THE SPA 成城
温浴施設 - 東京都 世田谷区
温浴施設 - 東京都 世田谷区
平日 晴天 通常利用
館内滞在時間 10:00 〜 14:55
入泉時間 昼の部 10:05 〜 11:55
入泉プログラム
昼の部 (12 × 3) M (2 × 3) G (10 × 3)
本日の生ビール 大ジョッキ 3杯 他
本日の昼サ飯 四川麻婆豆腐
本日のメインディッシュ 〝バランス〟
冷たい北風と柔らかな陽射しのアンバランスに季節の移ろいを感じる午前十時、シルバーと赤いボディカラーのバスに揺られて千歳船橋駅に降り立った。246の渋滞で無料のシャトルバスへの乗り継ぎには間に合わなかったが、見知らぬ街に胸を躍らせ歩いて向かった。
「SPA 成城」という高級感のあるネーミングに気後れしていた自分がいたが、フロントの和やかな雰囲気に心なしか安心できた。入浴料と館内着の代金を支払って大浴場へと進むと、さすがは成城を名乗るにふさわしい、シックな装いの浴室が広がっていた。
グレーを基調とした浴室内を一周して全体の構図を頭に入れ、カランで身を浄めて下茹で場所に移った。本日の予熱に選んだのは露天スペースに設けられた〝つぼ湯〟で、源泉かけ流しの贅沢な一人用の湯船である。ぬるめの黒湯が絶えず湧き出る風呂で身を屈めていると、不思議な安心感を覚えるのは忘れていた胎児の記憶のせいだろうか。ゆったりと時間をかけて温浴を終えて、待望のサウナの最上段に腰を下ろした。
オープン直後でふかふかマットの清潔感が世田谷クオリティを誇示し、天然木と天然石をあしらった室内は、紳士ばかりの空間で落ち着いた空気が流れている。薄暗い照明も居心地の良さを後押しして、12分が短くすら思えて時間が過ぎていった。言い換えれば温度と湿度のバランスが優れている証でもあり、身体への負荷を感じずに水風呂へと移動した。掛け水を怠らず入った水風呂は、とても広く水当たりも優しい。過度な冷たさではないが、確実に全身の熱を奪いとってくれる。
その後は露天に置かれたリクライニング式のデッキチェアに身を委ねて空を見上げると、ずっと狭いと思って生きてきた東京の空が、こんなにも広かった事を教えてくれた。まだ冬の面影を残す外気の冷たさと、換気口から吹いてくる浴室内の温かな風が絶妙なバランスで肌の上を交錯する。
最後は内湯と露天の黒湯を交互に浸かり良質の天然温泉で肌に潤いを与えてから、レストランの生ビールで喉を潤し心身のバランスを整える。辛さと痺れのバランスが良い四川麻婆豆腐をツマミに、ホップと麦芽のバランスが素晴らしい冷えた生ビールで、バランス感覚を失うまで呑んでしまった世田谷の昼下がりだった。
男
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