天空のアジト マルシンスパ
温浴施設 - 東京都 渋谷区
温浴施設 - 東京都 渋谷区
サウナ:手前18分→手前21分→上段8分
水風呂:1分 × 3
休憩:10分 × 3
合計:3セット
一言:
マルシンはサラリーマン人生の縮図だ。
奇しくもドラマ『サ道』で荒川良々が会社にも家庭にも居場所の無いサラリーマンを演じ、その密かな逃げ場として描かれたのがここマルシンスパであった。
まず、入場から選ばれた人間しか入れない。これは小学校、いや幼稚園からお受験しているようなものではないか。運良く入館できたとしてもまたカランの数が狭き門だ。またここで選別される。さらに小さい湯船に入れる人数も限られる。
それらの難関をくぐり抜けて、またはそこまで相当な時間を要して、場合によってはそこからまた順番待ちをした後に入れる文字通り狭き門(低き扉)がサウナ室である。
しかし、無事に入れたからといってその果実をすぐに享受できるわけではない。まずは着席することすら許されない『立ちベンチ』という矛盾の化け物のような名前のスペースで屈辱を受ける。
その地べたを這うようなポジションからスタートし、みなゴール地点であるトップ(最上段)を目指すのだが、初っ端から面白い。立ち待ちをしていると、不意に手前の中途半端にリクライニングしたベンチが空くことがある。そうすると、社内外の無言の圧力でそこに座らなくてはならない雰囲気になる。そのプレッシャーに耐え切れない人はそこに着座する。と、上段が空くと皆一斉に出世レースを始めるのだが、手前リクライニング組はなぜかそのレースから除外されていることが多い。つまり、そこに着座するともはやそこで定年を迎えるしかなくなるのだ。
そこは出入り口にも近いし高さも無いので温度が低く、必然滞在時間も延びてしまう。そうしてる間にも同期入社組は着実に出世の階段を登り詰め、時にはロウリュで上司(上段)を追いやったりしながら、最後には意気揚々と会社を退職していったりする。一方私はこのぬるま湯のようなポジションで、後から入社してきた人たちから一瞥もされずにただただ汗を出し続けるしかないのだ。
そして今日は最後に不退転の決意で臨んだセットで奇跡的に最上段への直行切符を手に入れたが、程なくしてマット交換のため強制退職を余儀なくされるという、まさに不幸マンを絵に描いたような会社員人生であった。
歩いた距離 5.4km
男
書き方が面白い
マルシンスパ大好きです! お気に入り登録ありがとうございます😊
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