おとんとぅ

尾のへの桜いかならむ


この季節、なんとも私の心をくすぐるのは、
遠くの山の緑のなかに
ぽつり、ぽつりと淡く咲く、桜の白さである。

夜の間に、春の精がそこに集い、
満ち満ちた春の気の、その名残りかのような。
春霞は、そこから立ちのぼるものであるかのような。

いつ、誰が、
そんな山のなかに、ぽつりと桜を植えたのだろうか。


蓋し、私のこの夢想は、
この歌に端を発しているように思う。

『花の色は かすみにこめて 見せずとも
かをだにぬすめ 春の山かぜ』

（山に咲く桜の色は、霞にさえぎられて見えないけれど、
せめて香りだけでもそっと運んでくれ、春の山風よ。）


昔、飼っていた犬は、風が吹くとよく、
風の流れをたどるように顔をあげ、
クンクンと鼻を鳴らしていた。

この子は風の中に、どんな匂いを感じているんだろう。

私には感じ取れない風の匂いを嗅ぎ分ける、この獣の嗅覚を、
私は少しうらやみながら、
この愛くるしい仕草を眺めるのであった。


さて、サウナの方はというと、
この私を、かくも恥ずかしげもなく詩人たらしめるほどに、
素晴らしいものであった。

かすかにそよぐ、春のやわらかい風を感じながら、
ひさびさに、静寂が支配する至高の空間を堪能した。

この施設がサウナーの注目を一向に浴びないことが不思議でならない。




それにしても、前回のおろちんゆーからの落差たるやこの。

はい。どうもこんにちは。おとんとぅーよ。
今日は笑福の湯にやってきたわ。


今回はこれを使っていくわ。
うえっうえっうえっほわぁああ！
これよ。源氏の兜。
この源氏の兜はね、熱から頭を守ってくれる優れモノなのよ。

それとね、もうひとつ。
これはサウナマットよ。
なんでこれは忍具っぽい名前じゃないのかって？
何も思いつかなかったからよ！

でもね、このサウナマットは必需品なのよ。
考えてもみてちょうだい。
見知らぬオジサンのデリケートな部分を伝った汗が
たっぷり染み込んだマットに、
自分のデリケートな部分を重ね合わせるなんて、
それはもう間接的に汗まみれのオジサンとまぐわってるようなものよ。
気持ち悪いったらありゃしないわ。


そしたら、そろそろサウナに入るわ。
扉の向こうは別世界だからね。
気合入れていくわよ。

千円チャーシュー！

ちょっとなにこれ、あなた。
すっごく熱いわ。
それもそのはずよ。
ここのサウナ室はね、遠赤ストーブが2基と
IKIストーブがチャカメカファイヤーしてるからね。


スタッフさんがやってきて、アロマロウリュの時間ね。
どんなアロマかしらね。楽しみだわ。
IKIストーブに、ただのお水を注ぐわ！

うわ、きたきたきた！やばいやばいやばい！
どうしたらいいの、これ！熱い熱い！やばいやばい！
耳と乳首が焼き切れそうなくらい熱いわ！
こんなときは深呼吸よ。

すはすは すはすは

あー。ちょっと待って。
すごくいい匂い。
何かしらね、これ。
シダーウッドかしら。

汗もかいて、しっかり温まったことだし、
そろそろお家にかえりましょぁああ！
間違えた。水風呂に入りましょ。


それじゃあ、水風呂にも入ったことだし、外気浴をしていくわ。
外気浴をしないサウナなんてね、
お寿司屋さんに行って醤油だけ舐めて帰ってくるようなものよ。

あーもうね、なんも言えない。
人生はサウナ。
もう一度言うわね。
人生はサウナ。


よく、○○が食べられないなんて人生の何割損してる
なんて言う人がいるけどね、
サウナの気持ちよさを知らない人は、
少なくとも人生の幾分かは損してると思うわ。
サウナドーテーって呼んでやろうかしら。


ここまで読んでくれたあなたは
もうファンすぎてフアン！ファンになっているわ。
みなさんもマナーをしっかり守って
ステキなサウナライフをおくってちょうだい。

それじゃみなさん、ハヴァ ナイスディ！

あれから30年


忙しい日々がようやく過ぎ去り、
溜まりに溜まったうっふ～ん（鬱憤）を
あっは～ん（アウフグース）で吹き飛ばしてもらってきました。

あっは～んに至っては、
「あ」と長音しか合っていない様など
あないみじ。


今日はアウフグース祭りということで、
なんと1時間に1回、アウフグース開催！
そりゃもう、3セット全部アウフグース受けちゃうでしょ！
3回とも違う方にあおいでもらって大満足。


