サウナの梅湯
銭湯 - 京都府 京都市
銭湯 - 京都府 京都市
「今から京都に行ってくれ」
業務終わり上司に言われた。名古屋から京都までは2時間くらいかかる。
私をスキーに連れてってみたいなノリで言われても困るのは私だけではないだろう。
心の中の広瀬香美に問いてみた。
「今から京都いくのだるいよね?」
「サウナの梅湯」
そうゲレンデの女王は呟いた気がした。
川を背に中に入ると番台には若い男女が2人立っていた。
ジャイアント馬場が新潟県三条市出身であることが常識のように、銭湯の番台というのはご高齢の方が多いのが常識だ。でも接客は素晴らしかった。
中に入ると、脱衣所のロッカーの「26」番のロッカーの鍵を返してくださいという張り紙が貼ってあった。やっぱフロって読めるからかな。そう思いながら浴場に入る。
「えっなんかヴィレバンみたい」
浴室の壁には、注意書きが数多く貼ってあった。
でもぶっきらぼうな注意書きではなく、周りをマッキーで囲んでいたり、文の選び方にどことなくセンスを感じる。
又、壁に梅湯新聞という手書きの新聞が貼ってあり、お風呂に入りながら読むことができる。中の記事は「京都の投票率が悪いので銭湯に行こう」という真面目なものから「モンハンが面白いです」という生活感溢れる記事まで。
サウナは110度を超えるカラカラ系高音サウナで7〜8人が入れるかな?というサウナ。
テレビはないが、3軒目のバーでしか流れないような音楽が流れている。
中ではおっさんが、若い頃はサウナに20分は入れたという武勇伝を語っていた。
ジャズな音楽におっさんの武勇伝は、刺身を肴にドクターペッパーを飲むようなアンバランスさがあった。
大量発汗したあと、天然地下水の水風呂が全てを包み込む。
滝が流れていやがる・・・・、
「サウナ」の梅湯の名前は伊達じゃない。銭湯にしては豪華すぎる水風呂がここの全て。
ととのわないわけがない。
名古屋の銭湯なら風呂上がりに中スポを読んでドラゴンズの近況を知れるのだが、ここは京都。
「根尾、お前今何してる?」
俺は泣いていた。
いつかサウナ好きの彼女ができたら梅湯の話をしたい。
そしたら彼女はこう呟くだろう
私をサウナに連れってって
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