【閉店】桜台温泉
銭湯 - 愛知県 名古屋市
銭湯 - 愛知県 名古屋市
「あなたのことが好きなのか分からなくなった」
そう言われたのは別れの季節には少し早い2月の上旬だった。
付き合っていた彼女にそう別れを切り出され、半笑いの原田泰造に顔面をヴィヒタで叩かれたような今の感情を投げ捨てるため桜台温泉に向かった。
正直盗んだバイクで走り出したかった。
だが、俺の自動車免許では原付しか運転できない。国土交通省を恨んだ。
そしてそれは突如現れた。
平静な住宅街の中にいきなり現れた銭湯。
そういえば彼女との出会いも唐突だったな
と少し笑いながら暖簾をくぐった俺を女将は怪訝そうに見ながらお金を受け取った。
綺麗なロッカーに乱雑に衣類を投げ込みサウナ室に入った。
ああ、、、すごくいい
テレビがない狭い空間が今は救いだった。
流れてくる優しい音楽。
汗を流し、すぐ隣の水風呂へ。
つ、冷たい?!
綺麗で臭みのない水風呂。
このままカルピスを薄めて飲めるのではないか?最高すぎる、、、。
そして脱衣場に座り置いてある中スポを読む。
最高。整わないわけがない。
根尾、、、何回表紙飾るんだよ、、、
俺は泣いていた。
ありがとう桜台温泉、、、
ありがとう原田泰造、、、
俺、、、前に進むよ。
ー完ー
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