話は変わって、
中学の同級生とおぼしき人を見かけました。
懐かしさのあまり衝動的に声をかけようとしましたが、
ととのいタイムを中断してまで懐かしむほど
仲がよかったわけでもないし、
声をかけたところで
明日からの私の人生に何の変化も起きないだろうな
と思ってそっと目を閉じました。

そんなことより、「あれから30年」って
綾小路きみまろのネタレベルで
時が経っていることに戦慄している。

3月7日はサウナの日ということで、
蓬莱の湯でもイベントをやっていました。

忙しくてもサウナは別腹なの！

簡単にまとめると、
いつもと違っていたことと言えば、
テレビがOFFになったおかげで、
サウナ室で暑さに悶えるおじさんたちの
ハアハアという息づかいがよく聞こえるようになっただけ。

でもなんだかんだでやっぱりロウリュは最高！
3セット目にはばっちしととのって、
うるさい音楽も話し声も、どうでもよくなりました。

やっぱり静かな外気浴は、
ととのい度がマシマシになりますね。

どのくらい違うかっていうと、
お寿司のサビありとサビ抜きくらい違う。

耳栓つければいいじゃないっていうのは、
ワサビを溶いた醤油で
サビ抜きのお寿司を食べる
みたいなもんですしおすし。


しばらくちょっと忙しいので、
投稿と返信が適当になります。

今日は特になにもなかったので、
Youtubeでも活動されている、
画家の柴崎春通先生の口調を真似て書いてみます。
（わかる人いるんかいな）


こんにちは。おとんとぅです。
お元気ですか？そう、よかったね。


今日はね、おとんとぅは元気に、ね
蓬莱の湯に、行ってきますよ。


こうやって、ね、サウナマットを敷いて、っと
さあ、どうかな？
うん、熱いですね。
ねぇ、ほら。
もう汗がね、ダラダラーっと、ね
出てきましたよ。
はい。
じゃあ、そろそろ水風呂に入ろうかな。うん。


さあ、水風呂にやってきましたよ。ね。
うん。あー、冷たいねぇ。
おとんとぅの体感ではね、うーん、どうかな
15℃くらいかな。
ほらほら、ね。バイブラで泡がね、
ぶくぶくーって立ってますから、
実際よりも冷たく感じますよ。はい。


そうしましたらね、仕上げに外気浴をしていきますよ。
今日はね、とっても天気がいいですからね
露天でお休みしようと思います。ね。
わー。ほらほら、太陽がね、いっぱい降り注いで
ねぇ、とっても気持ちがいいですよ。うん。
さあ、どうかな？
はい、ととのいましたよ。
ね。


はい。今日はあなたもサウナに行ったかな？
ね。あなたもととのいましたか？
そう。よかったよかった。


それでは、また次回、
違うサウナで、あなたにお会いしたいと思います。
それまでどうか、ね
お元気でお過ごしくださいね。
おとんとぅでした。

まいっか


私は感覚というところでは、
敏感というよりも過敏なところがありまして…
カビーン！
なんつって！（面白くない）


今日のサ活は、ずっとおしゃべりに悩まされ続けました。
内湯でも、露天でも、サウナ室でも。
9人定員のサ室内にいたっては、
私以外全員がおしゃべりしているような場面も。


