サウナセンター稲荷町(旧サウナホテルニュー大泉 稲荷町店)
カプセルホテル - 東京都 台東区
カプセルホテル - 東京都 台東区
通勤電車内で切符を落とした老婆がいた。明らかに自発的に落としたように見えたので、なんだか妙な感覚に襲われつつも拾おうとしたら、隣に座っている男性が「ダメだよ、捨てちゃ」と言って拾い上げた。
「夫婦かな?」にしても、なんて無感情な表情の奥さんだろう——その時、ふと思い出した。アルツハイマー型認知症の妻を介護しながら生活する夫のドキュメンタリーを。
夫は妻を介護する上で、決して甘えた行動を許さない。時に激怒し、時に褒める。夫婦の思い出は、新婚旅行で訪れたバルセロナ。以降、ユニコーンばりに休みが取れたら定期的に2人でバルセロナへ飛び立つ。
居間には、これでもかと言わんばかりの笑顔が印象的な記念写真が並ぶ。それを手に取る妻。しかし、これといったリアクションは取らない。妻が病に冒され病状が悪化してからは、大好きなバルセロナ旅行も断たれてしまった。そして、夫は定年後に貯めていた年金で一念発起。
飛行機は乗れないけれども「志摩スペイン村なら」——。カメラは志摩スペイン村に到着した2人を追う。するとどうだろう、記憶をなくした妻が足を止め、突然、涙を流し始めた。夫が気づく。「もしかして思い出した…?」と肩を抱き寄せ、妻と共に涙を流す夫。
撮影に密着するカメラマンのフレームが揺れる。小さな声でカメラマンの声が聞こえた。「…よかったですね、奥さん、連れてこられて」。当時の僕も、右手で股間をリトル・マサグリー・モンスターしつつも、テレビに見入り、1サ活で流す汗の総量を凌駕する、溺れるんじゃないかというくらいの涙を流した。
それ以上の涙を流し、嗚咽しながら夫は言った。「本当に…連れてきてよかった。本当に」と。人間って、なんて素晴らしいんだろうと思った。そして最後に番組のナレーターが放った。
「妻は、この旅行すら忘れてしまうかもしれない」
冷酷! 手厳しい! 情け容赦なし!
そんなことを思い返しながらサ室を出ると、物干し竿的なラックに冥界に連れて行かれそうなおじいちゃんのブリーフが干されていた。おいおい、おじいちゃん、ここは自宅じゃないんだぜ。
すると洗い場に見慣れた姿がオンザセッ。です。さんだった。まさかのリアル偶然にくりびつてんぎょういたおどろ。せっかくなので、最後に1セット仲良く蒸してサ活を終えることにした。
サ室に入ろうとした瞬間、です。さんが物干し竿からブリーフをヒョイと取り上げ、おもむろにかぶった。「なんという変態仮面的サービス精神!」と思ったら、彼のサウナハットだった。
こういう記憶って、いつまで海馬に収められるのかな、と思いながら、帰路についた。
男
読んで頂いたんですね。恐縮ですφ(゚-゚=)あの芳香剤の匂い、実は苦手で…デパートの化粧品売り場に母に付いていってもすぐに別の階に逃げてました。綺麗な女性の匂いは好きですが😍
私の海馬の働きが正常なのか少し不安になりました…。完読後に再度読み返し、更におかわりしてしまいましたので。。
涙を返して!
〝ブリーフ〟と〝サウナハット〟と〝です。〟さん❣️😂 是非サウナハットのご披露を‼️
痴呆といえば以前、下りの駒ヶ岳サービスエリアで給油してたとき隣の給油機に停車していた車に乗ったおじいさんが大垣市に帰るにはどうしたら良いのか?と質問してました。大垣だったら上りの高速道の方を利用しなければダメなのにその時点で不正解なんだけどなぁ等と思いながら聞き耳たててたらスタンドの人が「おじいちゃんこっちは逆(下り)だよ一旦降りて逆から高速入らないと…」「でも逆だからって逆走っちゃ(逆走)ダメだからね」って会話を聞いて身内にあんな人いたら大変だな。でも俺ももう他人事じゃない歳だよなぁ。と可笑しいながらも寂しくもある複雑な気持ちになりました。
知らなかった。サウナハットってブリーフの穴を塞いで作るのか! 今度誰かに教えてあげよーっと。
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