一旦別れる
焼き鳥やで買った焼き鳥を炭火で温めて
彼等のテントへ
美唄焼き鳥は「初めてだ」と喜んでくれた
日本食は何でもイケるけど寿司が特に好きと言う
リアム(仮名)という男は恋人のエマ(仮名)と
東京「成増」に住んでいると言う
オイラもかつて住んでいた街だ
成増の風景を思い出していると
リアムがふいに聞いてきた
「〇〇鮨って知ってる?」
「たまに行くんだよ」と
知ってるもなにも・・
稀有な思い出が蘇って来る
当時30代だったオイラは
「行きつけの寿司屋で呑む」という
大人チャレンジ企画に挑戦していた
東京の下町には昔ながらの大衆寿司屋が
今も残っていて、安価に酒と寿司を愉しめる
そんな店に通っていた
常連の人たちの中にひときわ気風の良い女の人がいた
と、言っても色っぽい話では無い
お相手は70歳を過ぎたご老人
だけど江戸っ子らしい話し方が気持ち良く
毎度ちょこちょこ言葉を交わすようになった
オイラはその人を「しずか姉さん」と呼んでいた
ある土曜日の夜
いつもより少し饒舌なしずか姉さんが
そっと耳元でこう囁いた
「ねえ、アナタ、私を抱ける?」
「へ?」大人チャレンジなんて吹き飛ぶ声がでた
「お風呂入ってきたからカラダはキレイよ」
その言葉まではギリ覚えている
30代のオイラと70代の姉さんに
そんなもんが成り立つ訳がない
どうにかすり抜けて
それっきりその寿司屋には行っていない
一見可笑しいけど寂しい思い出でもある
リアムとエマが腹を抱えて笑っている
オイラも一緒に笑っていたけど
何だか腹が立ってきた
いつか偉くなって鬼のような関税を掛けてやるからな
トランプも同じかもね
日程や人数、部屋数を指定して、空室のあるサウナを検索できます。