イライラしても仕方がないので、
心の中で魔法の言葉を唱えてみることにしました。
「まいっか」


むかし、ロッテ クールミントガムのCMで、
こんなのがあったのを覚えている方はいますでしょうか。

ペンギンが出てきて、
「さあ、やるかぁ」
「昼からやるか」
「明日からやるか」
「まいっかぁ」
「つる～ん」と言って、
ペンギンが腹ばいに氷の上を滑る。

こんなふうに、ゆる～く生きたい。


写真は伊太和里の湯に行く途中の農村風景。

ちょっとひと工夫


サウナハットって、外気浴のときに
ちょっと邪魔なときあるじゃないですか。
戯れに足先に被せてみたんですよ。


！？


いいぞこれ。

この時期、もっと外気浴を楽しみたいのに
足先が冷たくなって終了
ってことが多いと思うんですが、
それが軽減されます。


そしてもうひとつは耳栓。
MOLDEXというメーカーのものを
Amazonにて8セット495円で購入。

あれっ！？ひとつあたりは百均よりも安いですね！
性能も百均のものとは段違い。
サ室内での大声の会話も
遠くで誰か話してるな～って程度。


ひさしぶりのサウナだったこともあってか、
サ室での時間経過があまり気にならなかった。
心拍数170超えまで耐え、バッチリととのいました。


ってか、前から気になってたんだけど、
ここのお風呂は上がった後に
カルキ臭が体中からぷんぷん漂ってきます…

最後は温冷交代浴の水風呂でシメたいんだけど、
今度からは冷水シャワーにしようかな。

ムラムラ


今日はお気に入りのゆらくへ。
よく行くサウナは、それぞれ役割のようなものがあって、
ゆらくは、すべてをリセットするための場所。


3セットを終えたところで、ふと気付く。
なんかあんまりととのった感じがしない…


それもそのはず。
GGEどもがうるさくて、ずっとムラムラしていたのだ。
ムカムカとイライラを足してムラムラです。
決してGGEの裸に欲情したわけではありません。


最後にもう1セット。
お昼時になって人が少なくなり、静かな外気浴。
きたきた。ようやくちゃんとととのった感。


帰宅してお昼寝。
4セットガッツリめに入ったので、爆睡。
最高に気持ちのよいお昼寝でした。

ああ無常


今日はヴィヒタリアン 横山さんのアウフグース。
タオルさばきがすごく上手になってる！

アウフグースって、なんでこんなに気持ちいいんでしょうね。
大好きなヴィヒタのアロマでお鼻幸せ。
結露した水蒸気がダクダクと身体を伝う感覚も気持いい。

ととのい方も、バッチリぶっ飛んじゃうのに
どこかしら、ふんわりとした感覚に
包まれているような気がしませんか。

永遠に続くのではないかとさえ錯覚する快楽。
霧が晴れるように、ぼんやりと現実に引き戻されてゆく。
ああ無常。

朝サウナで仕事の能率は向上するか


今日はあいにくの曇り空。


退屈である。
光のインクをポタポタとまぶたの裏に垂らすように射す陽光もなく、
青空を謳歌するような鳥のさえずりもない。
退屈な鈍い空の色。


だがそれがいい。


世の中は見るからに美しいものばかりではない。
人生はいつもいつも、キラキラと輝いているわけでもない。

一見、退屈に見えるものにも美しさは確かに内在しており、
それを理解してこそ、
美しいものはより一層、美しく映えるのだ。




さて、9時に家を出て
さくっと2セットで切り上げたつもりで、
帰宅してご飯を食べたら
もう12時。
お昼寝したい…


オフトゥンの誘惑を振り切って仕事にとりかかる。
頭も身体もリラックスしていて
デスクワークも苦にならないが
お昼寝したい…


朝サウナで仕事の能率は向上するか
結論：





( ˘ω˘ )ｽﾔｧ…

悪文


昨日は笑福の湯のペイバックデーだったのですが、おととい蓬莱の湯に行ったしまぁいいかと思ってスルーしたものの、今日になって「やっぱりサウナイキタイ！」の急性発作が出たのでサウナに行くことにしましたが、車のガソリンがなかったので歩いて行ける蓬莱の湯に行ってきました。


