カプセルホテル&サウナ コスモプラザ赤羽
カプセルホテル - 東京都 北区
カプセルホテル - 東京都 北区
某絵描きが半信半疑で赤羽に降り立つ。集合時間より早く到着したせいか、「駅前のとんかつ屋でシ◯ってる」とのセジメを受信する。相変わらず甲斐性のないやつだ。
向かった先は「コスモプラザ赤羽」。「前から行こう行こうと思ってたんだけど、なんかタイミング逃しちゃってさー」と、入館する前から言い訳がましい絵描き。
受付で検温し、「お名前と電話番号、右側の【はい/いいえ】をご記入ください」と言われたのに、「今日何日だっけ?」と、書かなくていいところにもペンを走らせる絵描き。最近、絵を描いていないから、違う「書き」で相殺しようとたくらんだに違いない。だからとんかつ屋でもカいていたのか。抜け目ない。
洗体後、サ室に入ると、絵描きは神妙な顔つきで言った。
「……すげえいいじゃん。いいよ。すごくいい」
未来永劫変わらぬ語彙力で施設を称える。互いのタイミングで蒸され続け、赤プラの休憩場所、通称「懺悔室」で絵描きは述べた。
ごめん、ととのっちゃった……///
耳を疑った。
俺「今、なんて?」
絵「だから…ととのっちゃったんだよ!///」
俺「控えめに言って?」
絵「ううん、控えめじゃなくてもととのった///」
満面の笑みで頬を赤らめる絵描き。いつもならタイトに3セットをかましたらサクッとあがるのに、「おかわり!」と、懺悔室からスキップでサ室に向かう。
「鏡がきれい」
「水風呂、冷たくていいね!」
「低温サウナ、そんな臭くないよ」
「きれいな鏡だなー」
「新しい施設じゃないけど、清潔感あっていいね」
「サ室のこの狭さがいいのかな。熱が逃げない感じ」
「鏡見た? きれいだよね」
脱衣所で体を拭いているときも、ロッカルームで着替えているときも、「スゲエイイヨ・ウン・スゴクイイ」と、呪文のように唱え続ける絵描き。
たぶん、サ室をはじめとした施設全体を褒め称えているんだろうけど、鏡を称える文言がサブリミナルのように差し込まれたせいで、「赤プラ=鏡がきれい」という印象をすり込まれて退館。
外に出ると冷たい秋風が頬をつつく。
「やべえ……」
まだ褒め足りねえのかよ! と思ったら、ニベアを忘れて落ち込んでいた。
男
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