…いや、説明下手くそか！
改行もせずにダラダラ文章を書くと
こうなりますよっていう見本です。


おとんとぅ先生が添削すると、こうなります。

おとといサウナに行ったばかりですが、
サウナイキタイの発作が出たので、
蓬莱の湯に行ってきました。


なんかBGM小さくなってる？
蓬莱はいい施設なんですよ。
ここのサウナ室が一番相性いいんじゃないか
って思ってるくらい。

でも、それを打ち消してあり余るほどの
残念ポイントが
バチクソうるさいBGMだったのです。

美人で性格も良くて料理もできて
おっぱいもバインバインなのに
いつも鼻毛出てる、みたいな。


とにかく、BGMが小さくなって
快適さが段違いに向上しました。
もっと小さくていい。
むしろ、BGMもテレビも全部無くしてくれていい。


今日はドライサウナが
高温設定だったこともあって、
バチバチにぶっとびました。

マラソンを走り終えて、
荒い呼吸のまま地べたに座って
「あー疲れたー」
って空を見上げているときのような。

荒々しい呼吸がこんなにも心地よいなんて////

逆サウナ


朝7:30に出かけて近所をぶらぶらとお写んぽ。
さっむーい！


蓬莱の湯に着いた頃にはすっかり冷え切って、
冬眠しそこねた変温動物のように
すべての動きがスローモーション。

指がかじかんで力が入らず、
靴箱のカギが回せない…


ようやくお湯に浸かって、人心地つく。
ある意味、これは逆サウナ。

指先にジンジンと血が通い、
身体がほどけていくような感じ。
気持いい…けど、狙ってやるにはキツいかな。


最後の1セットだけ、内湯で休憩。
呼吸が身体のすみずみまで清らかに行きわたる感覚。
外界と隔絶され、呼吸にすべての意識が向く。
ととのうって、こういうことだったよなぁ。


それはそうと、今日もとってもホラーな写真が撮れました。
ワイはこれでも美しい写真を撮ろうとしてるんやで…

・・・


・・・・・・


いや、なんも書くことねぇ！


ノイ爺(noisy)もストレン爺(strange)もいなくて、
実に静かで穏やかなサ活でした。


普通が一番幸せ。

からっぽ日和


休日ってなんとも言えない独特の空気感が
漂っているような気がしませんか。
時間がゆっくり流れているような。
世の中全体がなにか大事なものを
ぽっかりと忘れてしまったような。
陽の光でさえ、力が抜けてのほほんとしているような。


そんな休日サウナにぴったりなのが伊太和里の湯。
11時ごろに行くと、ご飯時で人が少なく、
陽も高くなって、のほほんとした空気感に包まれる。


しつらえられた植栽もきれいなんだけど、
垣根の向こうに見えるなんでもない杉林を、
ぼんやりと眺めながらの外気浴が
なんとも言えず気に入っている。


眩しくなって目を閉じて、
瞼の裏にちらちらと揺れる光ですら、
心地よく感じる。


唯一、ぼーーーーーっとできる時間。
からっぽになれるひととき。


行きがけに中央公園に立ち寄ってお写んぽ。
小さいころから何度も通った公園。
だいぶ様変わりしたところもあれば、
むかしもあったものが朽ちてボロボロになっていたり。


いかにも何十年ぶりの再訪かのように語っているが、
実は去年も来ている。
どんぐりを拾いに。
40超えたおっさんが独りで。
どんぐりを拾いに。

こういうのでいいんだよ、こういうので。


新年初サウナは、ゆらくへ。

この施設は、例えるなら「お茶漬け」。
これといった特徴もなく、
かと言って足りないものもない。
必要十分。

でもなぜか、ホッと一息つけるような、
じんわりと満足感に包まれるような、
そういう感じ。

しかも、テレビも館内BGMもない無音空間。
どうかずっとそのままの君でいてほしい。


外気浴でデッキチェアに寝そべると、
真正面に太陽。
全身で日光を浴びる。

冬であることを忘れてしまいそうなほど、
ぽかぽかと気持ちよい。
ここはホント、1セットごとの満足度がとても高い。


帰りにちょっと足を伸ばして「ゆるびく村」に寄り道。
イングリッシュガーデンの中に
いかにもインスタグラファーが好きそうな
レトロかわいいみたいなカフェが点在しているところ。

ですが、私が写真を撮ると、こうなります。
なんでや…

夜を想う


サウナの方は何事もなく、穏やかに消化しました。

普通は、そうそう毎回毎回、
オジィやら外人やらにからまれたり、
面白いことなんて起きませんよ。
どうしてあの人のサ活はネタにまみれているんだろう。


最後は、もはやこのところの定番となった服着浴（ふくきよく）。
ととのい×まどろみ
最高のぐうたらマリアージュ。


30分ほど、まどろみタイムを満喫して、
寝ぼけ眼のまま、ふらふらと退館。
遠くの空ははネイビーとオレンジのグラデーション。
家や電信柱や木の枝が
真っ黒なシルエットになって
影絵のように幻想的な風景。


ふと思いついて、ショパンのノクターン全集を掛けてみる。
演奏はマウリツィオ・ポリーニ。


やばい。ととのう、これ。


外気浴以外でととのうとかないから
ととのう言いたいだけでしょ、どうせ。
と思っていたのだが、
これはととのう。


おりゆく夜のとばりと一緒に、
まぶたまで閉じて、
夜に取り込まれてしまいそう。


運転中なんですが、今、私。


今年最後にとてもよいサ活ができました。